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四方拝と元始祭

かつて日本は美しかった

誇りある日本、美しい日本へ

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三が日もお忙しい天皇皇后両陛下。

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 天皇陛下は毎年一月一日(元旦)の午前五時半、皇居内の南西部にある「宮中三殿」と呼ばれる神社のような建物が並ぶ一帯の構内にある、神嘉殿という建物前の庭に出御します。まだあたりは暗い時間です。
 陛下は平安時代から伝わる古式の装束のお姿で庭の中央にある屋根だけの東屋のような場所へ移動され、そこに敷かれた畳の上で、まず伊勢神宮(祖先神)、そして四方の神々に向かって、国の安泰や農作物の豊作を祈って礼拝を行います。これが「四方拝」と呼ばれる皇室祭祀です。

 この後、陛下は年始を祝う「歳旦祭」を行われ、拝礼されます。皇太子殿下も続いて拝礼されます。こうして2700年の歴史と伝統をもつ日ノ本の国の一年が始まります。

 こうした天皇陛下の祭祀については国民の意識が薄く、あまり知られていないと思います。新聞では元旦にカラーで天皇陛下と皇族方の写真が載りますが、ファミリーをイメージさせているものばかりです。祭祀王としての天皇陛下という本来の姿、本質を載せてほしものです。

 天皇陛下は続いて「晴の御膳」という儀式を行います。実際には箸をつけるだけで口には入れないそうです。こちらのほうはたまにニュースで見ると思います。

 午前10時になると「松の間」で各皇族からの祝賀を受けます。11時になると「梅の間」で首相、大臣、官房副長官、副大臣・・・の各夫妻から祝賀の挨拶を受けます。再び「松の間」に移動して衆参両議長、副議長、議員・・・夫妻から祝賀を受けられます。次に「竹の間」で最高裁判官、同判事、・・・司法関係の各夫妻からの祝賀を受けられます。次は中央官庁の事務次官、各都道府県の知事・・・そしてお昼です。午後は各国大使の祝賀を受けられます。

 二日は一般参賀があり、天皇皇后両陛下は五回長和殿ベランダにお出ましになります。一回目は午前10時10分ごろ、最終回の五回目は午後2時20分ごろになります。

 三日は元始祭(げんしさい)という大祭が三殿で行われます。年初に皇位の元始を祝い、国家の安泰を祈るもので、こちらのほうは歴史は浅く、明治5年(1872年)に行われて以来の祭儀になります。天皇陛下のご拝礼の後、皇后陛下、皇太子殿下、同妃殿下のご拝礼があります。そして天皇陛下ご自身がお告げ文を奉せられます。

 我々は正月三が日お休みして新年をお祝いしておりますが、天皇皇后両陛下は大変な激務をこなされているわけです。諸行事こなされ「国平らかに、民安かれ」と祈られる天皇皇后両陛下に感謝です。



参考文献
 小学館「天皇論」小林よしのり(著)
 講談社現代新書「天皇陛下の全仕事」山本雅人(著)
 転展社「宮中祭祀」中澤伸弘(著)
参考サイト
宮内庁 新年一般参賀要領 http://www.kunaicho.go.jp/event/sanga/sanga01.html
 WikiPedia「歳旦祭」

添付写真
 皇居を大手町付近より撮影(JJ太郎撮影 PD)

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