河野談話の再検証作業について、昨日の菅官房長官の発言を聞いておりますと、元慰安婦の証言の気密性を尊重し、談話の内容そのものの再検証には消極的なようにも受け取れます。
菅官房長官の口ぶりですと、再検証の対象は、河野談話の草案作成時における韓国との間に摺合せの有無となるようです。摺合せがあったことが明らかになれば、河野談話は”外交的作文”となりますので、確かに、その信憑性は大幅に低下します。しかしながら、韓国政府は、再検証の結果を素直に受け入れて引き下がるでしょうか。石原元官房長官の証言によりますと、韓国側は、”この問題は、以後、取り上げない”との約束の上で、河野談話の公表を迫ったそうです。にもかかわらず、韓国側は、逆に日本糾弾をエスカレートさせたのですから、石原元官房長官が善意が裏切られたと嘆くわけです。元慰安婦の証言内容の再検証なくして河野談話の見直しを実施しても、証言内容の真偽不明なままなのですから、逆に、韓国が日本側に譲歩したと喧伝するかもしれません。韓国が相手の時には、常に、最悪のシナリオに備える必要があります。
”韓国を追い詰めてはならない”とする日本国の配慮は裏目に出て、常々、日本国の方が崖っぷちに立たされます。元慰安婦証言こそが、河野談話の唯一の根拠なのですから、この作業の実施を見送りますと、将来の日本人にまで被害が及ぶことになると思うのです。
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