2/7日付 | ニュース トップ |
2 領土・領海・領空の防衛 南西地域を始めとする我が国周辺における情報収集・警戒監視及び安全確保に関する能力、島嶼防衛のための輸送力・機動力・防空能力、サイバー攻撃や弾道ミサイル攻撃への対応能力の向上に重点的に取り組む。 (1)周辺海域の情報収集・警戒監視・安全確保 ①情報収集・警戒監視能力の強化、海上における抑止力の向上 ○護衛艦(DD)の建造(1隻701億円) ・護衛艦の減勢に対応するため、新型汎用護衛艦(5000トン型)を建造 ・当該護衛艦の特徴は以下のとおり ⅰ諸外国の潜水艦の高性能化及び静粛化に対応するため、対潜探知能力を向上 ⅱ低燃費の新型推進形式(COGLAG※)を採用し、ライフサイクルコストを低減 ※COGLAGとは、電気推進とガスタービン推進を組み合わせた複合型の推進形式をいう 〇潜水艦(SS)の建造(1隻531億円)=「そうりゅう」型9番艦(2900トン型)を建造 ○固定翼哨戒機(P1)の取得(2機409億円)=現有の固定翼哨戒機(P3C)の代替として、探知識別能力、飛行性能、情報処理能力、攻撃能力等の向上したP1を取得 ○護衛艦の艦齢延伸 (艦齢延伸工事2隻及び部品調達12隻分94億円)=護衛艦の体制を維持するため、はつゆき型(3隻)、あさぎり型(6隻)、あぶくま型(4隻)及びはたかぜ型(1隻)護衛艦に艦齢延伸措置を実施 ○潜水艦の艦齢延伸(艦齢延伸工事2隻及び部品調達1隻分26億円) ・潜水艦を増勢するため、新造艦の建造を行うとともに、既存の潜水艦に対する艦齢延伸事業に着手 ・平成25年度は、「おやしお」の修理に必要な部品の取得及び「おやしお」の艦齢延伸工事を実施するとともに、「うずしお」の艦齢延伸工事を実施 ○固定翼哨戒機(P3C)の機齢延伸(2機8億円)=固定翼哨戒機の体制を維持するため、P3Cに機齢延伸措置を実施 ○哨戒機搭載システムの対潜能力向上(28億円) ・哨戒機の対潜能力の優位性を確保するため、音響システム及び非音響システム(レーダーや光波センサーなど)の能力向上を図るための研究を実施 ・当該研究によりセンサーからの情報が増加した場合でも、迅速かつ的確な戦術判断を可能とするため、各種センサーからの情報融合技術等の研究を実施 ○潜水艦用の広帯域受信機の整備=潜水艦の電波探知能力を向上し、対潜哨戒機等に探知されることを防止 ○音響情報分析機材の整備=潜水艦ソーナー員等の音響分析能力向上のため、高性能の音響情報分析機材を整備 ○新艦対艦誘導弾の開発(13億円) ・90式艦対艦誘導弾の後継として、射程の延伸、誘導精度の向上等を図った新艦対艦誘導弾の開発を実施 ・陸自12式地対艦誘導弾とのファミリー化により開発費・初度費を低減 ②海上交通の安全確保 ○掃海艦(MSO)の建造(1隻183億円) ・除籍が見込まれる掃海艦「やえやま」の代替として、船体をFRP※化した掃海艦(690トン型)を建造 ・潜水艦を対象とする深深度機雷への対処能力を継続して確保するとともに、外洋航行能力を保持 ※FRP=Fiber ReinforcedPlastic(繊維強化プラスチック)=従来の木造船と比べ艦齢が約30年程度に延伸。平成20年度掃海艇「えのしま」(570トン)からFRP化を開始 ○救難飛行艇(US2)の取得(1機123億円) ○哨戒ヘリコプター(SH60J)の機齢延伸(2機9億円) (2)南西諸島を含む領空の警戒監視・防空能力の向上 ①島嶼部を始めとする周辺空域の警戒監視態勢の強化 ○早期警戒管制機(E767)の能力向上(101億円) ・現有のE767の警戒管制能力を向上するため、中央計算装置の換装及び電子戦支援装置の搭載等の事業に着手 ・平成25年度は、4機の能力向上に必要な部品の一部取得等を実施 ○固定式警戒管制レーダーの換装(2式89億円)=宮古島(沖縄県)及び高畑山(宮崎県)の現有レーダーをFPS7に換装 ○那覇基地における早期警戒機(E2C)の受入れ態勢の拡充(3億円)=南西地域においてE2Cを常時継続的に運用し得る態勢を確保するため、那覇基地において所要の施設整備を実施するほか、整備器材等を取得 ○早期警戒管制機(E767)及び早期警戒機(E2C)の運用拡大を支えるための燃料費、修理費、通信維持費等の確保[再掲] ○警戒監視技術に関する調査研究(0・1億円)=遠距離から小型航空機等を探知するため、短波レーダー等の警戒監視技術に関する技術的動向、技術的実現可能性及び課題等について調査研究を実施 ②南西諸島における航空自衛隊の運用態勢の充実 ○那覇基地における戦闘機部隊の2個飛行隊化に向けた施設整備(34億円) ○南西諸島における航空自衛隊の運用態勢の充実・強化に係る調査研究(0・5億円) ③防空能力の向上 ![]() 次期戦闘機F35A(写真は同型機種) ○次期戦闘機(F35A)の取得(2機299億円※)=現有戦闘機(F4)の後継機としてF35Aを取得 ※1国内企業参画に伴う初度費として、別途830億円を計上 ※2国内企業が製造に参画するとともに、F35の国際的な後方支援システムに参加 ※3その他関連経費(教育用器材等)として別途211億円を計上 ○次期戦闘機(F35A)の配備(三沢)に向けた教育訓練施設の整備のための調査工事 ○戦闘機の能力向上改修(122億円)=周辺諸国の航空戦力の近代化に対応するとともに、防空等の任務に適切に対応するため、現有戦闘機の能力向上改修を実施 ・戦闘機(F15)近代化改修(6機69億円) ・戦闘機(F2)空対空戦闘能力の向上(12機43億円) ・戦闘機(F2)へのJDAM※機能の付加(11機10億円) ※JDAM(JointDirectAttackMunition)=精密誘導装置付爆弾 (3)南西諸島を始めとする島嶼を含む領土の防衛態勢の充実 ①迅速な展開のための輸送力及び機動力の向上 ○96式装輪装甲車の取得(11両14億円) ○軽装甲機動車の取得(陸自44両14億円、空自1両0・4億円) ○多用途ヘリコプター(UH60JA)の取得(1機43億円) ![]() 水陸両用車(イメージ) ○水陸両用車の参考品購入(4両25億円) ・島嶼における不法行動及び侵攻事態への対処、国内外における災害派遣活動等において、海上からの部隊等の投入に使用するため、水陸両用車の配備に向けた検討に着手 ・平成25年度は、当該装備品を参考品として購入する経費を計上。取得後は当該装備品の導入可否を判断するため、性能確認や運用の検証等を実施 ○自衛隊の機動展開能力向上に係る調査研究(0・6億円)=機動展開における民間輸送能力等の活用策に係る調査研究を実施 ![]() ティルト・ローター機(写真はV22 オスプレイ) ○諸外国におけるティルト・ローター機の開発・運用等に関する調査研究(8百万円) ②国境の警戒監視体制の整備 ○沿岸監視部隊の配置等(与那国島)(62億円) ・陸自の沿岸監視部隊の新編に向け、付近を航行・飛行する艦船や航空機を沿岸部から監視して各種兆候を早期察知するための沿岸監視装置を取得 ・併せて、駐屯地建設に必要な各施設の設計及び敷地造成工事等を実施 ○南西諸島における陸自の態勢の充実に係る検討(0・5億円) ・南西諸島における災害を含む各種事態生起時の対応に万全を期すよう、初動を担任する部隊の新編について、引き続き検討するため、所要の調査を実施 ③テロ・特殊部隊攻撃等への対処 ○戦闘ヘリコプター(AH―64D)の取得(1機53億円) ○戦闘装着セットの取得(9250セット38億円) ○84mm無反動砲(B)の取得(17門2億円) ○交戦訓練用装置の取得(4式25億円) ④陸上における火力戦闘能力の向上 ○10式戦車の取得(14両139億円) ○12式地対艦誘導弾の取得(4両79億円) ○装輪155mmりゅう弾砲の開発(14億円) ・現有の牽引式りゅう弾砲(FH70)の減勢に対応するため、射撃・陣地変換の迅速化、戦略機動性の向上及びネットワーク化を図った装輪自走砲の開発を実施 ・開発事業の中でライフサイクルコスト低減活動を実施 (4)無人機に関する調査・研究 ![]() 高高度滞空型無人機(写真はグローバルホーク) 〇高高度滞空型無人機の運用・維持・整備に係る海外調査(1百万円) (5)サイバー攻撃等への対応=サイバー関連経費141億円 ①体制の充実・強化 〇サイバー空間防衛隊(仮称)の新編 ・日々高度化・複雑化するサイバー攻撃の脅威に適切に対応するため、「サイバー空間防衛隊(仮称)」を新編 ・防衛省・自衛隊のネットワークの監視及び事案発生時の対処を24時間体制で実施するとともに、各自衛隊に分散しているサイバー攻撃等に関する脅威情報の収集及び調査研究を一元的に行い、その成果を省全体で共有 ○サイバー攻撃等対処企画機能の強化 ・防衛省・自衛隊におけるサイバー攻撃対処等に係る総合的な企画機能の強化のため、運用企画局情報通信・研究課に「サイバー攻撃対処・情報保証企画室(仮称)」を新設 ・統幕におけるサイバー企画機能を集約し、より組織的にサイバー攻撃等対処業務に取り組む体制を構築するため、指揮通信システム企画課に「サイバー企画室(仮称)」を新設 ②運用基盤の充実・強化 |
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25年度防衛費政府案・詳報 (つづき_1)
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