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先進技術実証機 「心神」組み立て着手 

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4/5日付
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先進技術実証機 「心神」組み立て着手 
三菱重飛島で鋲打ち式 26年度初飛行目指す

 先進技術実証機「心神」の組み立て作業開始を告げる「鋲打ち式」で、胴体隔壁に金具を取り付ける三菱重工業の社員(3月28日、愛知県・同社飛島工場で)
 技術研究本部が平成12年度から研究している「先進技術実証機」(ATD―X、愛称・心神)が製造段階に移行し、組み立て作業の着手を祝う「鋲打ち式」が3月28日、愛知・名古屋臨海部の三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所飛島工場で行われた。同機は、高ステルス性と高機動性を融合させた実証機で、2年余の機体組み立てを経て26年度に初飛行を予定。さらに2年間の各種試験で先進技術が実証されれば、初の純国産の空自将来戦闘機開発につながるものと期待されている。

高機動誇る初の国産ステルス機

 鋲打ち式には秋山技本長、吉岡技本航空機担当技術開発官をはじめ、空自から片岡空幕長、吉田空幕技術部長ら、会社側から小林孝三菱重工業航空宇宙事業本部長ら合わせて約60人が出席し、組み立て開始を祝った。
 最初に小林本部長が「先進技術実証機は本日、設計から製造フェーズに移る。製作には難しい面もあるが、メーカーとして持てる製造基盤をフルに発揮し、26年度の初飛行に向け総力を挙げて作業を進めていく。我々の最終ゴールは純国産の将来戦闘機の開発。作業を着実に進め、開発につなげたい」と述べた。
 次いで秋山技本長が「戦闘機は最先端技術の結晶であり、その性能は国家の技術力そのもの。防衛省もこの機体開発を最優先事業に位置づけ、総力で臨んできた。ぜひ世界のステルス戦闘機を凌駕するような機体の製造をお願いしたい」とあいさつした。
 片岡空幕長も「この機体は我が国が戦闘機を製造していくという防衛生産・技術基盤の維持からも重要。高い技術力の積み重ねが空自の精強化につながる」と述べた。
 同社防衛航空機事業部の浜田充プログラム・オフィス長が同機の概要を説明し、「今後、日本が(周辺国の)ステルス機にどう対処していくか、我が国の防空能力を向上させるためにもこの機体は有用。高いステルス性だけでなく、推力偏向パドルをもった国産初のアフターバーナー付きエンジンを搭載し、高機動性も兼ね備える。初飛行まであと2年。その日に向け、全社挙げて努力していきたい」と決意を語った。
 この後、式場前方に置かれた胴体隔壁(バルクヘッド)を使って鋲打ち式が行われた。隔壁は電子機器を搭載する中胴前部機器室と燃料タンクを隔てるアルミ合金製で、幅2・7メートル、高さ1・8メートル。鋲打ちは隔壁に油圧配管用金具を取り付けるもので、ハンド・リベッターを手にした同社作業員が長さ5ミリの鋲を隔壁に打ちこみ、金具を固定した。
 先進技術実証機は、三菱重工業を主契約企業に、日本の航空機メーカーが総力を結集して開発に当たる純国産機。機体前部のキャノピーや操縦席まわりを川崎重工業、中央胴体部を三菱重工業、主翼と水平・垂直尾翼を富士重工業、エンジンをIHIがそれぞれ分担し、最終組み立ては三菱重工業の小牧南工場で行われる。
 計画では今後約2年で機体を完成させ、26年9月の初飛行を経て、同年度中に防衛省に引き渡される予定。その後、技本と空自が28年度まで飛行試験やステルス性能試験などを実施する。
 

4/5日付
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目指すは"日の丸ステルス" 
実証機"心神" 小ぶりな機体、優れた機動性 
期待ふくらむ"平成の零戦"

