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[転載]政治家の資質と官僚政治

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  御来訪感謝申し上げます。

 梅雨とは名ばかりの晴れ間が見える日が多い今年のこの季節です。
 本格的な暑さを迎えた時の水不足を今から懸念しています。

 
私は以前、ある場所で「水は理」であると教えられました。
 日本のように水に恵まれた国はない。
 蛇口をひねれば水が出て、その水は飲み水としても他の生活用水としてもふんだんに使える。 水道がなくても井戸を掘れば地下水が湧き出て来る。
 山に行けば自然の湧き水が止めどなくあふれ出て絶品の美味しい水を無料で味わうことができる。
 さらに温泉までも湧き出て、人の体の疲れや病を癒やしてくれる。
 こんなに水に恵まれた国はあるだろうか?と言われました。

 確かに海外旅行などに行くと、日頃日本での生活では感じることのない不便さを見せ付けられるのが水の問題であります。

 世の中に金で買えないものが二つある。それは「命と水の権利」だと言われた事もあります。
 「100年の計」と言いますが、私の生まれ育った街は数十年前に隣在する町がいくつか集まって水利を確保するためのダムを造る計画があった際に、一応声をかけられたのですが「我が町は特に水に不足はしていないので、ダム建設に出資する必要はない」と断った経緯がありました。

 その時は、お役所の人達は長いこと水不足を経験していないし、冬場は雪が降るので水が不足する事態に陥る事は考えられないだろうということでダム建設参加を断ったそうであります。

 言われて見れば、当地福島県南部は豪雪地帯と呼ばれる会津地方ほどではないにしろ、冬場は適度な降雪量があり、それが大切な水源にもなっていました。
 しかし、経済成長とともに地方にも産業化の波が押し寄せ、エネルギーを多量に排出する工場や住民達の生活エネルギーが増大していく中で、温暖化が進み降雪量が減少する一方の状況になっていきました。
 福島県を見ても、人口過疎化が進んでいる地域はそれほど降雪量に変化はありませんが、人口が密集する都市部では「産業活動による」エネルギー排出により降雪量が年々減少していくのが明らかになりました。

 私が小さい頃は地元でも坂道でソリ遊びができるほど雪が降りましたが、今では、シーズン中でも数えるほどしか雪が降らず、その量も微々たるものになっています。

 東北地方は冬場の降雪量と夏場の降雨量によって水を確保しており、雪解け水の美味さが降雪量の少ない西日本にはない、東北の米や野菜の美味しさを醸し出していたのであります。

 今から、20年ほど前のことになりますが、冬場の水不足が災いし、春の田植え時期に水不足に陥ったことがあります。
 その時は、冬場にほとんど雪が降らなかったのと春になっても雨降りも少なく、市の水道局が水の在庫不足の状況になってしまったのです。
 学校や工場など、まとまった水需要を要する場所へ給水制限を余儀なくされ、田植え期にある農家の取水制限や自衛隊の出動を要請する事態にまで発展しました。

 その事態に、市の幹部は前述した水利ダムを建設した自治体それぞれに出向いて、頭を下げながら「一部の水利権」を譲ってくれるように懇願したそうでありますが、返って来た事は「水利権はお金でも買えませんよ」ということだったと、当時の担当者から直接聞かされました。
 お蔭で、水資源が弱点になり、工業用水を大量に使う企業誘致もできない中途半端な小都市になってしまいました。
 先見の明のなさが後に禍根を残す典型例であります。
 中国の諺に「最初に井戸を掘った人の恩義は永遠に忘れない」という言葉がありますが、正にこの諺が示唆する意味を痛切に感じたのだと思います。

 ことほど然様に「水」の尊さは計り知れないものであり、「命の水」と言われるとおり、人間の生殺与奪権を握っているといえるのが「水資源」であります。

 その人類にとってかけがえのない「水資源」に世界で一番恵まれているのが他ならぬ我が日本であります。

 最初に話を戻しますが、「日本には古来から理がある。だから水に恵まれている」と教えられたのであります。 そして「理のないところには水はない」とも言われました。

 なるほど、その事をよくよく噛み締めて考えると、日本全国に数多(あまた)の神社がありますが、ほとんどすべてと言っていいほど自然の湧き水が「神水」として存在し、地元地域の人達を潤しています。

 日本は資源がない、と昔から教育されて来ましたが、人間にとって一番大切な資源とは何か?と考えれば「水」しかないのであります。

 エネルギーの源泉地と言われる原油国である中東は、皮肉なもので砂漠地帯で水利も少なく水が枯渇しており、水が湧き出る場所を「オアシス」と呼んでいるほどです。
 油がなくても人間は生きていけますが、水がなければ人間は生きていけません。

 まさに「天の恵み」であります。

 つまり、人間の生を司る水を世界で一番享受しているのが日本なのであります。

 中国の「淡水率」の低さが以前問題になりましたが、中国にとって一番の深刻な問題は「水の確保」なのです。
 勿論、生活用水も必需でありますが、工業用水の確保も国を運営して行く上において致命的な問題であるのです。

 不肖敬天愛人は、別に中国の水資源をどうこうしようという主旨で本記事を書いているわけではありません。

 「水=理」であるから、理のある国日本は水に恵まれ、全く理のない中国は水不足に悩まされ、農業や工業製品の生産にも自ずと限界があるのだということであります。

 今年の日本の気候を考えても、今の日本は理が薄くなっているぞ!という天の警告なのではないか?と昨今考えざるを得ないのであります。

 理とは「縦の筋目」であります。
 目先の利ばかり追い求めていると、肝心の人間としての筋目を見失いがちになっているのも現代人の宿業なのかも知れません。

 「水と安全はタダ(無料)」といわれた時期がありましたが、こんな事を表面立てていえる国は地球上には存在しないでありましょう。

 民主党が自民党を攻撃する際に使う言葉として「官僚政治の打破」がありますが、世界で一番人間の生命の根幹に関わる水資源を有している日本の主権を守る覚悟を持っているかどうかを国民は問いたいのであります。

 官僚政治を許して来たのは政治家の皆さんの勉強と努力不足が招いた丸投げの結果であり、自民党を擁護する立場も気もありませんが、民主党にも官僚政治を打破して国の運営を責任を持ってやっていけるほど勉強している議員や能力のある議員がいるのかも甚だ疑問であります。

 政治家の資質が欠ける者が蔓延っているから、実務の官僚に良いようにされているだけのことではないですか?

 要は政治家の資質とそんな政治家を選んで来た国民の資質の両方も問われるべきなのです。

 私も官僚は嫌いでありますが、官僚だけが悪いのではないのであります。

 今、日本人全体に必要とされているのは「縦の筋目(理)」なのであります。

 日本人は古来から「日本の理」という徳を頂いて、人類究極の資源である水の恵を与えられて来たのであると思うのです。

 その「日本の理」も分からない、理解しようともしない政治家が圧倒的に多いから良識ある国民は悩むのです。




 
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転載元: 敬天愛人(東北の片田舎から憂国の発信)


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