自民党が憲法改正草案を発表いたしました。
これを主権回復記念日である4月28日に合わせて発表したことや、緊急事態の規定や、自衛隊の軍隊化など、評価できるところはあります。しかし・・・
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自民党の憲法改正草案 は、
戦後思想にかかわる前文および第3章「国民の権利義務」については、
「より悪くなっている」というシロモノです。
近年、人権や権利や平等が暴走していることに対し、
何の解決にもなっていないばかりか、
さらに権利を追加していること、
あるいは国による余計な施策によって社会の歪がひどくなっていることに対し、
何の反省もないばかりか、
さらに施策の根拠となる条文を追加していることなど、
噴飯物の内容です。
「本当に守るべきは何か」 という突き詰めが甘く、こうなるのでしょう。
以下、ダメな所について、一言づつ述べます。
ダメな所に打ち消し線
色字の部分がオノコロの評。
日本は日本らしく
我々は我々らしく
前文
日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。
国民主権は立憲主義の憲法にあってはならない。
我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。
平和主義は国家の存立を危うくしてきた。友好関係という美名で国益が損なわれてきた。
日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。
唐突に挿入された語句、不要。
我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。
国家社会主義の増進ということか?不要
日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。
主語が国民であるなら、「代表者を通じ、この憲法を天皇陛下に奏上する。」
第1章 天皇
第一条 天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。
立憲主義の憲法に無制限の権力を意味する主権は不要「基づく」ではなく、「基づき万世一系である」。
第二条 皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
いつまで占領体制を引きずるつもりか。
第五条 天皇は、この憲法に定める国事に関する行為を行い、国政に関する権能を有しない。
国事行為は国政に関する機能である。削除。
第六条 天皇は、国民のために、国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命し、内閣の指名に基づいて最高裁判所の長である裁判官を任命する。
自明である。削除。
2 天皇は、国民のために、次に掲げる国事に関する行為を行う。
同上。削除。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の国の公務員の任免を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 全権委任状並びに大使及び公使の信任状並びに批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行うこと。
十 古来のしきたりに即し祭祀を執り行うこと。十一 詔を発すること。
第3章 国民の権利と義務
第十一条 国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。
古来の自由と権利を有する。「この憲法が国民に保障する」という創設的表現はおかしい。削除。「自由と権利」は、
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持されなければならない。国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。
国民は、自由及び権利によって、公益および公の秩序を損なってはならない。
第十三条 全て国民は、人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。
人として尊重。自明であり不要。
第十四条 全て国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、障害の有無、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
例示は不要。法の下の平等の本来の意味に正常化。「行政手続きにおいて差別されない」。
不要。古来よりあったものを否定することは出来ない。
3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
第十五条 公務員を選定し、及び罷免することは、主権の存する国民の権利である。
「公務員に任用され、公務員を選定し」、及び「主権の存する」は不要。
2 全て公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。
3 公務員の選定を選挙により行う場合は、日本国籍を有する成年者による普通選挙の方法による。
「但し、間接選挙による選定を否定しない。」を追記。
4 選挙における投票の秘密は、侵されない。選挙人は、その選択に関し、公的にも私的にも責任を問われない。
第十八条 何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的又は経済的関係において身体を拘束されない。
現行の「奴隷的苦役」に関するもの。第1項は不要。
2 何人も、犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
個人情報保護法の弊害への反省が一切ない。削除。
第二十条 信教の自由は、保障する。国は、いかなる宗教団体に対しても、特権を与えてはならない。
本質は国教を定めないこと。「国教を定めてはならない。」
国との関係ではない。削除。
3 国及び地方自治体その他の公共団体は、特定の宗教のための教育その他の宗教的活動をしてはならない。ただし、社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超えないものについては、この限りでない。
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。
2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。
第3項として、「公益及び公の秩序を害する表現は制限を受ける」が必要では。
これは国民の権利義務ではない。なぜここにあるのか?
第二十二条 何人も、(公共の福祉に反しない限り、)居住、移転及び職業選択の自由を有する。
「公益及び公の秩序に反しない限り」の制限は必要。
第二十四条 家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない。
後段は国との関係ではない。不要。
2 婚姻は、両性の合意に基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
夫婦の権利に国が干渉するのは筋違い。
3 家族、扶養、後見、婚姻及び離婚、財産権、相続並びに親族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
「古来の慣習に即して」
全面的に不要。この条文から過剰な福祉の正当化が始まった。もし、どうしても書くなら、逆のことを書くべきだ。「すべて国民は、自助および互助の権利を有する。2 国は慈善の政策により前項の権利を損なってはならない」
全面的に不要。25条と同様の理由。あえて書くなら逆のことを。「すべて国民は、古来の自然環境および風土を保全する義務を有する。」
第二十六条 全て国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、等しく教育を受ける権利を有する。
「等しく」は平等を促進する。不要。
2 全て国民は、法律の定めるところにより、その保護する子に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育は、無償とする。
不要。25条と同様の理由。あえてかくなら逆のことを。「国は、古来の自由、権利、義務及び慣習を損なう教育を行なってはならない。」
第二十七条 全て国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。
社会主義法制の根拠となる。不要。勤労の権利だけで十分。
第二十八条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、保障する。
2 公務員については、全体の奉仕者であることに鑑み、法律の定めるところにより、前項に規定する権利の全部又は一部を制限することができる。この場合においては、公務員の勤労条件を改善するため、必要な措置が講じられなければならない。
社会主義法制の根拠となる。不要。公務員の権利制限だけで十分。
第二十九条 財産権は、保障する。
2 財産権の内容は、公益及び公の秩序に適合するように、法律で定める。この場合において、知的財産権については、国民の知的創造力の向上に資するように配慮しなければならない。
とってつけた内容。不要。
3 私有財産は、正当な補償の下に、公共のために用いることができる。
「正当な補償」は政治要求。ゴリ押し、ゴネ得を産む。「適正な補償」
不要。
不要。
日本は日本らしく
我々は我々らしく