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定額給付金の意味も理解できない過疎地の自治体

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2009/3/21(土) 午後 9:19最近の記事練習用  Yahoo!ブックマークに登録
  
 

       御来訪感謝申し上げます。

 昨日からの3連休の中日であった今日の福島地方は昨日の風も治まり、気温は上がらなかったのですが比較的過ごし易いお天気でした。

 冒頭の写真2枚は今日の午後私が撮影して来た福島地方の写真ですが、写真上は自宅からクルマで5分ほどの東北新幹線の写真です。
 写真下は自宅から約30分ほどの距離にある阿武隈山地の中腹部に築かれた「三春ダム」の遠景写真であります。 近くには全国的に有名な「三春の枝垂桜」の名所があるところでもあります。

 何故2枚の写真を冒頭写真としたのかと申しますと、皆様もご承知の通り、当地福島県の川内村で今回の政府が決定した定額給付金を納税の滞納分に当てる事を村民に強請すると言う話題が全国規模で報道された事を受けて、同じ県内に住む者として話題を避ける事はできないと考え、記事に上梓させていただこうと思ったからであります。
 

定額給付金で滞納世帯に納税要請 福島県川内村、その後撤回
 福島県川内村が村税を滞納する約300世帯に、定額給付金で納税するよう求める文書を送付していたことが20日、分かった。川内村は、納税に応じない場合、支給後の差し押さえを明記していたが、国などから「給付金の趣旨に合致しない」との指摘を受け、撤回を決めた。

 文書は「村税の催告書」で今月16日に発送。「村税への納付をお願いいたします」として、定額給付金の支給先を村指定の金融機関に変更するよう求め、代理で受け取った村の税務担当者が納税するとしていた。

 さらに文書は、納税に応じない場合「給付金が口座に入金された時点で、強制的に納付していただくことになります」と記載していた。

 総務省は1月末の地方自治体向け指針で、市町村による定額給付金の差し押さえについて「家計への緊急支援という趣旨に合致しない」との見解を表明。国や福島県から指摘を受けた川内村は文書の撤回を決定した。給付金からの納税に同意していた25世帯には、個別に訪問して謝罪するという。
      福島民報(毎日系)3月20日記事から引用
 
 昨日、この報道をネットで見た時、「この話題には触れたくないなあ」という気持ちが湧きましたが、しかし、同じ福島県内に住んでブログを書いている者として、避けることはできないと思い、取り上げることに致しました。
 
この川内村は冒頭写真下の背面に写っている山々の奥にある、阿武隈山地の山間にある人口3,100人、世帯数も約1,000世帯でこれといった産業も無く、農業を中心とした高齢化が進む典型的な過疎村であります。
 若い働き手は、ここからクルマで約1時間ほどのいわき市や郡山市周辺の企業や工場に職を求めなければならないという辺鄙な地域でもあります。
 県内に住む私自身、未だにこの川内村へ行った事はありません。
 鉄道や主要道路もなく、県内の主要地域へ行く際に通過することも無い「陸の孤島」と言っても過言ではない山村地域であります。
 この村の3分の一にあたる世帯が村税を滞納していることになります。

 農業にしても山間部で米や野菜の収穫も多くは望めず、いわば「自分達の食い分」だけを自給自足で賄うという次元であり、おそらく村人の所得も他地域に比べても少なく、地方の過疎地を支えて来た公共事業も激減した現在に於いては、「食うのが精一杯で納税など、とてもとても・・・」というのが実態と推察致します。
 小泉首相が在任中は大変人気があり、彼の施策は多くの国民に受け入れられ、いわゆる「規制緩和」という名の下に「郵政民営化」、「公共事業の削減とそれに伴う受注機会との均等化」という、共生社会の典型である地方にとっては「地方の疲弊」を招くばかりの政策を国民の圧倒的支持を背景に行われました。

 「水清くして 魚(うお)棲まず 元の田沼の濁り 懐かし」という有名な江戸時代の庶民が詠んだ川柳があります。
 これは、老中田沼意次が汚職や賄賂で失脚し、その後を受け継いだ白河藩主(福島県)の松平定信のあまりに清廉潔白すぎて、辟易した江戸庶民が時事川柳として残したものであり、また、「 白河の清きに魚も住みかねて もとの濁りの田沼恋しき 」という有名な川柳も当時最大の皮肉を込めて詠まれました。

 小泉氏の首相在任中の政策に対しては、賛否両論、意見も大きく分かれることでありますが、確実に言えるのは、いわゆる「物作り」を中心とした製造業や各種産業が海外展開した後に、唯一、地方経済を支えて来た公共事業までも地方から奪ったことにあります。

 確かに、今話題に上っている大手ゼネコン等による政治献金問題、また、それに伴う公共事業の談合問題と公共事業の受注単価の高額化などの弊害もあったかもしれませんが、地方に住む者としてあえて言わせていただければ、それが「地方経済を支えて来た」という現実もあったのです。

 記事の主旨が横道に逸れてしまったので軌道修正致しますが、そんな地方の状況は過疎地になればなるほど影響が大きいのであります。

 その他の経済的要因(世界的経済危機)もある中で、都市部に住む人々と比べても、益々疲弊するばかりの地方に住む人間達の所得は当然大幅に目減りして納税も叶わない状況にあるのが現実なのであります。

 今回の「定額給付金」は、社会の経済状況が順調であって納税者が納税も滞納することなく、地方税収も滞りなく徴収できる健全な状態であれば、全く必要の無いものであります。

 定額給付金での納税に応じた村人は良心を持った人達なのでしょう。
 そんな良心的な村人を脅迫して納税を促す役場は、今回の国の「定額給付金」制度の趣旨を全く理解できていない無知蒙昧な自治体と言われても仕方ないと思います。

 同じ福島県民として、川内村役場の不明さは恥ずかしいばかりであります。

 私は決して今回の麻生内閣の「定額給付金制度」に全面的に賛成するものではありませんが、国が国民への経済対策としての緊急対策の意義と趣旨を理解できない地方公務員の、公僕という基本を忘れた、自分達の立場しか考えない俗悪さと本末転倒ぶりを呆れるだけなく全国的に福島県のレベルの低さを喧伝してしまったことを恥じるものであります。

 以前に福島県知事が通貨危機に陥っている韓国に、「福島~ソウル」航空路線の需要開拓と称して、90人もの県内の温泉宿泊施設の女将たちを県費で同行させて県トップの営業活動を行ったという「血税の無駄使い」の不毛な実態を恥を偲んで記事に取り上げましたが、それに続く福島県の恥辱的な話題として、自戒を込めてあえて記事にさせていただきました。

 このような呆れるばかりの低次元レベルの、地方の首長や自治体職員が現に存在するのも日本の現状であります。

 願わくば、こんな馬鹿な自治体が他には存在しないことを祈るばかりであります。
 

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