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25年度概算要求 自衛官削減に歯止め 昨夏要求比 1200人増

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1/17日付
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25年度概算要求 自衛官削減に歯止め 昨夏要求比 1200人増

 防衛省は1月11日、17年減員が続いていた自衛官定数を平成24年度の水準に凍結することなどを盛り込んだ25年度予算案の概算要求を公表した。事務官等については「東日本大震災で重要性が再認識された」として、駐屯地や基地、地方防衛局などの現場を中心に追加の増員要求を行う。要求総額は前年度当初予算比1000億円超増の約4兆7500億円規模と見込まれ、11年ぶりの増額となる。

7年度以来18年ぶり 事務官は増員

 自衛官定数は、今回の概算要求で減員にようやく歯止めがかかり、概算要求ベースでは民主党政権下の昨年9月策定時に比べ、全体で実質414人増(即応予備自衛官を含め1212人)の増員となる。
内訳は、陸自1220人増(常備自衛官422人、即応予備自798人)、海自13人増、空自13人増。逆に減員となるのは、共同の部隊26人、統幕8人。情本は増減なし。
 防衛省では各種事態に対応する即応性の向上を目指し、「自衛隊の充足」を一番に掲げており、事務官等についても全国の部隊で後方業務に従事するなど防衛力の一端を構成するとして、事項要求の形で増員を要求している。
 このほか事項要求では、隊員の練度向上に向けた教育訓練態勢の充実強化を目指し、日米共同演習の規模拡大のほか、部隊訓練や学校などにおける課程教育のための器材整備を行う。
 主要項目では、「各種事態に対応する即応性の向上」を掲げ、E767早期警戒管制機やE2C早期警戒機の運用拡大を支えるための燃料費、修理費、通信維持費等を確保する。
 「領土・領海・領空の防衛」については、潜水艦用の広帯域受信機の整備、音響情報分析機材の整備のほか、短波レーダー等の警戒監視技術に関する調査研究、南西地域における空自の運用態勢の充実・強化に係る調査研究、諸外国におけるティルト・ローター機(オスプレイ)の開発・運用等に関する調査研究――などを挙げている。
 「大規模・特殊災害等への対応能力の向上」として、各種事態への対処拠点となる駐屯地、基地の機能維持・強化のため、耐震改修を促進。海自のMCH101掃海・輸送ヘリ用の整備器材を取得する。各省庁からの概算要求は11日で締め切られ、今後は1月下旬の政府予算案決定に向け、財務省との折衝が行われる。
 

1/17日付
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防衛費10年のツケ

 「切るのは慣れっこだが、盛るのは不慣れで…」
 11年ぶりに増額された防衛予算に自衛官ОBはこぼすことしきり。右肩上がりだった時代を身をもって体験したことのない現役世代は、予算の盛り込み方を知らない、というのだ。
 1000億円増額の初体験に今、幕の班長クラスたちが右往左往しながらも諸先輩の手ほどきを受け、予算を積み上げているという。
 ОB曰く「昔は○○整備構想など、各課横断的なプロジェクトを作って予算要求していた」と振り返る。
 「切る、削る」という「モノ」の話だけではない。切られるのが当たり前という卑屈な感覚が、大きな障害になると指摘する。例えば、補正で予算を取れば本予算では当然減らされるものだという「前例」の呪縛。一方で中国の軍事費は過去24年間で約30倍に拡大。増強された軍備をテコに、尖閣諸島など東シナ海での活動が顕著だ。
 「今、そこにある危機」への対応が急務の日本にとって、10年間のツケは意外に大きいのかもしれない。
 

1/17日付
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「しらせ」接岸断念 2季連続 昭和基地氷状厳しく

 電動ドリルを厚い氷に貫通させ氷状調査する「しらせ」乗員(1月9日、海上自衛隊提供)
 南極の昭和基地を目指して航行中の海自砕氷艦「しらせ」(1万2650トン、艦長・松田弘毅1佐以下約170人)について、文部科学省南極地域観測統合推進本部は1月11日、「現地の氷状および今後のスケジュールを勘案し、昭和基地沖への接岸を断念した」と発表した。接岸を見送るのは昨年の53次観測隊支援に続き2季連続。
 「しらせ」は現在、昭和基地の北西約18キロ(南緯68度53分、東経39度15分)の位置にあるが、現地は氷厚5メートル、積雪1メートルで砕氷航行が非常に難しく、同10日、「しらせ」の松田艦長と54次南極観測隊の渡邉研太郎隊長が協議した結果、「接岸断念」を決断した。
 「しらせ」は観測隊向けに物資1084トンを積んでいるが、接岸断念でパイプラインによる燃料輸送などが不可能となったため、今後はCH101輸送ヘリと雪上車により、観測隊に必要な630トンの物資を1月末までに昭和基地に輸送する計画だ。
 しかし、氷上は水浸しの状態で雪上車とソリによる輸送ができないため、1月10日から、CH101輸送ヘリ1機と観測隊のヘリ2機による輸送を開始している。順調に進めば、27日までには終了する見込み。
 艦上では、乗員と観測隊員がコンテナから貨物を取り出し、荷づくりをしたり、燃料をドラム缶に詰めてヘリに搭載するなど、白夜の中で作業は続けられている。今回の「しらせ」のチャージング回数は、往路では計1514回(昨年は計2422回)。当初は1月12日をめどに昭和基地到着の予定だった。
 

