女子バレーに竹下佳江というベテラン選手がいます。
JTマーヴェラスの所属で、チームの大黒柱であり、全日本チームでも大活躍です。
バレーはネット際でのアタックやブロックなどで身長が高いととても有利です。
全日本のメンバーを見ても180cm台がゾロゾロいる中で、ひときわ目立つ竹下選手は159cmでまるで子供が混じっているようにも見えます。
2000年度の全日本チームはシドニーオリンピック世界最終予選で敗退。日本女子バレー初となる五輪出場権を逃がしたことにより、責任追及の矛先として「セッターが159cmの身長では世界を相手に通用しない」と、批判の矢面に立たされた。
責任を感じバレーを離れてハローワークに通いましたが、
もう一度一緒にやってくれないかと熱い誘いを受けてカムバックしました。
身長が低いので、ボールが彼女に落ちてくるまでの時間が長身の人よりごく僅かに長いのです。その「有利」さを十二分に活かして、コートに着地寸前のボールを拾います。また落ちてくるボールの真下に素早く廻り込み、体を捻らせてその時その時にいい位置にいるアタッカーに、右へ左へと正確なトスを上げます。職人芸というより芸術の域だなと思いながら見ていました。
2011年にもワールドカップでベストセッターとして表彰されています。
強烈なスパイクを打つアタッカーはどうしても華やかな存在ですが、彼女はそれ以上の大きな存在です。 |
さて目を転じてJAXAですが、資金面でも人員数でもNASAのほぼ1/10なので、あとを追って同じことをやっていたら余り意味がないし、注目もされません。
ハヤブサの企画は(結果的に)大成功でしたし、日本の宇宙ステーション補給機HTVは平行して飛んでステーションのロボットアームを使ってドッキングするという従来の追突方式よりも安全で正確な方法を打ち立てました。
他にも例えばレアメタルがピンチになると、廃棄物から有用資源を再利用する「都市鉱山」の構想や海水からのウラン、リチウムなどを採取する技術が出てきます。
原油の充分な確保が難しくなると、海藻からアルコールを取ったり「オーランチオキトリウム」という藻から油を獲る研究がスタートするなど、日本人の研究にはこういうガッツがあるのです。
オーランチオキトリウム
日本の周囲を見渡せば、うんざりするような、閉塞するような気持になります。
しかし、本当に一生懸命考えたら、必ず何か妙案が出るはずです。
考え付いた人に「そんなのは駄目、問題外」と言ってしまえば、そこまでです。
昔から三人寄れば文殊の知恵というくらいで、大勢で考えれば尚更です。
現に日露戦争の勝利は陸海軍だけでなく、国民こぞって英知を出し合った賜物なのですから。