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先日、歴史学者で、新しい歴史教科書をつくる会副会長の福地惇先生から連絡があり、2月に地元で設立した「保守の会」の9月の講演会に田母神俊雄元航空幕僚長を講師にお招きするのにご紹介を頂きました。その時、福地先生は井上日召のことを言われました。井上日召といえば昭和7年の血盟団事件ですが、ある時期、私は二・二六事件について、「これはただの青年将校の事件ではない、何か裏にある」と考えるに至り、自分なりに研究してみた時期がありました。この時に井上日召や血盟団事件のことも多少なりに調べてみました。ここでは長くなるので述べませんが、これも単に井上準之助や団琢磨の殺害した殺人者という視線だけでは捉えることのできない事件であります。
その時に読んだ井上日召の著書『一人一殺』(今では手に入らないようですが)に書かれていることです。これを読むと井上日召がどのような人物かは理解できると同時に、60年以上経った今でも正しいことであると評価できるものであります。
戦後の東京裁判で井上が呼び出された時のやり取りの場面です・・・・・。
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私は市ヶ谷の陸軍省後に設けられた国際裁判所に呼び出された。
以来、検事に呼ばれて取り調べを受けたのが前後を通じて27回、私の方から押しかけていったことも数回ある。
某検事は『日本の侵略戦争に対するあなたの責任感を問う』といきなり斬り込んできた。
私は『質問に答えるために予備知識を必要とするが、質問をしてもよいか』
『よし、どんなことでも質問してよい』
『では尋ねるが、地球は誰が作ったんでしょう。英国ですか?米国ですか?』
検事はアッと驚いて、たちまち顔を真っ赤に変じ、
『何をバカなことを言うか!地球を作ったものは世界中にあるもんではない。すべての人間は、英米に限らずみな地球上に生まれたものだ。誰が地球を作ったんでしょうなんて、君は故意にふざけた不真面目なことを言うつもりか』
『そうではない。極めて真面目にお尋ねしている。地球は誰の作ったものでもない。私もあなたと同感なんだ。そこで問題がある。地球は誰のものでもない。どこの国のものでもない。それは英米日独という強い連中が寄ってたかって争奪し合ったんだ。それだから、日本語で言うと「泥棒ごっこ」をしたんだ。そして、勝った大泥棒が負けた小泥棒を今盛んにいじめている。それがつまり国際裁判だ。日本の侵略戦争を云々するならば、英米だってやはり侵略戦争をやったんだ。それを一方的に責任感を問うとは何事か!真面目に押し問答する価値がない』と言ったら、彼氏怒ったの怒らないのじゃない。机に両腕を突っ張り、地団駄を踏んだ。
ある検事は私を前において、日本の天皇制がいけない、と糞味噌にけなしたあげく、『ミスター日召、君は天皇制についてどう思うか?』と聞いた。
私は彼の話にムカムカしていたので、
『われわれ日本人は天皇制なんていう制度があって天皇を戴いているんじゃないんだ。天皇制なんてものは、国際的には共産主義者、国外的には君らがやって来て言い始めたんだ。われわれ日本人は天皇制という言葉さえ考えもしなければ、もちろん使用もしなかった。
天皇と国民との関係は親子同様の関係である。つまり親に非ずして親の分を尽くすがゆえに「大御親」と申し上げる。子に非ずしてこの分を尽くすゆえ「陛下の赤子」と呼ばれる。のみならず、歴史の事実が示すように始めから天皇と国民は一体で、ただおのおの使命を異にするがゆえに配置を異にした。
いかなる集団でも必ず中心、分派の関係から成り立つ。そこで、天皇が任運自然に中心として国民から推戴されたんだ。だから、後に支那から文字が輸入されてからも「君臣一体」という文字で日本國體を表現してきた。
君らは出稼ぎ人の寄り集まりだから、誰が中心だ、親分だと言うこともなく、みんな五分五分の者ばかりの社会だが、その社会でも、やはり中心が必要なので、入札で親父を決めるというようなことはしなけりゃならぬのだ。