 先進技術実証機の鋲打ち式で「この開発は防衛省の最優先事業」とあいさつする秋山技本長(3月28日、三菱重工業飛島工場で)
 関係者の熱い思いの中、組み立てが開始された先進技術実証機の模型。26年度の完成・初飛行を目指す
 平成12年に研究に着手した日の丸ステルス戦闘機「心神」が平成26年9月の初飛行を目指し、いよいよ組み立てを開始――。
 航空自衛隊は昨年末、F4戦闘機の後継機に米製ステルス戦闘機F35A「ライトニングⅡ」を決めたが、国産メーカーも負けてはいない。技術研究本部が指揮する「先進技術実証機」(ATD―X、愛称「心神」)も3月28日、堂々と製造段階に移行した。
 世界では米国のF22、F35、ロシアのPAKFA、中国の殲20(J20)などステルス戦闘機が開発されているが、「心神」はこれらに続くものとなる。
 三菱重工業で同プロジェクトを指揮する浜田充プログラム・オフィス長は、「イメージは、相手から見つからない忍者のような航空機。高機動性に優れ、(攻撃を受けても)ひらりとかわすことができる」と話し、「エンジン排気口に付けた推力偏向パドルをかじに使うことで、通常なら失速する低速でも飛行を続けられる。さらに素早く機首方向を変えることも可能」という。
 総額392億円が投入されて試作される単座・双発の「心神」の最大の特徴は、(1)電波を反射させないステルス形状、表面の電波吸収材などによる高ステルス性(2)アフターバーナーと推力偏向パドルによる高機動性――の2点だ。
 このうち高機動性を実現するのは新開発の統合飛行制御システム「IFPC(IntegratedFlightPropulsionControl)」。パイロットがスティック1本で各翼と推力の向きを同時制御、従来では不可能だった高機動飛行を実現させる。
 一方、高ステルス性能は、空自レーダーサイトや海自イージス艦が侵入してきたステルス戦闘機をどのように探知するか、その能力を見極めるとともに、今後の新レーダー開発の供試体としても活用が期待できる。
 「心神」のスペックは重量約13トンという以外は公表されていないが、三菱重工業によれば、事前に製作された実物大模型(全長約14メートル、幅約9メートル)とほぼ同サイズになるという。
 F22は全長19・5メートル、F35Aは同15・7メートルで、「心神」はかなり小型であることが分かる。同機が航空機ファンから"平成の零戦"と呼ばれている所以だ。
 ただし、同機は試験用で高性能レーダーや電子戦機器、ウエポン類は搭載しない。このため、将来、実用機を開発するには胴体内にミサイル等を収納するスペースなどが必要で、機体は大きくなるかもしれない。
 「心神」は、今後、2年間かけて製造が進められ、同時にパイロット養成もシミュレーターを使って実施される。機体完成を祝うロールアウト式を経て、平成26年9月に初飛行を実施し、「日の丸ステルス戦闘機」の将来の実現に向け、同機は推力を増してゆく。
 

4/5日付
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陸自の新多用途ヘリ 川崎重工業が受注 OH―1を母機に開発

 陸自の新多用途ヘリコプターの完成予想図。OH1観測ヘリを改造母機に開発される(川崎重工業のHPから)
 川崎重工業は3月28日、陸自新多用途ヘリコプター(UHX)の開発を防衛省から受注したと発表した。
 UHXは技術研究本部が23年度から開発に着手しているUH1多用途ヘリの後継機で、師団・旅団飛行隊、方面ヘリ隊などに配備、陸自の「動的防衛力」の主力装備となる。
 UHXは防衛省が総経費279億円を投入して27年度までに試作、29年度まで技術・実用試験を実施、その後、量産に移り、陸自への配備を目指す。
 川崎重工業では、同社が開発したOH1観測ヘリをUHXの改造母機とし、これまで蓄積した同機の技術・製造基盤を活用、開発に当たっては技術リスクを抑えると同時に機体のライフサイクルコストの低減を実現させたいとしている。
 技本によるとUHXは重量約5トンで、最高速度140ノット(約260キロ)以上、行動半径230キロ以上で、各種作戦、災害派遣活動、国際平和維持活動などに活用できる機体を目指す。
 エンジンも国産で、UH1では難しかった洋上長距離飛行も可能となり、島嶼防衛のような離島の作戦でも中心的な役割を果たすことができる。
 
 

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