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白洲次郎はGHQ憲法をどう見ていたか

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2012-05-12

白洲次郎はGHQ憲法をどう見ていたかAdd Starmade-in-nippon

 
GHQ憲法のプリンシプルとは?
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 白洲次郎は終戦連絡中央事務局次長を務め、GHQより「従順ならざる唯一の日本人」と言われた人で、GHQ憲法の押し付けに最後まで抵抗しました。
 
 昭和21年(1946年)3月5日、一連の憲法改正作業を終えて自宅に戻った次郎は泥のように眠ったものの、寝言で「シャラップ!(黙れ)」「ゲッタウト!(出て行け)」と叫んでいました。3月7日付の彼の手記にはこう書かれています。
 
 「今に見ていろ」ト云フ気持抑ヘ切レスヒソカニ涙ス
 
 これらは「押し付け」による抵抗ですが、内容も含めて白洲次郎はその後、どのような見解を持っていたでしょう。
 
昭和27年(1952年)「新潮」9月号 雑感 - 東北一回り
 
「終戦後6,7年間小学校の子供にまで軍備を持つことは罪悪だと教え込んだ今日、無防備でいることは自殺行為だなんていったって誰も納得しない。これは占領中の政策にも責任が無いとはいえない。人間のクセでも6、7年かかってついた癖は、そう一年や二年でぬけるものではない。殊更、否応言わさず強制的につけた癖に於いてをやである」
 
昭和44年(1969年)「諸君」9月号 プリンシプルのない日本 (憲法調査会の調査内容について)
 
「この憲法は占領軍によって強制されたものであると明示すべきであった。歴史上の事実を都合よくごまかしたところで何になる。後年そのごまかしが事実と信じられるような時がくれば、それはほんとに一大事であると同時に重大な罪悪であると考える」
 
 このほかにも憲法前文の「日本国民は・・・」について「日本人が日本の憲法で『我々日本人が云々』とやり始めるでしょうか」とか、67条の「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する」について参議院議員でもなれるようになっているとか、全体として「事務的すぎる」と批評しています。「おくりもの憲法を改正せよ」(昭和28年文藝春秋)も書いており、子供にはほんとの我々のつくった憲法のことも話してみたい、と述べています。
 
 白洲次郎は「プリンシプル」に重きをおく人で、本人は「原則」と訳しています。昭和43年(1968年)9月に次郎は日本学術振興会の占領行政研究委員会のインタビューを受けて次のように述べています。
 
「そういう人(GHQで憲法草案を書いた人)の中に憲法学者的な人は一人もいないわけですよ。方々の国の憲法を読んで来て『こういう国のここもいいから書こう、あすこのあれも書こう』ということから、ああいうチグハグなプリンシプルのないような憲法になってしまったんですね」
 
 ところが次郎は翌年の「諸君」9月号で次のように書いています。
 
「新憲法のプリンシプルは立派なものである。主権の無い天皇が象徴とかいう形で残って、法律的には何というのか知らないが政治の機構としては何か中心がアイマイな、前代未聞の憲法が出来上がったが、これも憲法などにはズブの素人の米国の法律家が集まってデッチ上げたものだから無理も無い。しかし、そのプリンシプルは実に立派である。マックアーサー(ママ)が考えたのか幣原総理が発明したのかは別として、戦争放棄の条項など圧巻である。押し付けられようが、そうでなかろうが、いいものはいいと素直に受け入れるべきではないだろうか」
 
 軍備を持たないのは自殺行為、GHQ憲法はプリンシプルがない、と言ってきたのが、変節しています。一種の皮肉を込めた意味かもしれません。しかし、次郎はどのような観点でGHQ憲法にはプリンシプルがあると言い出したのでしょうか・・・
 
 白洲次郎は謎が多い人と言われています。昭和26年(1951年)5月、日本発送電の9分割によって誕生した東北電力の会長をやっていた時期があります。各電力会社の社長に就任した人たちはフリーメーソンの外郭諜報機関ロータリークラブのガバナーだったという説があります。要するにユダヤの息がかかっています。
 
 GHQの集中排除命令により製鉄会社が四社に分割され、広畑製鉄所を英国のジャーディン・マセソンと合併させようとしたのは白洲次郎です。次郎を知る英国人は「次郎は、我々の良き"コンタクトマン"だった」と評しています。
 
 次郎はロイヤル・ダッチ・シェルグループの会長・ジョン・H・ラウンドと親しく、四日市の旧海軍燃料施設の払い下げで三菱と提携しているシェルの落札に一役買っています。シェルはマーカス・サミュエルというユダヤ人のサミュエル商会を前身とするユダヤ系です。
 
 次郎はドイツ系ユダヤ財閥のウォーバーグ卿と長年の友人で、ビジネスの顧問をやっていました。とにかく次郎の周辺にはユダヤ人が多い。
 
 GHQ憲法はOSS(戦略情報局)のフランクフルト学派が作ったものです。フランクフルト学派の多くはユダヤ人であり、ユダヤ思想が根底にあります。GHQ憲法の首魁、ケーディス大佐はユダヤ人です。次郎の言うGHQ憲法のプリンシパルはユダヤ思想のプリンシパルのことなのでしょうか・・・


 
参考文献
 
 講談社文庫「白洲次郎」北康利(著)
 
 河出書房新社「白洲次郎」
 
  『白洲手記』白洲次郎
 
  『占領行政の問題点について』白洲次郎
 
 新潮文庫「プリンシプルのない日本」白洲次郎(著)
 
 成甲書房「ユダヤは日本に何をしたか」渡部悌治(著)
 
 徳間書店「ユダヤ製国家日本」ラビ・M・トケイヤー(著)/ 加瀬英明(訳)
 
 新潮文庫「英国機密ファイルの昭和天皇」徳本栄一郎(著)
 
添付画像
 
 東北電力時代の白洲次郎(左)~河出書房新社「白洲次郎」より(PD)
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