こんにちは、ゆかりです。
病院や薬会社の営業(啓蒙)の仕方について考えて見ました。
テレビや雑誌、新聞広告、インターネットなどを使い、うつ病の露出を増やします。内容は、有名人のうつ病体験だったり、精神科医による解説だったりします。それを見た人を電話のコールセンターやインターネットサイトに誘導します。
「あなたはうつ病かもしれない。うつ病だったら病院に行き、それは治療可能な病気です。」というテレビコマーシャル
”放っておくと大変なことになりますよ” ”本当は怖い身近な症状”直ちに医者に行って診察をうながす啓蒙番組です。スポンサーは製薬会社がなっています。薬を売るためには、病院に来させるのが必要になります。
抗うつ剤に限らず、ED(勃起不全)、AGA(男性型脱毛症)、禁煙など、いつの頃から目につくようになりました。 こうした手法は、製薬会社がすでにアメリカ、ヨーロパで行って確立したプロモーションの方法を、日本で繰り返しただけだそうです。
下記は【医は算術】以下ぽん太のみちくさ精神科のブログより ※医療関係者を対象にしたブログです。患者さまが怒って容態が悪化してもゆかりは一切関知いたしません。
製薬会社による抗うつ剤プロモーション 冨高辰一郎『なぜうつ病の人が増えたのか』
本書は、SSRIと呼ばれる新しいタイプの抗うつ剤の登場がその原因であると主張します。冨高辰一郎『なぜうつ病の人が増えたのか』(幻冬舎ルネッサンス、2009年)
筆者はまず、厚生労働省の調査データに基づき、気分障害の患者数が1999年以降に急速に増大し、2005年までの6年間で2倍以上になった事実を指摘します。
第二に自殺率の推移は、うつ病の患者数のように増加し続けてはおりません。左のグラフの出典はこちら(社会実情データ図録)。
実はうつ病患者が急増する1999年という年は、日本で初めてSSRIと呼ばれる抗うつ剤が発売された年であり、その後の抗うつ剤市場の伸びは、まさにうつ病患者数の増大と同じカーブを描いていることがわかります(グラフは「医療用医薬品データブック」(富士経済、2004年No.2)。
日本以外の外国でも、SSRI導入後に、同様のうつ病患者数の増大した
また著者は日本以外の外国でも、SSRI導入後に、同様のうつ病患者数の増大が見られていることを指摘します。こうしてうつ病患者の増加が、社会環境の変化によるものではなく、SSRIの登場とリンクしていることを論証します。SSRIは、製薬会社にとって、多額の売り上げが期待できる薬剤です。その理由は第一に、SSRIはこれまでの抗うつ剤に比べて価格が数倍します。
SSRIの売り上げを増やすためUTU-NETという啓発サイト
著者は、製薬会社の支援する啓発活動の内容にある程度のバイアスがかかるのは仕方ないが、少なくとも製薬会社が支援していることを明示すべきだと主張します。
いわゆる非定型うつ病の増大に関しても、SSRIプロモーション以後の受診患者層の変化が影響していると考えられます。「自分は病気であり、薬で治療すべきである」という思いが強すぎると、回復を妨げることもあります。
欧米のうつ病治療ガイドラインでは、軽症のうつ病には薬物療法を積極的には勧めていません。イギリスのNICEのうつ病の治療ガイドラインでは、「リスクと利益の比率が乏しいので、抗うつ薬は軽症うつ病の最初の治療としては勧められない」
日本ではこうした論調はなく、軽症でも最初から抗うつ剤による治療が行われています。
抗うつ剤と自殺の関係に関しては、論争に決着はついておらず、著者自身も判断できないとしています。またSSRIが従来の抗うつ剤に比べて優れているかどうかに関しては、副作用も含め、優れているとは言い切れず、それぞれに長所・短所がある。