”ナチスの手口に学んでどうか”とする麻生氏の討論会での発言が、内外で波紋を広げているようです。麻生氏が、ナチスを礼賛したかのように報じられていますが、この発言、誤解の伝言ゲームなのではないかと思うのです。
最初の誤認は、”誰も気づかないで変わった”とする麻生財務相の発言から始まっております。実際には、ナチスは、民主的な選挙を経て政権を獲得した時から、独裁志向を露わにしておりましたので、”誰も気づかないで変わった”のではなく、国民の熱狂的な支持の元で、ワイマール憲法を無力化しました。麻生氏が、ナチスのシンパであれば、ナチス政権に詳しいはずですので、この誤りは、むしろ、麻生氏とナチスとの間には距離があることを示しています。次に誤って伝言したのは、朝日新聞等のマスコミです。マスコミは、麻生氏の発言の誤りを訂正するのではなく、”ナチスの手口に学ぶ”という部分だけを強調して、内外に向けて報じたからです。かくして、この報道に接した側は、最初の麻生氏の認識の誤りに関心を払うことなく、ナチス支持発言と受け取ることになったのです。
現在、日本国は、中国、韓国、そして、北朝鮮からの脅威に直面しており、失言に拘泥している余裕はないはずです。野党も与党を叩くチャンスとばかりに息巻いていますが、貴重な時間は、失言バッシングよりも、建設的な政治議論に費やされるべきと思うのです。
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