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日本の防衛を支える<2>
株式会社気球製作所 豊間清社長に聞く
2017年12月6日更新
100年前に生きた日本人発明家が昨秋、国際航空連盟(本部・スイスのローザンヌ)の国際気球委員会から「殿堂入り」の栄誉を受けた。この人物こそ明治時代に日本初のゴム製救命浮輪を作り、その後、係留気球や飛行船を発明し、〝日本航空界の先覚者〟と呼ばれる山田猪三郎(1863―1913)だ。
殿堂入り式典は昨年9月、国際バルーン・フェスティバルの会場としても有名な米ニューメキシコ州アルバカーキ市の国際気球博物館で行われ、山田猪三郎の曾孫である株式会社気球製作所(東京都大田区)の豊間清社長が出席し、喜びのスピーチを行うとともに、「殿堂入り」のプレートを受け取った。
山田猪三郎は和歌山藩士の子として生まれ、若い頃、紀州沖で座礁沈没した英国船「ノルマントン号」の海難事故に接し、救命具の必要性を強く感じ、上京して会社を設立、日本初の救命胴衣を作り上げた。
その後、日清・日露戦争の時代となると旧知の陸軍大佐から「これからは空の時代になる」とのアドバイスを受け、1900年、日本初の円筒型係留気球を完成させた。日露戦争の旅順攻囲戦では、この気球に陸軍兵士が乗り、上空からロシア軍の偵察を行った。
ハイテク「ゴム気球」を製作 3万メートル上昇 気象データ収集
この創業者の気風を受け継ぐ気球製作所は〝気球一筋120年〟という専門メーカーだ。天然ゴムで作られる気象観測用気球「コスモプレン」は、観測機器を吊り下げて高度3万メートルまで上昇し、各種気象データを地上に伝送する。
この気球は気象庁をはじめ、防衛省、航空宇宙研究開発機構(JAXA)、放射線医学総合研究所、東大、東工大、筑波大など関係機関で広く使われ、気象予報や航空機の安全な運航などに大きく寄与している。
同社は社員約30人の規模だが、生ゴムに関する製造技術はずば抜けて高く、世界からも高く評価され、製品の約45%は西側各国に輸出され、延べ50カ国で使われている。
「生前の曽祖父の口ぐせは・・・
防衛関連ニュース
米海兵隊訓練 熊本に移転
陸自と共同実動訓練「フォレストライト」
(2017年12月8日~20日)
2017年12月6日更新
沖縄・普天間飛行場に展開する米海兵隊のティルト・ローター機部隊は12月8日から20日まで、熊本・大矢野原演習場に訓練を移転し、陸自とヘリボーン訓練などを実施する。
この訓練移転は平成28年9月1日の日米合同委員会合意に基づき、沖縄県外での訓練の一層の推進を図り、訓練活動に伴う沖縄の負担を軽減することが目的。今回は・・・
防衛関連ニュース
百里基地警備犬 総合防災訓練に初参加
(2017年11月11日)
2017年12月6日更新
茨城県・稲敷市総合防災訓練に初参加し、捜索を行った竹山1曹と警備犬「キュー号」=11月11日、江戸崎総合運動公園で
【百里】百里基地防衛部の高橋龍博2佐以下16人は11月11日、江戸崎総合運動公園などで行われた「茨城県・稲敷市総合防災訓練」で震災救助などの対処を演練、警備犬部隊の管理隊警備小隊(竹山修治1曹・「キュー号」、岡村幸樹3曹・「パセリ号」)も初参加した。
訓練は「大雨で土砂災害警戒情報が発表され、市が避難勧告を発令。避難完了前に茨城県南部を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生した」という想定で行われた。
メーン会場の江戸崎総合運動公園では土砂災害や建物の倒壊、多重衝突事故が発生したことを想定し、・・・
防衛関連ニュース
<手帳の達人>
「自衛隊手帳」の上手な使い方①
トレーニングプランの管理に活用
2017年12月6日更新
A2曹の月間予定表。左側に1週間の練習メニューや目標を記入
朝雲新聞社の「自衛隊手帳」の2018年版が発売中だ。NOLTY能率手帳をベースにした使い勝手の良さが好評だが、実際にはどのような使い方ができるのか。三つの例を3回にわたってご紹介。
持続走訓練隊の選手A2曹
「自衛隊手帳」の使い方は自由だ。普通科連隊に勤務するA2曹は持続走訓練隊の選手。手帳はスケジュール管理のツールとしてより、むしろ練習日誌として使っている。
