(グラフは投資機関の資料をお借りしました)
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急に秋らしくなってしまい、何故か寂しさを感じていますが、もっと寂しさを感じる報道が昨日ありましたので、以下に引用いたします。
新規国債「増やさない」=民主・鳩山代表
8月23日12時13分配信 時事通信
民主党の鳩山由紀夫代表は23日午前、テレビ朝日の報道番組に出演し、政権を獲得した場合の来年度の国債発行額について「(今年度より)増やさない。増やしたら国家が持たない」と述べ、縮減に努める考えを示した。
鳩山氏は「(国債発行額を)増やしておきながらこの程度の経済で、GDP(国内総生産)が戻ったと喜べる話ではまるでない」と述べ、政府の国債増発が景気回復につながっていないと指摘。
その上で「われわれとすれば(予算の)使い方をもっと正しい方向に変えていく。暮らしを良くすることで景気を導くという発想に変えることで、借金を増やさないで済む」と強調した。
このニュースを見て、今月30日の衆院選投票日に実現するであろうと言われている民主党政権が成立したら、来年からの日本経済はお先真っ暗だと愕然とした思いになりました。
もとより鳩山代表に経済感覚を期待してはいませんでしたが、ここまで音痴だとはさすがの見通しの甘い不肖敬天愛人でも想像だにしておりませんでした。
どうしても国債を話題にするとネガティブな感覚をお持ちの方が多いので、あまり本ブログの記事に取り上げたくないのですが、一応劣等性だったとはいえ経済学部出身の人間として、あえて反論を恐れずこの話題をエントリーしたいと思ったのは、この鳩山さんの発言はかなり深刻な問題になるからであります。
鳩山氏は、エセ経済学者やマスコミの言葉を鵜呑みにして『国債=悪』と思い込んでいるようです。これは、何も鳩山さんだけでなく大多数の人々が思い込んでいることなのかもしれません。
それは、私が以前読んだ本である、文京学院大学教授の菊池英博氏の著書『実感なき景気回復に潜む金融恐慌の罠』の中の言葉を借りると「蔓延する感情・感覚論」に過ぎないということなのです。
鳩山氏がいう『暮らしを良くすることで景気を導く』とは「税収が増える経済」にするということであります。
新たに国債を増やさないということは、政府の財源として税収を上げるしかありませんから、好景気を作り出すか大増税かしかありません。
しかし、簡単に好景気が作りだせるなら誰も苦労しないでしょう。
現実の経済をみれば簡単に分かることです。アメリカやヨーロッパは金融工学という禁じ手を使って無理やりにバブルを創出し、実態経済が伴わない空想経済で破綻しました。
そうすると、鳩山さんが仰る「暮らしを良くする」ための具体的な方策は?と素朴にお聞きしたくなるのであります。
この現状において国債を発行しないで景気回復を果たす方法があるのであれば、それこそノーベル経済学賞をもらえるでしょう。
国債を発行するということは、政府が国を運営するための財源の確保と同時に国の経済を刺激するために真水を加えることであります。
世界の買い手であるアメリカの経済がほぼ破綻し、それに追従して来た世界各国が経済恐慌に陥っている今、外需に期待できない以上、世界第2の買い手である日本の内需を拡大しないかぎり、世界経済が本当の意味での経済復興をなすことができないのです。
アメリカが悩んでいるのは、一方的な買い手であった国内消費が収縮に移行したため、経済立て直しができないでいるのです。
世界で実質的な唯一の富裕国家である日本が内需を拡大すればアメリカは日本の内需に対する外需によって立ち直ることが早まるのであります。
これがグローバル経済なのです。
良くも悪くも日本経済はアメリカ・イギリス・フランス・ドイツとの日米英独仏の5ヵ国の経済との連携で成り立っているのです。
つまり、買い手があって売り手があるというのが『需要と供給』という経済の当たり前すぎる基本ですから、国内市場という内需(=需要)を持っているのがこの5ヵ国であり、中国・インドを中心とした新興国はまだまだ売り手(供給)に過ぎないのです。
冒頭のグラフでお分かりのように、日本の個人の現預金と負債の割合は他国に比べて抜群に高い数字になっています。他国は、ドイツがかろうじて黒字ですが、アメリカ・英国・フランスは個人も会計赤字状況となっています。
これをもっと分かり易く表現すれば、各国を企業として例えると、ドイツが何とか自己資本が他者資本(負債)を上回っている(=自己資本比率が+)だけで、米・英・仏は他者資本が上回る(=自己資本比率が-)の状態であり、日本がキャッシュフローの原資である内部留保を莫大に持っていて自己資本比率が圧倒的に高く、いかに健全経営の企業であるかお分かりいただけると思います。
国家の場合は、国の資金を国民(個人法人問わず)に循環することで国の経済(=GDP)を活性化させて国家の運営をしなくてはなりません。
しかし、現況は冒頭の表の通り、国民も債務超過のため政府が資金を回しても債務の減債に充てられるだけで経済の成長を促すことができません。
また、国民が債務超過ということは政府は国内での資金調達はできませんから外国から資金を調達する、つまり、外債を発行して資金を調達するしかないのです。
でも、日本の場合は国民は債権超過ですから、政府が国内で資金を調達(国債)することが可能であり、さらにその真水をふんだんに公共事業などに投資をして国内経済を活性化することができる唯一の国なのです。
政府も国民も借金しかない国が多い中で、日本は国民の資産が豊富なのです。
それも経済動向に左右されない現預金の割合が過半を占めているのです。
もう一度菊池先生の著書から言葉を借りると『なぜ政府は緊縮財政を継続するのだろうか。
それは日本が財政事情を「粗債務(借入金額)だけで見ているからだ。
しかし、日本政府は多額の「金融資産(二〇〇六年一二月末の推計ではGDPを上回る五三〇兆円)を保有しており、「粗債務」から「金融資産」を引いた「純債務」で見れば、日本政府の債務負担率(GDPに対する政府債務の比率)は決して危機的ではない。
…一般に、一国の財政支出能力を正しく評価するためには、粗債務ではなく、純債務で見なければならない。
それが国際的な共通認識である。…とりわけ日本のように、金融資産がGDPを上回る国(他の主要国はGDPの一〇~一五%に過ぎない)の場合、粗債務だけでは財政事情は判断できず、純債務で判断すべきことは明らかである。』ということなのです。
今回のエントリーは1回で終わるにはまだまだ消化不良なので、連載記事として後日、改めて続きを書きたいと思います。
鳩山は経済を何も分かっていない!
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(ねずきちのひとりごと)>
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