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鳩山由起夫氏の人情話

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2009/6/17(水) 午後 7:01敬天愛人の屁理屈練習用  Yahoo!ブックマークに登録
 

    (写真はお借りしたもの。 JR五能線)
 
  御来訪感謝申し上げます。

 正直申し上げて今日は記事更新をお休みしようかと思ったのですが、つい先ほど「党首討論」第2回目がライヴで放映されたのを見て、皮肉屋の性悪オヤジとしては今日もイヤミを言いたくなりました(笑)
 
 
2回目の党首討論という事で、昨今民主党の支持率も上がっていることなので、政権奪取目前の鳩山代表と意気消沈気味に麻生首相の対決構図の中、国民に眼を見張らせるような具体的なお話が出てくるかと期待したのですが、残念ながら、毎度おなじみの期待はずれに終わりました。

 『友愛』の精神を掲げる鳩山さんですが、どうもこの方はお涙頂戴式の「人情話」がお好きなようで、我が国の自殺者の多さ、母子家庭への生活保護打ち切りによって高校へ進学することも出来なくなった女の子の嘆きを例に出して、「社会的弱者」への政府の冷徹な対応を追求しようという論点を振りかざしての「友愛鳩山」を国民に印象付けようとしていました。

 勿論、人間社会において愛や情は大切なものであることくらいは、愛に恵まれずに50を過ぎてしまったヘボオヤジでも理解できることです。

 しかし、こうも「情」に訴える議論をこれでもかこれでもかと押し付けられると、素直に「真にお説ごもっともでございます」と聞いていられなくなるのも私の性分であります。
 鳩山氏は「総理、今日本では毎日毎日100人以上の方々が自殺で亡くなられているんですよ。総理はこの事をどうお考えですか?」とまるで自殺した人達がみな麻生首相のせいで自殺したかのような言いっぷりでした。

 自殺者が多いということも、当然知っていますが、何も日本だけの話ではなく、先進国を中心に外国でも自殺者の増加は社会問題となっています。

 現代社会は医学が高度に発展し人間の平均寿命は大幅に伸びましたが、反面、昔なら考えられなかった病気も数多く発生しているのも事実であります。

 いわゆる現代病というやつですが、これらの病気は多分に精神的な要因が多く、薬や外科的な治療で簡単に治癒するというものでもありません。

 自殺者の中にはこのような「原因不明」「完治する見込みの薄い」病を気に病んで自らの命を絶つ人々も多くなっています。
 
 病気だけでなく、青少年に多いイジメを苦にした自殺、事業失敗や借金苦での自殺、また少数ではありますが、自らの内面の深奥を突き詰めすぎて「生きることへの価値」が見出せなくなったという身勝手な理由で自殺する例もあります。

 また、先天的な精神疾患で自殺する人も結構います。

 私の周りでは、自殺する理由がどこにも見当たらないのに発作的に自殺してしまった若い女性もいました。

 さらに、国の行く末を案じて自殺した人も確実に存在します。
 不肖敬天愛人も、政治家どもがあまりに売国奴が多いお国の現状を憂いて、時々絶望感から死にたくなる事もありますが、幸か不幸か「死ぬ勇気」が無いために馬齢を重ねております。

 私は、自殺したくなる気持ちは理解できますが、自殺する気持ちは理解できない心貧しい男であります。
 政治の力や社会の力で100%自殺を防止する事などは不可能であり、同情を禁じえないケースもありますが、基本的には自殺は自己責任であり、自業自得の行為であると考えています。
 人の心の奥底まで政治が入り込む事はできないし、政治といえどもその権利はありません。
 人の心まで入りこもうとする政治は、人権も自由も認めないイデオロギーを隠れ蓑にした独裁恐怖政治であります。

 自殺の問題は国会の党首討論の場で取り上げる問題ではなく、もっと身近な地域社会が規範となって対策を進めて行くべき問題であると思います。

 母子家庭の生活保護打ち切りの問題にしても、子どもが高校へ進学する年齢になっている事を考えると、子どもに手が掛からない状況に親も働ける環境にあると判断され、生活保護費支給基準から外れてしまっただけのことであると推察できます。

 子どもの訴えを聞いて「涙が出て来ましたよ」と殊更善人ぶりを強調するケースでもないと考えますし、国政の舵取りを議論する党首討論の場であえて持ち出す話ではないと感じました。

 私は自民党の支持者では決してありませんが、党首討論を見るたびに、政権を担おうという立場にある責任政党の党首が、国のトップとの討論の場で議題とする案件として緊急に優先すべき問題が山ほどある筈であり、優先順位の判断もできないのか、それともあえてそれを避けているのか?と前回に引き続いて疑問に思うのであります。

 自由と民主主義をこよなく愛す敬天愛人は、政治が「情」や「愛」などのキーワードを武器に「心」の問題に口出しをして来ること危険性を敏感に感じ取るのでもあります。

 そこには、情や愛という羊の皮を被った狼が潜んでいることが、歴史を振り返れば明らかにされるのです。 それが政治の闇でもある、と歴史は証明しています。

 日本をどう守るのか、国民をどう守るのか、を示さずに情や愛を語る政治にきな臭さと胡散臭さを感じるのは私だけでないと存じます。

 日本郵政の西川社長と鳩山前総務相との確執も、弟を切った個人的な恨みの情を前提に話を始めたことからも分かるように、名門での御曹司代表は『法治の人ではなく情治の人である』ことは間違いないようであります。
 
 終わってみれば相変わらず中身の無い党首討論になったのも、情や愛では麻生首相も議論を進めようも無く、鳩山氏の「人情話」を聞かされるだけの時間に無為に費やされたことが一番の原因であると、今回の党首討論中継を視ての感想でありました。
 
   
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