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<平成30年度防衛費 重要施策を見る(2)陸自>
奄美、宮古に部隊を新編
2018年1月29日更新
陸上自衛隊は「統合機動防衛力」の実現に向けた新体制の構築をさらに加速させるため、平成30年度予算案に前年度当初予算比3.4%(604億円)増となる1兆8310億円を計上した。
その目玉は、南西諸島の奄美大島、宮古島、石垣島といった離島への陸自部隊配備に向けた関連経費(計553億円)だ。
陸自は島嶼部の抑止態勢を強化するため鹿児島、沖縄両県の離島に部隊配置を進めており、27年度にはその先駆けとして日本最西端の沖縄・与那国島に沿岸監視部隊を新編した。これに続き30年度は、鹿児島・奄美大島と沖縄・宮古島にそれぞれ警備隊の新編を計画している。
奄美大島には北部に「奄美駐屯地(仮称・約350人)」を、南部に「瀬戸内分屯地(同・約210人)」を設置。ともに8師団(北熊本)隷下となり、普通科主体の「奄美警備隊(仮称)」が島内の2カ所に分かれて配置される。このうち、奄美駐屯地には中距離地対空誘導弾(中SAM)部隊、瀬戸内分屯地には侵攻してくる・・・
防衛関連ニュース
日本の防衛を支える<4>
古野電気株式会社 亀井和彦航空・防衛事業部長に聞く
2018年1月29日更新
古野電気航空・防衛事業部を率いる亀井事業部長(左)と同事業部管理部の福本信昭企画管理課長
「ひらしま」以降の海自掃海艇に装備されている古野電気製の曳航浮標測位装置。GPSとデータリンク技術で曳航する掃海具の浮標と掃海艇の相対距離を演算する
世界の船舶用電子機器の16%を生産 高精度GPSで海自艦艇の航行支える
第2次大戦中、旧日本軍は「潜水艦探知装置」の開発に懸命に取り組んだが実用化には至らなかった。当時、世界の海軍は海底までの距離を測る装置は持っていたが、「海底にいない魚群や潜水艦は音波を当てても反射しない」というのが定説だった。水中での探知は不可能とされる中、常識を覆し、戦後わずか3年で海中の魚を発見できる「魚群探知機」を完成させたのが故古野清孝氏。古野電気(本社・兵庫県西宮市、古野幸男社長)の創業者だ。
同社は現在、兵庫県三木市に大規模な工場を有し、全世界の船舶用電子機器の約16%を生産している。船舶部門だけでなく、高い技術を他の分野にも生かすため、昭和44年に航機部を発足させた。
GPS(全地球測位システム)装置を自衛隊に納入して売り上げを伸ばし、改編を経て平成17年3月、「航空・防衛事業部」を立ち上げ、さらなる防衛分野事業の強化に打って出た。
「今でこそ潜水艦の前下方ソーナーの会社として認知されつつありますが、自衛隊の艦船に弊社の技術が導入されたのは、実は平成に入ってからなんです」と語るのは亀井和彦航空・防衛事業部長だ。
自衛隊員にとって古野電気といえば今日、航空機のアビオニクス(飛行電子機器)開発会社というイメージがある。理由は昭和42年に空自YS11輸送機、海自US1救難飛行艇に「・・・
◇古野電気株式会社
昭和13年、長崎県口之町に古野電気商会として創業。23年に世界初の「魚群探知機」実用化に成功。その後、超音波、無線、レーダーのさまざまな技術開発を通じ、先進的かつ独創的な艦艇・航空機向けの電子機器を提供し続けている。
防衛関連ニュース
<陸海空訓練始動2018>
P1哨戒機、 富士山を背景にフライト
(2018年1月9日)
2018年1月29日更新
富士山をバックに初訓練飛行を行う海自51空のP1哨戒機(1月9日)
1年の飛躍 新春に誓う
