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日本主催でPSI海上阻止訓練
陸自除染車や「むらさめ」参加
(2018年7月24日~26日)
2018年7月30日更新
大量破壊兵器を運ぶ航空機や船舶の航行阻止を目的とする我が国主催の拡散に対する安全保障構想(PSI)海上阻止訓練「パシフィック・シールド18」が7月24日、横須賀港や房総半島沖などの海空域で始まり26日まで行われた。
PSIは大量破壊兵器やミサイルなどの拡散を阻止するための国際的な取り組み。同訓練は、日、米、豪、韓、ニュージーランド、シンガポールが持ち回りで開催しており、日本の主催は2012以来6年ぶり4回目。
訓練には内局、統幕から隊員約10人、陸自から陸上総隊、東部方面隊、化学学校の隊員約50人と除染車など車両3両、海自から護衛艦「むらさめ」、・・・
防衛関連ニュース
自律型後方システム「ALGS」運用進む
F35戦闘機に導入
2018年7月30日更新
F35Aの点検にあたる米空軍の整備員。同機はネットを介した「自律型後方システム(ALGS)」によって整備・補給などの管理が行われる(米空軍HPから)
「進化し続ける機体」F35戦闘機
空自も導入中のF35ステルス戦闘機は、従来機とは全く異なる整備・補給方式「自律型後方システム(ALGS)」が取り入れられている。ALGSはF35の共同開発国である米、加、英、伊、豪など9カ国がネットを介して同時かつ自律的に機体の整備・補給管理が行えるシステムで、各機体の健全性を常時モニターし、不具合や問題点が確認されれば、即ユーザーに通知され、直ちに交換部品などが配送される。F35が「進化し続ける機体」とも呼ばれるゆえんだ。
機体の整備・補給―― ビッグデータで管理
米国防総省は海・空軍・海兵隊のF35を半世紀後の「2070年」まで運用する計画だ。それが可能なのは同機が将来にわたって「進化し続けることのできる機体」だからだ。
F35は米ロッキード・マーチン社を主契約会社に、9カ国で共同開発された。通常タイプのA型は空軍、短距離離陸・垂直着陸ができるB型は海兵隊、翼面積を広げたC型は海軍が空母用として運用している。
F35は開発当初から世界規模での同時運用が決まっていたため、整備・補給などロジスティクス面は提供されたサービスに応じて長期契約する「PBL(Performance Based Logistics)」の維持管理システムを導入。これが自律型後方システム「ALGS(Autonomic Logistics Global Sustainment)」のベースになっている。
ALGSの最大の特徴は、ユーザー国が世界規模で部品などを融通し合うことができるようになったこと。このため各国は補給品の・・・
◇「ALGS」
F35の「ALGS」は次の3システムで構成される。
1機体管理システム=各機体の状態がネットを介して常時モニターされ、故障予知・健全性管理などが行われる。
2自律型後方情報システム(ALIS)=世界中の関連メーカー(サプライチェーン)がネットで結ばれ、・・・
防衛関連ニュース
<技術が光る(73)>
ブルーカンウォーター/アイエッセンス
半世紀、備蓄可能な飲料水登場
2018年7月30日更新
米国製缶入り飲料水「ブルーカンウォーター」(左側)。右は1950年代に製造された緊急用飲料水で、60年たった今でも問題なく飲むことができる
NASA、米海軍など導入済み
7月上旬に発生した西日本豪雨災害では各地でライフラインが寸断され、今なお広島、岡山、愛媛県などでは断水状態が続いている。この災害で、改めて食糧や飲料水の備蓄の重要性が明らかになったが、自治体などが備蓄する平均的な飲料水は保存期間が3~5年と短く、定期的に交換が必要になる。このため、どうしても入れ替え作業などで手間とコストが発生する。
こうした中、一切の〝交換が必要ない〟長期保存用の飲料水が日本にも導入された。それが「50年間の保存」が可能な米国製の「ブルーカンウォーター」だ。
東京都新宿区の商社アイエッセンスが輸入する米国のブルーカンウォーター社(カリフォルニア州)製のこの缶入り飲料水は、アメリカ食品医薬局(FDA)の水質基準を大幅にクリアしているのが最大の特徴だ。
使用されている水は米国内の一般の水道水と同じだが、アルミ缶に充填される前に、全13工程の多段階ろ過、・・・
防衛関連ニュース
<世界の新兵器>
無人戦車「ウラン9」級(露)
30ミリ砲の発射はリモコンで
2018年7月30日更新
すでに海外への売り込みも始まっているロシアの無人戦車「ウラン9」。30ミリ機関砲のほか、対戦車ミサイルなども搭載する(ロシアのウェブサイトから)
今年5月9日、恒例の戦勝記念パレードでロシア軍は無人戦車「ウラン9」を披露した。小ぶりの装軌車体と30ミリ砲の小型砲塔を見て「模型みたいだ」という声も上がったが、無人だから小型なのは当たり前で、在来型車両を用いたイスラエル軍の無人偵察車「ボーダー・プロテクター」の方がむしろ大きすぎるのだ。ところが、ユーリー・ボリソフ国防副大臣が「これはシリアの戦闘で試験済み」とパレード前日に述べたことで、突如、騒ぎは大きくなった。
地雷除去ロボット「ウラン6」のシリアでの使用はよく知られているが、「シリアにウラン9が…」とは寝耳に水だ。これが本当なら、ロシアの愛国メディアが伝えているはずだし、内戦の続くシリアへ次々と最新鋭兵器を投入するロシア軍を厳しくモニターする国際ジャーナリストや西側情報機関の目をかすめるのも難しい。「こっそり試験したのだろう」という肯定論者と「ロシア当局の言うことは当てにならない」という懐疑論者との間で論争が生じた。
この論争によって、ロシアのロボティクスの水準は低い、と思い込んでいる「識者」が多いことも明らかになった。すでに2015年12月、ロシアの兵器輸出を担うロソボロネクスポート社が、武装偵察・火力支援無人戦車として「ウラン9」の売り込みを始めており、・・・
防衛関連ニュース
<防衛トピックス> ―国内―
日本無線と千葉大学の共同研究
「CP―SAR」で画像取得
2018年7月30日更新
日本無線はこのほど、千葉大学と共同で行った航空機搭載「円偏波合成開口レーダー(CP―SAR)の画像取得に世界で初めて成功したと発表した。
合成開口レーダーは雲や霧があっても地上の状況を撮影できるが、従来の衛星搭載タイプは決まった時刻に決まった角度・範囲でしか撮影できない。これに対し、・・・