両陛下に誕生日のあいさつのため、宮城(皇居)へ参内あそばされる皇太子殿下 御尊影=23日午前、皇居・半蔵門
皇太子殿下のお誕生日に皇室の彌榮を祈ります。
皇太子殿下におかせられましては、畏くも、天皇、皇后両陛下に53歳の誕生日を迎えたあいさつをなされるため、宮城(皇居)・御所に参内あそばされた。
東宮御所に戻られた後は、秋篠宮殿下、同妃殿下ご夫妻をはじめとする皇族方、風岡典之宮内庁長官らから祝賀のあいさつをお受けになられた。
夜には畏くも両陛下を東宮御所に招いて夕食を共にあそばされる。
皇太子殿下記者会見(於、東宮御所 皇紀2673年2月21日)
皇太子殿下記者会見要旨
(問1)東日本大震災から間もなく2年となります。アルジェリアでイスラム武装勢力による人質事件が起き、日本人10人が犠牲になりました。ロンドン五輪での日本人選手の活躍や山中伸弥・京大教授のノーベル賞受賞といった明るい話題もありました。ご自身は東南アジア3カ国公式訪問など忙しい日々を過ごされました。この1年を振り返り、印象に残った出来事をお聞かせください。
(皇太子殿下)東日本大震災から約2年がたちましたが、亡くなられた方々や被災された多くの方々を思うたび心が痛みます。厳しい冬を迎える中、いまだ数多くの方々が仮設住宅での困難な避難生活を送られています。復興の道のりは長く、被災者の中には高齢者の方々もおられ、厳しい暮らしが続いていることを深く案じております。仮設住宅での困難な生活や、放射能汚染による避難を続けられている方々をはじめとして、被災者の方々が安心して暮らせるよう、一日も早く復興が進むことを心より願っております。
同時に、東日本大震災は、わが国国民の忍耐力や共助の心を国の内外に示し、人と人の絆を強めました。わが国から防災の知識と経験がさまざまな形で発信され、世界各国で生かされています。
2月初旬には、雅子とともに国立劇場で、震災復興支援の一環として行われた東北の民俗芸能公演を鑑賞し、出演者や関係者の方々とお会いする機会がありました。600年の歴史を誇り、地域の人々の心のよりどころとなっている伝統芸能を守り、活動していこうとする保存会の人々のすばらしい公演を鑑賞し、震災に立ち向かいながら、伝統を守り続けるひたむきな姿に心を打たれました。引き続き、東北の方々の復興に向けた取り組みを、国民が心を一つにして支えていくことが大切です。これからも雅子とともに、被災地の復興に長く心を寄せていきたいと思っております。
また、この1年、いじめや体罰など子どもの教育の問題に改めて関心が集まりました。将来を担う子どもたちが健やかに成長し、若い世代が国の内外で自信を持って活躍し、女性、高齢者、障害者を含め、すべての人々が社会に積極的に参画できるような活力のある社会を構築するために、国民全体が世代を超えて協力することが期待されます。私自身、今年も国の内外で、若者やボランティアの方々など多くの方にお会いしたいと思っています。
昨年はロンドン五輪やパラリンピックなど、世界の連帯を示す行事があった一方、残念ながら一部の国や地域では武力紛争が継続し、多数の犠牲者や難民が発生しています。わが国の女性ジャーナリストも犠牲になりました。北アフリカにおいてはリビアで米国公館への襲撃により米国大使などが殺害され、アルジェリアでは天然ガス関連施設が襲撃を受け、邦人を含め多数の外国人が犠牲になる痛ましい事件が起こりました。
世界の最前線の厳しい環境の中で途上国の発展や平和のために尽力されている方々が犠牲になられていることに、深く心が痛みます。このような事件が二度と起こらないように願っています。
科学・技術の分野では、山中教授がiPS細胞技術による創薬や再生医療を通じ、患者の方々を救いたいとの強い思いを語られたことが深く印象に残っています。そのような志をお持ちの山中教授がノーベル賞を受賞されたことを大変うれしく思いました。
昨年6月にタイ、カンボジア、ラオスを訪問し、各国の王室、政府、国民の方々との交流を深めました。タイのアユタヤ、カンボジアのアンコールワットなどの史跡を訪れ、各国の長い歴史と、我が国との交流に思いをはせるとともに、各国における文化財の保存などにわが国の関係者が日本の経験や知見を生かしながら長年かかわられていることを目の当たりにし、文化面を含めたわが国と各国との幅広い交流の重要性を再認識しました。
本年は日本スペイン交流400周年にあたり、スペインのフェリペ皇太子殿下とともに名誉総裁として両国の交流が深まるよう協力していきたいと考えています。
私は来月初旬にニューヨークの国連本部で開催される「水と災害に関する特別会合」で基調講演を行う予定です。
人類は水なしには生きていくことができません。しかし、水は同時に災害の原因にもなり、世界各地で多くの生命や財産が失われています。東日本大震災では多くの尊い命が津波で失われました。私は国連「水と衛生に関する諮問委員会」の名誉総裁として昨年来、日本における水災害の歴史を、古い記録や文書(もんじょ)をひもとき、当時の災害がどのような状況であったか、人々がどう対応し、復旧・復興がどのように進められたかについて探る研究を進めております。日本の過去の例は、世界各地で起きる水災害への対応や対処の仕方に一つのヒントを与えるものと思っています。日本の経験と教訓を世界に伝えていくことができればと思っています。
