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北朝鮮 新型ICBM発射「火星15型」最高高度4000㌔超
(2017年11月29日)
2017年12月7日更新
青森県沖EEZ内に落下 被害なし
防衛省は11月29日、北朝鮮が同日午前3時18分ごろ(日本時間)、西岸の平城(ピョンソン)付近から東方に向けて弾道ミサイル1発を発射したと発表した。最高高度は4000キロを大きく超えて約53分間、約1000キロを飛翔した後、同4時11分ごろ、青森県の西方約250キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内の日本海に落下したと推定される。事前通告はなかった。小野寺防衛相は同日早朝、防衛省で記者団に対し、「過去最高の高度まで達し、ICBM(大陸間弾道弾)と判断できる」と述べ、新型のICBM級の弾道ミサイルである可能性を示した。
未明に53分間飛翔
今回の弾道ミサイルは、通常よりも高い角度で打ち上げて飛距離を抑える「ロフテッド軌道」で発射され、複数のエンジンで本体を切り離しながら飛翔する「多段式」とみられている。
自衛隊は我が国の領土・領海に落下する恐れがないと判断し、破壊措置(迎撃)は実施しなかった。日本の航空機や船舶などへの被害は確認されていない。
安倍首相は発射直後の29日午前3時20分、関係閣僚らに万全の態勢をとるよう指示。小野寺防衛相は直ちに防衛省・自衛隊に指示を出し、省内で関係幹部会議を開催した。
政府は同6時10分ごろから国家安全保障会議(NSC)4大臣会合を開いて対応を協議するとともに、北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に厳重抗議した。
安倍首相は同6時半過ぎから約20分間、トランプ米大統領と電話会談を行い、日米が主導して国際社会と連携しながら北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていくことで一致した。首相は官邸で記者団に「・・・
防衛関連ニュース
北朝鮮 新型ICBM発射
伊藤俊幸氏(元海将、元呉地方総監)の話
2017年12月7日更新
金沢工業大学虎ノ門大学院の伊藤俊幸教授(元海将、元呉地方総監)
ICBM搭載用の核弾頭は開発中 情報を冷静に分析し、正しく恐れよ
金正恩の政策は核開発と経済発展の「並進路線」だ。今回「核戦力が完成した」と宣言したのは国内向けメッセージだ。実際にはミサイルではなく、ロケット部分が完成したに過ぎず、トランプ米大統領が「ロケットマン」と呼ぶゆえんだ。
弾道ミサイルは宇宙空間に発射し、分離後、弾頭は慣性モーメントで飛行する。狙った場所に命中させるためには大気圏再突入技術も含め、本来の飛行経路で発射し、弾着観測することが必要不可欠だ。ロフテッド発射ではエンジンの検証しかできない。
また、ICBM搭載用に核弾頭をさらに小型化する核実験は行っておらず、まさに開発中と言える。今の段階では「武器になり得ない」と判断すべきであり、我々は情報を冷静に分析し「正しく恐れる」ことが大事だ。
日本は周辺事態法策定以来、〝第2次朝鮮戦争〟に対する種々の法整備を進め、自衛隊は訓練を重ねてきた。問題は国民がそのことを知らないことだ。国民保護法の下、国民はしっかりとした準備をする必要がある。
防衛関連ニュース
北朝鮮 新型ICBM発射 日米韓防衛当局がテレビ会議
(2017年12月1日)
2017年12月7日更新
日米韓の防衛当局は12月1日、北朝鮮による先月29日のICBM級弾道ミサイルの発射を受けて局長級のテレビ会議を開き、北朝鮮に最大限の圧力をかけるために協力していくことで一致した。北朝鮮に出入りする・・・
防衛関連ニュース
国民保護演習に参加 弾道ミサイル対応で初実施 京都
(2017年11月2日)
2017年12月7日更新
【京都】地本は11月2日、京都平安ホテルで開かれた「京都府国民保護セミナー・弾道ミサイル対応図上演習」に参加した。
同演習は北朝鮮の弾道ミサイル発射事案に関し、その着弾を想定した自治体や関係機関の初動対応要領を確認するため、今回初めて実施された。
京都地本は前段の・・・
防衛関連ニュース
海自22空群が長崎県国民保護共同訓練に参加
弾道ミサイル着弾を想定
(2017年11月22日)
2017年12月7日更新
ミサイル着弾による負傷者をSH60Kヘリに運び込む海自22空の隊員ら(11月22日、長崎県雲仙市の多比良港で)
【22空群=海大村】海自22航空群(群司令・大町克士将補)は11月22日、長崎県雲仙市などで行われた「平成29年度長崎県国民保護共同訓練」に参加した。同訓練は他国からの武力攻撃事態を想定し国内で初めて実施された。
的確・迅速に重傷者搬送
訓練は「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」に基づき、国民保護事態の対処能力の向上を目的に実施された。
「すでに武力攻撃事態に認定されている状況の中で、新たに仮想のX国から弾道ミサイルが発射された」という想定の下、国(内閣官房、消防庁)、長崎県、雲仙市をはじめとする22の関係機関が連携して初動対応に当たった。
22空群は「発射された弾道ミサイルが雲仙市の多比良港と橘湾に着弾し、数名の負傷者が発生している」という事態に対処。22航空隊(司令・大山康倫1佐)の・・・