年間予定表には各種持続走大会や、マラソン大会の予定を記入。本番に向けてトレーニングの強度別に色分けした横の矢印を使い、月間予定表に転記している。
元々、毎日の駆け足は欠かさないため、本番3ヵ月前からインターバル走などを含めた運動強度の高い練習を取り入れる。そして2週間前になると過重な疲労の蓄積を避けるため、万全の状態で本番を迎えられるよう計画をたてる。それを月間予定表に記入し、毎日の練習メニュー、タイム、気づいたことなどを細かく週間予定表に書き込む。
週間予定表では白紙の右ページを活用。左ページの横罫を伸ばして当日の練習内容、食事のメニューなどを記入。これを毎日見返すことで気づくことも多く、そのつど翌日の練習内容に反映させている。
長期計画からその日の計画まで、年間、月間、週間予定表の特性をフルに生かして一貫したトレーニングプランを立て、実行している。
防衛関連ニュース
彦根藩主・井伊家菩提寺 豪徳寺
圧巻1万体の招き猫
2017年12月6日更新
約1万体の招き猫で埋め尽くされた豪徳寺「招福殿」の奉納所。この風景を写真に収める参拝者でにぎわっている
東急世田谷線と豪徳寺がコラボした「招き猫電車」。来年3月まで運行予定だ
幸運を招く縁起物として古くから日本人に親しまれる「招き猫」。東京都西部の世田谷区三軒茶屋と下高井戸を結ぶ東急世田谷線ではこの秋、開業110周年を記念し、沿線の豪徳寺とコラボした「招き猫電車」が運行中だ。猫ラッピングの車両に揺られ〝招き猫寺〟として知られる同寺に福を求めて訪れた。(文・写真 星里美)
外国人観光客にも人気
東急世田谷線・宮の坂駅の住宅街にたたずむ大谿山(だいけいざん)豪徳寺。〝招き猫寺〟として広く知られ、徳川幕府を支えた彦根藩主・井伊家の墓所(国指定史跡)としても名高い。幕末の大老・井伊直弼もここに眠り、本殿に保管される直弼の肖像画は世田谷区の有形文化財に指定されている。
豪徳寺では招き猫を「招福猫児(まねきねこ)」と称しており、その由来は約400年前の江戸時代初期までさかのぼる。
当時の和尚は貧しい暮らしながらも、寺で飼う猫に自分の食事を分け与え、我が子のようにかわいがっていた。
ある日、鷹狩の帰りとみられる武士が「猫がしきりに手を上げ招くので訪問した」と訪ねてきた。この武士こそが大河ドラマ『おんな城主直虎』の主人公・井伊直虎の孫にあたる彦根藩2代藩主の直孝。これが縁で豪徳寺は井伊家の菩提寺となり、伽藍(がらん)が整備された。猫が他界した後は・・・
防衛関連ニュース
KADOKAWA歴史セミナー「戦史シリーズ」
東京・市ヶ谷で開催
講師 陸自元教官と防大元教授
2017年12月6日更新
戦史愛好者を対象としたKADOKAWA歴史セミナーの「戦史シリーズ」が11月17日、東京・市ヶ谷の同社セミナールームで始まった。
同シリーズは昭和の戦争が対象で、初回の「太平洋の戦場 ペリリュー島の戦い」は元陸自幹部学校戦史教官室長の和泉洋一郎氏が講師を務めた。
和泉氏は、大規模飛行場があり、戦略的要衝だったパラオ諸島ペリリュー島での日米の攻防戦の全容を解説。上陸する米海兵隊指揮官は「4日間で落とす」と豪語したが、日本軍は74日間も持ちこたえ、その戦いぶりを詳しく紹介。さらに平成27年、同地をご訪問された天皇皇后両陛下の慰霊の旅についても話した。
「戦史シリーズ」は今後も毎月1回、同社セミナールーム(東京都新宿区市ヶ谷)で午後2時から開かれる。第2回は12月2日(土)、「遥かなる満洲 満洲事変」がテーマで、講師は元防大教授の源田孝氏。第3回は1月13日(土)、「太平洋の戦場 硫黄島の戦い」(講師・和泉氏)。第4回は2月10日(土)、「遥かなる満洲 ノモンハン事件」(講師・源田氏)。各回とも定員80人で、受講料は1回4000円(税込)。
申し込みは、KADOKAWAホームページの「ケツジツ」から。はがきは〒102―8078東京都千代田区富士見1―8―19 角川第3本社ビル8F 株式会社KADOKAWAビジネス・生活文化局「歴史セミナー」事務局へ。FAXは03―3262―0666。
いずれも参加希望セミナー名、開催日、名前(ふりがな)、年齢、性別、郵便番号、住所、電話・FAX番号を記入。締め切りは開催3日前到着分まで。先着順に「参加票」を返送するので、当日はこの「参加票」を持参する。詳しくは同社HPを参照。