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[転載]「民の父母」として・・・

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上杉鷹山公 像



先日、本ブログの拙稿、道を説く「士規七則」にて吉田松陰先生をご紹介させていただきました。
松陰先生は、没後153年を経ても山口県民の方々には松陰先生と呼ばれています。
今回ご紹介させていただく上杉鷹山公は、山形県米沢市では今も尚「鷹山公」と呼ばれ崇敬されています。

アメリカ合衆国35代大統領、ジョン・F・ケネディが記者会見の時、「尊敬する日本人は?」と質問され、「ヨーザン・ウエスギ」と答え、記者団をびっくりさせました。ケネディ大統領はおそらく、内村鑑三翁の名著『代表的日本人』で、上杉鷹山公を知ったのでしょう。
上杉鷹山公は、江戸時代の米沢藩主です。米沢藩(現山形県)を再興させた名君として知られています。宝暦元年7月20日、日向国(宮崎県)高鍋藩に生まれた鷹山公は、母春姫が上杉家の血筋であったことが縁となり、10歳の時に、上杉重定の養子となりました。
米沢藩は、先祖に戦国の英雄上杉謙信公を戴く、天下に聞こえた名藩でしたが、深刻な財政難に陥っていました。そんなとき、第9代米沢藩主となったのが、鷹山公でした。

 米沢に入った鷹山公は、ただちに藩の窮状を理解されました。そして、藩政改革に着手し、藩の復興に取り組みました。 鷹山公はそのとき、わずか17歳でした。現在では、高校2~3年生です。そんな若さで一国の運命を担った鷹山公は、どんな思いだったでしょう。鷹山公が詠まれた和歌に表されています。


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受次(うけつぎ)て 国の司(つかさ)の 身となれば
                 忘るまじくは 民の父母


鷹山公は、君主というものは「民の父母」のようでなくてはならないと考えました。そして親が子を思う心、すなわち「慈愛の心」をもって、領民のことを思い、国を立て直そうとされたです。
鷹山公が藩主となった頃、米沢藩15万石の財政は良いものではありませんでした。
というのも、江戸幕府が開かれた頃、「まだ戦が起こる可能性がある」とした藩祖上杉景勝公の考えで、通常よりもはるかに多くの家臣を養っていたからです。
鷹山公の時代になると借金は雪だるま式に増え、米沢藩の借金は約16~20万両
(約120億円)ほどの借金に膨れ上がっていたと記録があります。
その負担が鷹山公が藩主になった頃には著しく、早急な財政改革が必要でした。
この難関に対して、鷹山公は現代でも通じるような的確な方法で乗り切ったのです。
鷹山公は自ら質素倹約を率先垂範されました。

藩主でありながら、一汁一菜の食事、さらには、武士でありながら、刀を鍬(くわ)に持ち替えて働かれたのです。そして、積極的な殖産興業政策を実施し、田畑の開墾、桑・楮(こうぞ)・漆などの栽培、養蚕・製糸・織物・製塩・製陶など新産業の開発に力を入れられました。

鷹山公には、14歳のときから師とする人物がいました。それが、儒学者・細井平洲です。「民の父母であれ」というのも、平洲から教わったことでした。

 鷹山公は平洲の教えに学び、改革の根本方針を「三助」としました。すなわち、自ら助ける「自助」、近隣が互いに助け合う「互助」、藩が手を差し延べる「扶助」です。そして藩主が自ら先頭に立って「三助」を実行したことで、財政危機に瀕していた米沢藩は、立ち直りました。奇蹟的な大改革が成し遂げられたのです。

鷹山公は35歳の若さで隠居され、家督を前藩主・重定の実子、治広ります。その時、治広に贈ったのが「伝国の辞」です。これは、国を治めるための心得を記したものです。



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 一、国家は先祖より子孫へ伝候国家にして、我私すべき物にはこれ無候 


一、人民は国家に属したる人民にて、我私すべき物にはこれ無く候


 一、国家人民の為に立ちたる君にて、君の為に立てる国家人民にはこれ無

 く候

 

 「伝国の辞」は、現代にも通じる精神です。ケネディ大統領が鷹山公の名を挙げたのは、こういう精神に感銘を受けたからです。


また、鷹山公は
農民の為の役人、郷村教導出役の任務に次のように諭されています。

一.天道を敬うことを教える事

一.父母への孝行を教える事

一.家内睦まじく親類親しむことを教える事

一.頼りなき者をいたわって渡世させる事

一.民の害を除き民の潤益をとり行う事

一.上に立ち百姓を取扱う諸役人の邪正に注意する事

一.往来の病人をいたわる事

鷹山公は、郷村教導出役に対し、しばしば状況確認をされていたそうです、いかに領内の農民に対し愛情をもって接していたかが分かりますね。

「民の父母」たらんとして・・・・・

我国には優れた先人、先達がおられます。
現世の我々が学ぶべきことは多いはずです。

「生せは生る 成さねは生らぬ 何事も 生らぬは人の 生さぬ生けり」ときっと鷹山公は仰せでしょう・・・・

転載元: 美しい国


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