わが日本社会ではそんな必要がないんだ。始めから親父があるんだ。つまり日本は世界唯一無二の大家族国家だ。社会の単位が家庭である以上、国家は当然家庭の発展的形態であるがゆえに、大家族国家が本当の國體なのだ。君らの国々はみんな生活上の利害得失を基とする功利主義国家で、本当の國體ではない』、と
一気に言い立ててやったら、これもひどく怒ったが、理の当然には敵せぬと考えたのか、次回からはたいへん鄭重になった。
連合国は日本の民主革命を達成するために、わが国古来の家族制度を破壊しようとした。その下心をもって、それとなく私の意見を聴取しようと試みた。
ある検事が、『社会の単位は家庭だ』と言った。
私は『ウム、そうだ』とただちに同意した。
彼は『しかるに、日本の家族制度は言語道断だ。まるで家庭をなさない』と、戸主の独裁専横をこき下ろした。そこで私は訊いた。
『では、君らの家庭はどんなもんだ?』
『家庭とは同等の権利義務を持った一人の男と一人の女の共同生活だ』
『そんなバカなことはない。もし君の言うように共同生活だと仮定するならば、一家の経費が月千円かかるとして、男も五百円出し女も五百円出し、寝室を異にして暮らしたとする。それでも立派な共同生活ではあるが、それだけでは子供は生まれるはずがない。子供が生まれなければ家庭は滅亡だ。ついに社会国家は滅亡だ。家庭も社会も繁栄してゆくというのは、その単位であるところの一人の男と一人の女がときどき一体となり、それでそこから子供が生まれてゆくからだろう。本来一体のものが使命を異にするがゆえに、一は男と生まれ、一は女と生まれ、その一体調和において人間の生産がある。だから、日本では「夫婦共同」だなんて言わないで「夫婦一体」と言う。家庭とは同権の男女の共同生活などと君らの言うようなそんな浅薄なものではない。それとも、米国では男ばかりで産んだ子供があるかね?また女ばかりで産んだ子供があるかね?』と、こっちは笑いながら言ってやったら先方は蒼くなってしまった。
『ミスター日召、皇道について君はどう思う?』とある検事が訊いた。
彼らの見解によれば、皇道は「八紘一宇」を呼号する世界侵略の指導原理である。私は答えた。
『さよう、私も皇道主義者といってよいが、私のいう皇道は、日本軍閥が言っていた、あんな皇道とは違う』
『では君の皇道とは何だ?言ってみたまえ』
『そんなことが言えるもんか!軍閥は皇道がわからぬから、でたらめを言ったんだが、あんなのは皇道でも何でもない。私は本当の皇道を信行するものなんで、皇道の本質はわかればわかるほど、言うことも書くことも出来ないんだ』
途端に検事は怒りだした。
『わからないから表現できないというのなら承知する。それを、本当にわかっているから言えないというのは誤魔化しだ!そんな詭弁はここでは通らぬ!』
『そうか。そんなら君に尋ねることがある。君、リンゴ食ったことがあるか?』
『ある』
『味はわかってるか?』
『もちろんわかっているが、それがどうした!』と、検事は烈火のごとくになって怒鳴る。
『偉そうにでかい声を出して言うが、リンゴの味がわかっているなら言ってみたまえ!』と、こちらもでかい声を出して言うと、検事の顔色がサッと蒼ざめて、ウンウン唸りながらだんだんうなだれてしまった。
『さあ、わかってるならば言ってみたまえ』と、たたみかける。
『・・・・・・・・』
『どうだ、言われないだろう。ものの本質というものは、わかればわかるほど表現する言葉も文字もないもんだ。それをいっぺん戦争に勝ったくらいのことで、大きな顔をして無礼至極な態度で我々を侮辱するが、少し落ち着いて反省してみたらどうかね?』とやっつけると、相手は残念無念の形相をして口惜しがった。
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日本は侵略戦争であったのか、また昔から日本人は天皇制とは言わなかったことや我が國體に対する考え方、家族や夫婦の在り方など、今、読むといちいち納得いくのではないでしょうか。
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