国連はミレニアム開発目標で「2015までに、安全な飲料水と基礎的な衛生施設を持続可能な形で利用できない人々の割合を半減させる」という目標を掲げています。国連「水と衛生に関する諮問委員会」の活動期間が延長され、私の名誉総裁の任期も2015年まで延長することを昨年末に引き受けました。私の専門分野である歴史の研究活動を生かし、「水と衛生」や「災害」の問題に取り組んでいきたいと思っております。
(問2)6月に結婚20年を迎えられます。皇太子妃雅子さまとともに歩まれた結婚生活を振り返っての感想と、雅子さまや愛子さまへの思いをお聞かせください。
(皇太子殿下)年月のたつのは早いもので、結婚してからもう20年かと思うと、とても感慨深いものがあります。夫婦でさまざまなことをともに経験し、支え合ってきました。愛子も昨年12月に11歳になり、健やかに育っていることをうれしく思い、今後の成長を楽しみにしています。
雅子には苦労も多かったと思います。私を助けてくれ、力になってもらっていること、母親として様々な気配りをしながら愛子の成長を見守り支えてくれていることに、心から感謝しています。
天皇、皇后両陛下には、お心遣いをいただきながらお見守りいただいておりますことに感謝申し上げます。国民のみなさまより私たち3人に温かいお気持ちを寄せていただいておりますことに、心より感謝の気持ちをお伝えします。
(問3)雅子さまが療養に入られて10年目となりました。昨年は公務での地方訪問はありませんでしたが、東宮職医師団からは、昨年9月以降少しずつ疲れが取れ、徐々にご自身の活動に取り組まれているとの見解が示されました。雅子さまが療養に入られてからの日々を振り返り、どのような思いをお持ちですか。最近のご様子、公務復帰への見通しもお聞かせください。
(皇太子殿下)雅子への気遣いをうれしく思います。雅子は周りの方々からのご協力を得ながら、快方に向けて精いっぱいの努力を続けております。
この10年、雅子は体調の波がある中で、公私にわたってできる限りの活動をしてきました。そばで見ていると、心身の不調を抱えながら生活していくことの大変さがよく分かります。
雅子は工夫をしながら活動の幅を広げ、東日本大震災をはじめさまざまな出来事に心を砕き、困難な状況に陥っている人々の生活が少しでもよくなるよう心を寄せてまいりました。東宮御所内の仕事で私を支え、愛子の成長にも心を配り、愛子が充実した日々を送るようになっていることをうれしく思っています。
雅子は一昨年後半から昨年にかけていろいろな疲れが出ておりましたが、最近はその疲れも少しずつとれてきているように思います。確かに快方に向かっておりますが、さらに療養が必要です。健康の回復を最優先にし、体調を整えながら、あせらずに少しずつ活動の幅を広げていってほしいと思います。引き続きみなさま方にも、安心できる環境作りの面でご協力をお願いし、雅子の回復を長い目で温かく見守っていただければと思います。
(問5)天皇陛下の心臓手術から1年がたちました。今年80歳になられる陛下の公務のあり方をどのようにお考えですか。手術前後やご回復の過程で、陛下や皇后さまとどのようなお話をされましたか。将来天皇になられるお立場から、公務をどのようなものとお考えですか。
(皇太子殿下)天皇陛下には昨年2月のご手術の後、順調にご快復になられていることを大変うれしく思っております。天皇陛下のご快復への強いお気持ちと皇后陛下の献身的なご看護がおありになったことと思います。
ご手術にあたり陛下には、3月11日の東日本大震災1年の式典へのご出席を念頭に置かれて手術の日取りをお考えになられましたが、式典にご出席でき、ご安堵(あんど)されたと思います。
先生方にはよく準備され、陛下も安心して手術に臨まれ、関係者の尽力を深く多としておられ、私も感謝したいと思います。私も雅子も、ご手術のご成功と順調なご快復を心からお祈りしておりました。臨時代行を務めたことに対して、陛下からは温かいおねぎらいのお言葉をいただきました。
陛下のご公務については、ご自身が昨年のお誕生日の記者会見に際し「負担の軽減は、公的行事の場合、公平の原則をふまえてしなければならないので、十分に考えてしなくてはいけません。今のところしばらくはこのままでいきたいと考えています」と述べられています。お仕事の一つひとつを心から大切にされている陛下のお気持ちを大切にしたいと考えますが、同時に陛下のご年齢を考えますと、ご負担の軽減は必要と思われます。どのような形で軽減が可能なのか、ご出席になられる公的行事の数を大きく減らさないとしても、個々の行事のご負担を少なくする方法を考えるなど、周りがいろいろと考え、お助けしていくことは必要だと思います。私も少しでもお役に立つことがあれば、喜んでお力になりたいと思います。
公務については、過去の天皇が歩んでこられた道と、天皇は「日本国そして国民統合の象徴である」との日本国憲法の規定に思いをいたし、国民と苦楽をともにしながら国民の幸せを願い、象徴とはどうあるべきか、その望ましいあり方を求め続けることが大切であると思います。
これまで行われてきている公務を踏まえつつ、将来にわたり生じる日本社会の変化に応じ、公務に対する社会の要請に応えていくことが重要と考えております。私も常に学ぶ姿勢を忘れず、他人への思いやりの心を大切にしながら、世の中のためにできることを心がけてやっていきたいと思っております。
投稿文字数に制限がありますので抜粋させていただきました。
畏くも天皇陛下、皇后陛下、皇族方がお健やかなることを衷心より願い、皇室の彌榮を心より祈り捧げます。
皇尊 彌榮 彌榮 彌榮
日本國民(やまと民族)は皇室と共に・・・・
天皇陛下、皇后陛下 萬歳 萬歳 萬歳
皇太子殿下、妃殿下 萬歳 萬歳 萬歳
皇太子殿下、妃殿下 萬歳 萬歳 萬歳