【北の船舶押収】
キューバ「北で修理」 拿捕船舶から武器、釈明
2013.7.18 07:05（産経）
【ニューヨーク＝黒沢潤、ワシントン＝小雲規生】キューバから北朝鮮に向かう途中、パナマ当局によって拿捕（だほ）された北朝鮮船舶に積まれていた武器について、キューバ外務省は１６日、２０世紀半ばの老朽化した旧ソ連製の武器で、北朝鮮に「修理」を依頼するため輸送していたと釈明した。
外務省の声明によれば、船に積まれていたのは、２つの対空ミサイル装置▽解体された９つのロケット砲▽２機のミグ２１戦闘機－など。
声明は「どの武器も、自衛能力を維持し、国家主権を守るために必要だ」「キューバは国際法を尊重している」と主張、キューバ保有のもので、北朝鮮に兵器を供与する意図はなかったと訴えた。
しかし、ミサイルなどは砂糖の積み荷の下に隠すように置かれており、北朝鮮国籍の船長が自殺を図ったことなどからも極秘の運搬だったことがうかがえる。
パナマのムリノ治安相は「国連安全保障理事会の専門家たちを（現場に）派遣してもらいたい」と述べ、武器の特定に向けて国連による早期の調査開始を訴えた。一方、軍事情報大手のＩＨＳジェーンズは、公開された写真を分析した結果、積み荷の一部は、東西冷戦時に東側陣営に配備された地対空ミサイルＳＡ２の射撃管制用のレーダーだと発表した。
一方、米国務省のベントレル報道部長は１６日の会見で、パナマ当局の対応を「称賛する」と発言。「あらゆる武器や武器に関連する物品を北朝鮮に輸出しようとすることは国連安保理決議に違反する」と述べた。
ロイター通信によれば、今回拿捕された船は、２００９年にロシア海軍施設のあるシリア西部タルトゥースに寄港した後、小型武器と麻薬を積んでいたことから１０年にウクライナ当局によって拿捕されていた。
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北朝鮮へのミサイルなどの供与は国連安全保障理事会による制裁決議で禁じられている。声明は「わが国の主権を守るため、防衛能力を維持する必要がある」として、北朝鮮に供与するために運んでいたのではないと強調した。
声明は積んでいた武器はすべて「前世紀半ばに製造された古いもので、修理後にキューバに返還される予定だった」と説明した。
パナマ政府は15日、北部コロンの港で、北朝鮮の船が「無申告の軍事物資」を積んでいるのを発見し、船長と約３５人の乗組員を拘束したと発表。乗組員は抵抗し、船長は自殺を図った。（共同）
16日、パナマ・コロンの港で拿捕された北朝鮮の貨物船（ロイター） A tugboat is seen next to North Korean container ship ''Chong Chon Gang'' at the Manzanillo International Container Terminal in Colon City July 16, 2013. (REUTERS/Carlos Jasso)
Panamanian workers stand atop sacks of sugar inside a container aboard a North Korean-flagged ship at the Manzanillo International container terminal on the coast of Colon City, Panama, Tuesday, July 16, 2013. (AP Photo/Arnulfo Franco)
■対話の裏で国策推進の北朝鮮、物資調達で新ルート
キューバを出航した北朝鮮船舶からパナマ当局がミサイル関連機器を押収した問題は、金正恩（キム・ジョンウン）政権が国際社会に対話姿勢を示す一方で依然、ミサイル開発を推進している一端を浮き彫りにした。中国を含め、ミサイル開発に対する“国際包囲網”が狭まる中、北朝鮮が関連物資の新たな調達ルート開拓に向けた動きを加速させている可能性もある（桜井紀雄）
「同じ塹壕（ざんごう）の仲間、すなわちキューバの同志諸君に会うためにきた」。６月末にキューバを訪問した金格植（ギョクシク）朝鮮人民軍総参謀長はこう強調したという。
北朝鮮とキューバは、かつてキューバから砂糖を、北朝鮮から銃器をそれぞれ輸出するバーター貿易で知られ、今も軍事交流を続けている。金氏は韓国哨戒艦撃沈や延坪（ヨンピョン）島砲撃を主導した強硬派で金正恩第１書記の側近とされ、軍トップがキューバを訪問した理由をめぐり関心を集めていた。
長距離弾道ミサイル発射や３回目の核実験後も挑発行為を続けた北朝鮮だが、４月以降、米に対話条件を示したり、飯島勲内閣官房参与訪朝を受け入れたり、南北協議を再開したりするなど対話攻勢に転じた。
ただ、正恩政権が掲げる最大の対話条件は「核保有国」と認めること。３月末には経済再建と核兵器開発を両立させる並進路線を打ち出し、むしろ核ミサイル開発を加速させているとの見方が強い。
一方、６月の米中、中韓両首脳会談で、「北朝鮮の核保有を認めない」立場で一致するなど、日米中韓は核ミサイル開発への圧力を強めている。
特に、昨年６月にミサイル発射台車両の輸出が発覚するなど、これまで陰で核ミサイル開発を支えているとみられてきた中国が、船舶の貨物検査を義務付けた国連安全保障理事会の対北制裁決議に応じ、中国銀行の北朝鮮関連口座を閉鎖するなど“実力行使”に出た影響は大きい。
北朝鮮情勢に詳しい消息筋は「軍トップの訪問直後にミサイル関連物資の密輸が発覚すれば打撃が大きいはず。それだけ国際包囲網に対する正恩政権の焦りがうかがえる」と指摘する。
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積荷が旧式ミサイルなどだったことから、「なぁんだ、旧式兵器か」と馬鹿にするのは良くないです。旧式兵器までを欲しがっているということは、開戦の準備をしている、と私は見ます。旧式は旧式として、それなりの用途があります。
そのうち、監視衛星が軍の大規模な移動をキャッチしたら、直ちにソウルを脱出すべきです。
もし戦争にならないとしても、経済は破綻して治安はますます悪くなります。
何事もなく脱出できるのも、今のうちではないでしょぅか。