1/17日付
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ハイチ7次隊帰国 佐藤政務官 3年間「献身的な活動」

 ハイチから帰国、家族など500人が見守る中、整列する菅野隊長以下7次隊の隊員(12月28日、守山駐屯地で)
 国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、ハイチで大地震の復興支援に当たってきた陸自「ハイチ派遣国際救援隊」の7次隊(隊長・35普連長の菅野隆1佐以下中方主力の約300人)の帰国行事が12月28日、守山駐屯地で行われた。
 佐藤正久政務官は訓示で、日本隊への高い評価について「活動の最終章で見事に結果を出した7次隊の献身的な活動と、1次隊から6次隊までの汗と努力の結晶」と述べ、約3年間に及ぶ活動をたたえた。
 7次隊には同日、防衛大臣からの1級賞状と国際平和協力本部長表彰が伝達された。
 7次隊は昨年7月から8月にかけて現地入り。国連PKOハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)に参加して、道路補修やがれきの除去、公共施設の建設のほか、現地の人々に重機の操作と整備の技術指導を行うなど人材育成支援を行ってきた。
 現在、ハイチでは撤収支援隊(隊長・神成健一1陸佐)の約40人が陸自車両や重機の後送業務、通関手続きなどに当たっており、3月末までに帰国する予定。
 ハイチPKOは昨年7月、政府が「復旧状況は相応の進展があり、応急的な復旧活動の必要性は低下しつつある」として撤収することを決定。
 現地には2010年2月から7次にわたって延べ約2200人の陸自隊員が派遣され、施設部隊のPKO協力としては過去最長の2年半を超える活動となった。
 

1/17日付
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南スーダンPKO 「日本隊の存在示せた」 帰国の生田目所長に聞く

 1年間の任務を終え、統幕長(右)に無事の帰国を報告する生田目1陸佐(12月26日、防衛省で)
 「日本隊の存在示せた」――。南スーダンで日本のPKO部隊を代表して各所との調整に当たってきた現地支援調整所長の生田目徹1陸佐が12月26日、1年間の任務を終え、帰国した。
 生田目1佐は同日、防衛省で岩統幕長以下約150人の隊員の出迎えを受けた後、報道陣のインタビューに答えた。
 ――率直な感想は?
 生田目所長 (昨年は)自衛隊のPKO派遣開始20周年。意気込みを持って任務に臨んだ。UNMISS(国連南スーダン共和国ミッション)からの要請だけでなく、日本隊も積極的にアイデアを出し、施設部隊が実施した。そうした流れを1年かけて地道に築き、手応えを感じている。
 ――調整所に配属されている豪軍人との協力は。
 所長 日豪それぞれの(指揮系統に従った)活動の中で情報共有し、お互いに提案を出し合って協力した。日本側から豪側に依頼したり、豪が独自に吸い上げた現地ニーズを日本の施設隊が実施したりした。
 ――印象深い事業は。
 所長 JICAやODAとの連携で新たな実績を築いた。JICA関連では、ジュバ市浄水場の拡張事業に伴う既存施設の取り壊しと除去作業を日本隊が請け負った。
 ODA関連では「草の根無償資金」を使ったコミュニティー道路の整備事業があり、1月着工への道筋をつけた。
 ――現地での苦労は?
 所長 ニーズを実行に移す際、国連、行政、各機関、NGO、各国部隊などそれぞれの思惑、財源、国連からのタスク発出のタイミングなどを合わせる必要がある。微妙なズレをすり合わせ、互いに安心感を持って仕事をしてもらえるよう調整し、将来への仕込みを行った。
――治安状況は。
 所長 犯罪はあるが、国連職員を対象としたものではなく、問題ない。
 ――日本隊の存在は?
 所長 施設隊2次隊が部隊交代を発表したとたん、あれもこれもと駆け込み要請が殺到した。当てにされる質の高い仕事をした証拠であり、日本隊の存在を示せたと自負している。
 
 

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