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高知大学名誉教授で歴史学者、「保守の会」の顧問であります福地惇先生の論文『ハリマン事件についてー日露戦争論補説』(日本戦略研究フォーラム季報より)を読んで思うところを書かせて頂きます。
まず、日露戦争後に起きたハリマン事件はご存知でしょうか。
「通説は、日本政府が米国の鉄道王エドワード・ハリマンの満鉄経営参加要求を一旦は了承しながら、直後の政府内部の事情変更で一方的に拒否したことが、米国の日本への感情を悪化させた。これが起点になり、34年後に起こる日米戦争の遠因となったと、実に俗耳に入りやすい説明をするので、人々の常識になっている」と福地先生は書かれております。続いて次のように書かれております。
「例えば、外交評論家の岡崎久彦氏は『あの時に、日本がハリマンの提案を受けていたならば、二十世紀の歴史はまるで変わっていたでしょう。アメリカの極東外交は・・・日本をパートナーとして共同で満州経営を行う形をとったでしょう』(同氏『百年の遺産』114頁)と推論している。また、平明な歴史読み物で人気の渡辺昇一氏は、『ハリマン構想の破棄は、その後の日米関係を決定し、また日本の開戦をも決定したということができる。・・・ハリマン構想が実現していればアメリカは日本人移民をあれほどまでに敵視することはなかったろうし、それどころか満州国建国をもアメリカは支持したと考えられるのである』(同氏著『まさしく歴史はくりかえす』227頁)と論断している。しかし、両氏の主張は、ハリマン事件の本質を見抜けない妄説であると言わざるを得ない。」
最近、歴史の本でよく出てくるのが「小村寿太郎が桂・ハリマン覚書を破棄した判断は誤っている。あれを受けておけば戦争にならなかった」ということです。
福地先生はこう書いています。
「もしも、ハリマン構想に日本が応じていたならば、いち早く日本はNOW(ニュー・ワールド・オーダー)勢力の支配下に置かれ、合法的な国富搾取と労役略奪の対象にされ、シナ・朝鮮とともに衰亡していただろう」
つまり、ハリマン構想で怒ったのはアメリカというよりも、アメリカ政府の主導権を握る国際主義者であり、彼らがコミンテルンを使ってアメリカと日本の関係を悪化させて、支那事変、大東亜戦争、そして敗戦に導き、占領政策で日本を潰しにかかったのです。福地先生はこれを「グローバル勢力側の軍団である連合国軍の対日戦争は、日本民族殲滅戦争だった」と断言しています。
ロシア帝国内には多数のユダヤ人が住み、迫害されていたため、ハリマンの鉄道世界貫通は鉄道を運行してユダヤ同胞を救う夢の計画でありましたが、破棄されたために日本は標的になったのでありましょう。
いずれにせよ日本の選択肢は白人の植民地になるか、民族の誇りをかけて戦うかであったのです。植民地になれば何百年もそれが続く可能性があり、日本民族は浄化され、國體を護持することさえできなかった可能性があります。
そう考えれば日本が進むべき道はただ一つであったかもしれません。たとえそれが敗れたとしても先人達が命を捧げて戦ってくれたお陰で今の日本があるのは間違いありません。
そして福地先生は最後にこのように言っています。
「敗戦、そして占領改革から経済構造改革、TPPへの流れは、一見紆余曲折しているが、実は一直線の流れである。我々は、この長期的な恐るべき状況を深く認識すべきである」
安倍総理はどこまでできるか・・・