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Channel: 電脳工廠・兵器(武器,弾薬)庫
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[転載]陛下と皇室財産

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陛下と皇室財産
 
 
或るとき、ある地方に大水害があったので、御手許金のうちから、数百万円を
救位のために御下賜になることになった。その手続として、必要な書類が大臣
官房から侍従職に廻ってきたので、私はそれを持って陛下のお室に参り。
ご覧に入れた。
 
 
ごらんになるや否や、陛下はすぐに裁可の印をお捺しになった
当時の数百万円は、今の時価でいうと、莫大な金額になるが、そんなことは
何とも恩っておいでにならない。すべて大臣の処置に信頼をおいておいでに
なる。
 
 
私は、その書類をいただいてお側をはなれようとして、フト、お机の上を見ると、
ちょうど、そのとき、何か調べものをしておいでになったらしく、小さな仏和辞書
がおいてある。それが、もうボロボロになって、いかにもおひきにくそうで
あったから、「陛下、その仏和辞書を新らしいのに、おかえ致しましょうか」と
お尋ねしたところ、ご心配そうに、「金はあるだらうか」とおききになる。
「ございますとも」と申上げて、直ちに書店に同じものを注文したことがあるが、
その代価は、たしか二十円足らずであった。
 
御救位金といい、仏和辞書といい、その購入財源は皆、皇室財産の収入に
よるものであるが、当時(昭和の初年)、皇室財産は森林だげでも全国に
百三十万町歩もあり、その大部分は大河川の水源地その他、交通不便な
山奥等個人経営には不適当な地方ではあったが、それでも、一定の伐採
計画に従って、年々市場に供出される木材の収入は、相当多額に上ったため、
国内の一部の論者は、皇室財産を目して、国内大財閥の一となして、とかく
批判の声を上げるし、省内でも、この問題について会議を開いたこともあった
が、私は、皇室財産は国民のための貯蓄であって、いかに多くとも心配ご
無用の一点張りで議論をおし通したことを覚えているが、
 
 
これは、あの「金はあるだろうか」の御一言のうちに含まれている
陛下のお心持ちが、ふかく身に沁みていたからこそ、躊躇なく発言し得た
私の確信であった。
 
終戦後、皇室財産の殆んど全部が、政府の所管に移ったが、
陛下としては、国民が、金が入用で自分たちの貯金を引き出した、
としか思っておいでにならないだろう。もともと、お自身のものとは、
考えておいでにならなかったのだから。
 
 
 
               元侍従次長 木下道雄著  「皇室と国民」より
 
 
    注:昭和44年に書かれたもので、昭和天皇の話である。私も聞いた
      事があるが、洋服等をつぎはぎしてお使いになられていると、
      今はどうか知らないが、さすがに周りのものが外国の賓客と会う
      時の為の洋服を作って頂いたということを、国民の為のお金は
      即お出しになるが、自分の為のものは鉛筆1本まで最後まで大切
      に使われるということを、今上陛下は手術も順調にいったようで
      何よりであるが、去年の夏節電されたと聞いていますが、今も
      暖房等節電しておられるのではと、それと御住まいはどうなん
      だろうと心配しています。断熱材の入っている御住まいなのだろうか、
      昔の古いままの日本家屋の寒い御住まいではないのだろうかと
      皇太子様達の御住まいは数メートル離れたところから見ましたが
      国民がよほど立派な家にすんでいますね。
      
 
 
 
 
 
 
 
 

転載元: サイタニのブログ


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