IOC総会でスピーチあそばされる高円宮妃久子殿下 御尊影=7日、ブエノスアイレス
IOC総会でスピーチあそばされる高円宮妃久子殿下 御尊影=7日、ブエノスアイレス
高円宮妃久子殿下 IOC総会で復興支援に感謝の言葉
高円宮妃久子殿下 IOC総会で復興支援に感謝の言葉
妃殿下のお言葉要旨は以下のとおり。
まず、日本国民を代表して御礼申し上げたいことがございます。2011年、大きな地震、そして津波を体験しました。国際オリンピック委員会(IOC)と関係者の皆様は、深い同情の念を表していただきました。私どもはそれに対する感謝の気持ちは一生忘れません。
私は個人として、IOCの皆様に心から感謝したいと思います。IOCの特別な支援「ツバサ・プロジェクト」は、若い選手たちに、笑顔と希望をもたらしてく れました。日本語の「ツバサ」は、英語で「ウイング」という意味です。この翼を得て、未来へ、そして夢へ飛び立とうとしています。
私たちのような皇族がこのように話をすることは初めてかもしれません。しかし、日本の皇族は常にスポーツを支援してきました。私の亡くなった夫はスポーツマンでした。私は9つのスポーツ組織の名誉総裁を務めています。そのため、非常に多忙です。
「チームジャパン」がこれからプレゼンテーションを始めます。説得力のあるものとして聞いていただけると思います。今回、このような機会を与えてくれたことを、感謝いたします。
7日(日本時間8日)の国際オリンピック委員会(IOC)総会で東京が2020年夏季五輪の開催地に選ばれた直後、決選投票で敗れたトルコのエルドアン首相が安倍晋三首相に駆け寄り、抱擁で祝意を示す一幕がありました。
安倍首相は5月にトルコを訪問した際、「もしイスタンブールが五つの輪を射止めたら、私は誰より先にイスタンブール万歳と言う。東京が射止めたら、誰よりも早く万歳と叫んでいただきたい」と訴えていました。
安倍首相はフジテレビの番組で「エルドアン首相に5月の約束を果たしていただいた」と両国の友情を強調するとともに、「(イスタンブールの)健闘に応えるためにも、20年五輪を何としても成功させたい」と、決意を新たにしました。
トルコ国民は「米国や日本は何度も五輪を開催しているのに、トルコには1度も来ない」と不満そうに語り、「隣国シリアやイラクの悪化する治安情勢が影響した」と敗因を分析しました。
しかし、親日家の多いトルコらしく、招致を勝ち取った東京にエールを送る声も聞かれました。トラック運転手のラマザン・バルトゥさん(30)は「日本は兄弟のような国。東京の幸運を祈る」と支援の声が・・・
今回は招致を競うライバルでしたが、イスラム圏初開催を目指し、是非六度目の招致に挑戦してもらいたい。六度目の招致の時はわが国は全力で支援しましょう。
親日国は交わした約束を固く守り、道義を大切にしています。
寧ろ、道義を失ってしまったのは、今日のわが国ではないでしょうか?
先人が行なった善行の上に友好は成り立っています。
先人を否定する風潮が多い今日、日本国は何か?日本人とはどのような民族か?わが国は何故世界から愛されるのか?検証すべき時期に来ているのではないでしょうか?
余り知られてはいませんが、パラリンピックがオリンピックに併せて開催されたのは、昭和39年、東京オリンピックでした。
東京パラリンピックの名誉総裁をなされたのが、畏くも今上陛下(当時、皇太子殿下)でした。
貴賓席にお立ちになり、選手の入場行進にお手をふられる両陛下(皇太子殿下当時)
両陛下(皇太子殿下ご夫妻)は、当時の葛西大会々長の先導でフィールドに降りられ、各国選手をそれぞれ激励された。
両陛下のご尽力により、障害者福祉が大きく前進したのです。
天皇陛下御即位二十年奉祝中央式典 において、日本身体障害者団体連合会会長、小川 榮一氏は当時を次のように述べられています。
小川栄一氏
ただ今ご紹介に預かりました日本身体障害者団体連合会会長の小川榮一でございます。一言、天皇皇后両陛下に対し感謝の言葉を申し述べたく存じます。
日本身体障害者団体連合会が昭和33年に創立して以来、障害者福祉に関わってはや五十年が経ちました。その間、なかなか障害者に対する社会の理解が進まず胸の痛む思いをしてきましたが、そんな私共を一貫して支えて下さったのが、天皇皇后両陛下でした。正確に申し上げれば、両陛下のおかげで障害者福祉が大きく前進したと言っても過言ではありません。
どういうことかと申しますと、障害者に対する社会の見方が大きく変わる契機となったのが、昭和39年、東京オリンピックにあわせて開催されたパラリンピックでした。
障害者がスポーツを通じて交流を行うこの世界大会が初めて日本で開催された際に、皇太子同妃両殿下であられた両陛下は、連日会場を廻られて選手を激励し、大会終了後は東宮御所に関係者を招かれて労われました。
その際、陛下は、こうお述べになりました。
「日本の選手が病院や施設にいる人が多かったのに反して、外国の選手は大部分が社会人であることを知り、外国のリハビリテーションが行き届いていると思いました。このような大会を国内でも毎年行ってもらいたいと思います」
この御言葉がきっかけとなって昭和40年から毎年、国民体育大会にあわせて身障者スポーツ大会が開催されるようになったのです。この大会のおかげで、閉じこもりがちであった身障者たちが施設の外に出てスポーツに取り組むようになり、「障害があってもやればできる」という勇気と自信を持てるようになりました。
家族もまた、その姿に励まされ、支えられてきたのです。スポーツを通じ、社会参加の助長と、障害や障害者に対する社会の理解が深まったことが、今日の障害者福祉向上の原動力にもなりました。
さらに両陛下は、地方行幸啓に際して障害者施設をご訪問になっていらっしゃいます。おかげで、どちらかというと閉鎖的だった障害者施設も社会の脚光を浴びるようになり、国民の優しさが障害者に伝わるようになりました。
数年前、園遊会にお招き戴いたときも、「障害者の皆さんはどうですか」と質問があり、「皆、明るく頑張っております」とご返答申し上げたところ、「障害者のため頑張ってほしい」と、ありがたい御言葉を賜りました。
ハンディーがあっても国民の一人として尊重して下さり、障害者とその家族・関係者に、勇気と自信を与えて下さっている皇室こそ、日本の素晴らしい国柄を代表されていると思っております。
これまでの両陛下のご活動に感謝申し上げるとともに、両陛下の御健勝を心よりお祈り申し上げます。
筆者ごときが論評・補足する言葉がありません。
ハンディーがあっても国民の一人として尊重して下さり、障害者とその家族・関係者に、勇気と自信を与えて下さっている皇室こそ、日本の素晴らしい国柄を代表されていると思っております。
これらの言葉に皇室の素晴らしさがすべて込められています。
日本人は素晴らしい君主を戴いており、稀に見る幸せな民族であると言えましょう。
平成32(2020)年(皇紀2680年)の東京五輪には天皇、皇后両陛下、皇族方がお健やかであられるよう祈ってやまないのです。