2018年の年明けとともに全国の陸海空自衛隊は一斉に訓練を開始した。今年3月に陸自に誕生する「機動師団・旅団」の主要装備である機動戦闘車(26トン)を空輸できる空自最新鋭のC2輸送機は美保基地配備後、初の年始飛行を行い、厚木基地からは〝兄弟機〟である海自のP1哨戒機が新春の空に飛び立った。一方、陸自唯一の機甲師団である7師団(東千歳)の戦車部隊は北海道大演習場でフォーメーションを組み、一年の飛躍を誓って雪上を疾走した。
海上防衛の決意新た
海自は1月5日から12日にかけ、全国の航空基地で一斉に「初訓練飛行」を行った。各部隊は指揮官の「初訓練開始!」の号令を受け、次々に新春の空に飛び立ち、今年一年の飛行安全と任務完遂を誓った。
中でも海自最新鋭のジェット哨戒機「P1」を運用する4空群と51航空隊(ともに厚木)は、雪を冠した富士山を背景にフライト、「海上防衛」の決意を新たにした。
◇
【下総】搭乗員の養成に当たる下総教空群は9日、203教空所属のP3C哨戒機2機が参加し、新年の・・・
防衛関連ニュース
<陸海空訓練始動2018>
C2が初の新春飛行 1年の安全運航を祈願 3輸空
(2018年1月4日)
2018年1月29日更新
空自への部隊配備後、初の年始飛行を行う3輸空のC2輸送機(1月4日、美保基地で)
【3輸空=美保】空自は1月4日から一斉に訓練を開始。昨年、空自で最初にC2輸送機を配備した3輸空は4日、第1整備格納庫内に総員が集合し「飛行始め行事」を実施した。
最初に北村靖二司令ら指揮官がだるまへの目入れとC1、C2両輸送機、T400練習機への献酒を行って、1年の飛行安全と地上安全を祈願した。
続く隊員への訓示で北村司令は「安全は与えられるのではなく、自らが努力して勝ち取るものだ。その気持ちを忘れることなく日々の任務にまい進してほしい」と要望。
午後からは・・・
防衛関連ニュース
<陸海空訓練始動2018>
神社で安全祈願 2機のU125離陸 飛点隊
(2018年1月4日)
2018年1月29日更新
【飛点隊=入間】空自飛行点検隊は4日の「飛行始め」にあたり、安全祈願行事を行った。
午前中は吉廣敏幸飛点隊司令以下5人が地元の神社で安全祈願を行い、その後、入間基地で隊員ら約70人が出席する中、安全だるまへの目入れと航空機への献酒を行った=写真。
吉廣司令は訓示で「今年は次期点検機のサイテーション680Aの・・・
防衛関連ニュース
<陸海空訓練始動2018>
UH1ヘリ3機、OH6ヘリ3機で2飛行隊が
編隊飛行訓練
(2018年1月11日)
2018年1月29日更新
雪に覆われた十勝岳をバックに編隊飛行を行う2飛隊の(手前から)UH1、OH6ヘリ(1月11日)
【2師団=旭川】2飛行隊(旭川)は1月11日、年頭の編隊飛行訓練を行った。
訓練にはUH1ヘリ3機とOH6ヘリ3機が参加。天候に恵まれたこの日、野澤真2師団長をはじめ各部隊長がヘリに分乗し、「北鎮師団」の訓練状況を視察した。
野澤師団長はUH1機上から訓示を行い、「いかなる任務も完遂できる強靭な部隊を目指し、任務、訓練に日々まい進してもらいたい」と要望した。
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<陸海空訓練始動2018>
73戦連、7飛などが年頭訓練
戦車部隊、雪上を疾走 7師団
(2018年1月10日)
2018年1月29日更新
中隊ごと隊列を組み、雪上を行進する73戦連と7後支連の車両群(1月10日、北海道大演習場で)
【7師団=東千歳】7師団の隷下部隊は1月10日、一斉に訓練を開始した。
73戦連と7後支連(ともに東千歳)は北海道大演習場恵庭・千歳地区で年頭訓練を行い、人員約150人、90式戦車など車両約40両が参加した。
最初に中村智志73戦連長が「戦車部隊としての伝統とDNAを継承し、共に練成していこう」と訓示し、その後、隊列を組んで雪原を行進した。
一方、・・・