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さっぽろ雪まつり 雪輸送始まる 11旅団から600人

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さっぽろ雪まつり 雪輸送始まる 11旅団から600人

 今年もお願いします――雪輸送開始式で「ミスさっぽろ」から花束を贈られる11旅団の代表隊員(1月7日、札幌市大通公園で)
 「第63回さっぽろ雪まつり」(雪まつり実行委員会主催、2月6日~同12日)の雪輸送開始式が1月7日、札幌市中央区の大通7丁目会場で行われ、例年同まつりを支援する11旅団(旅団長・吉田明生将補、真駒内)から安藤正一副旅団長以下約100人が参加した。
 11音楽隊(隊長・菅原信秀1尉)のファンファーレ演奏で開式。星野尚夫実行委員長(札幌観光協会長)が「雪まつりを支える自衛隊の皆さまの尽力に心から敬意を表します」とあいさつ。ボランティア団体「交通安全母の会」から協力団の代表隊員に交通安全祈願のマスコットと旗が贈られ、北方施設隊の合坂直樹3曹が「心にゆとりを持ち、無事故で雪輸送を完遂します」と誓った。
 この後、「ミスさっぽろ」が激励の花束を贈り、北方後方支援隊の関東清3尉の指揮で待機した大型ダンプ3台が最初の雪を下ろし、大雪像作りのための雪輸送が始まった。輸送は同14日まで行われる。
 11旅団の雪まつりに対する協力内容は雪像制作と雪輸送、会場での音楽演奏、市民ボランティアが行う雪像制作の技術指導と助言などで、安藤副旅団長を団長とする約600人の協力団が1月6日、真駒内で編成完結。三つの大雪像「雪の水族館」(第1雪像制作隊)、「タージ・マハル」(第2雪像制作隊)、「会津 鶴ヶ城」(第3雪像制作隊)を1月17日から制作し、2月5日、同実行委員会に引き渡す。
 
 

大みそか、元旦急患空輸4件

 東京都と長崎県の離島で大みそかと元旦に4件の救急患者が発生、いずれも海自航空部隊が空輸した。
 12月31日、東京・小笠原諸島の父島で40代の男性がけいれんの発作を起こし高度医療機関で治療が必要になり、都知事が空輸を要請。73航空隊硫黄島分遣隊のUH60J救難ヘリが患者を一旦硫黄島まで空輸。前進待機中の厚木基地から到着した71航空隊(岩国)所属のUS1A救難飛行艇が患者を引き継ぎ羽田に運んだ。
 1月1日は東京・硫黄島東方沖約1000キロを航行中の漁船で50代の乗組員が脳梗塞の疑いがあり、第3管区海上保安本部長(横浜)が空輸を要請した。厚木から3航空隊のP3C哨戒機と71空所属のUS1Aが出動し、P3Cが付近海域の情報収集などを行う中、US1Aが着水して患者を収容、厚木まで運んだ。
 母島ではダイビング中の40代の男性がパニックによる呼吸困難を起こし緊急治療が必要になり、都知事が空輸を要請。73空硫黄島分遣隊のUH60Jが硫黄島基地隊の医官を乗せ母島に飛び患者を収容。いったん硫黄島に運び、3空のP3Cが厚木に運んだ。
 同日、長崎県五島列島の中通島(なかどおりじま)では70代の女性が転倒して脳出血を起こし県知事が空輸を要請。72航空隊(大村)のUH60Jが大村に運んだ。
 
 

韓国岳で不明者捜索 宮崎 24普連100人、20車両が出動

 昨年1月に起きた新燃岳の噴火以降、入山が規制されている宮崎県えびの市の韓国岳(からくにだけ、1700メートル)周辺で1月5日、男性(82)が行方不明になり、24普連(連隊長・仲司1佐)が捜索を行った。
 5日早朝、韓国岳登山口付近の道路脇に前日から乗用車が止められたままになっていると警察に連絡があった。車は鹿児島県日置市在住の男性のもので、警察、消防が付近で男性を捜索したが見つからず、午後4時20分、宮崎県知事が24普連長に災害派遣を要請した。
 6日朝、連隊から仲連隊長以下約100人が車両約20両で現地に向かい、午前9時から午後4時半ごろまで捜索を実施。7日も朝から捜索を行ったが男性は発見されず、午後5時、撤収要請を受けた。警察、消防の捜索も同日で打ち切られた。
 
 

2012年 訓練始動

 2012年の3自衛隊の訓練がスタートした。先陣を切って陸・海・空の航空部隊が1月4日から順次飛行訓練を開始したのに続き、8日には陸自空挺団が習志野演習場に一川防衛大臣はじめ多くの地元市民を迎えて降下訓練始めを敢行、上空に落下傘の花を咲かせ、一年の精進を誓った。

青空に落下傘舞う 空挺団 恒例の降下訓練始め 
一川大臣 「諸官の技量、目の当たり」

 空挺団の年頭恒例の降下訓練始めが今年も1月8日、寒風の中、千葉・習志野演習場で行われ、約1万2000人が落下傘降下やヘリボーンの訓練展示にさかんな拍手を送った(写真はいずれも1月8日、習志野演習場で)
 陸自空挺団(団長・山之上哲郎陸将補、習志野)の平成24年降下訓練始めが1月8日、澄み切った青空の下、千葉県の習志野演習場で行われた。
 1年間の降下訓練の安全を祈願する恒例行事で、昭和49年から一般公開されている。今年は隊員約400人が参加。C130H輸送機、CH47輸送ヘリなど航空機18機から約65人が降下したのをはじめ、74式戦車、軽装甲機動車など車両40両を加えたヘリボーン訓練などが約1時間にわたって展示された。一川防衛大臣、折木統幕長、君塚陸幕長、金澤官房長ら防衛省・自衛隊関係者のほか、マイケル・ハリソン在日米陸軍司令官以下の米軍関係者、佐藤正久参院議員などの来賓と、一般の見学者ら約1万2000人が見守った。
 午前11時前、山之上団長を先頭に空挺団の各指揮官、最年少隊員ら計15人が高度約340メートルを飛行するCH47から初降下。この様子を同乗した機内で視察後、着陸した一川大臣らが席に着き降着戦闘訓練に入った。
 枯れ草で擬装した偵察オートバイやOH1観測ヘリが偵察活動を行った後、UH、CH両ヘリから主力部隊を先導する降下誘導小隊がリペリングとファストロープ降下で潜入。次いで会場上空を高度約340メートル、時速約240キロで飛行する空自C1、C130H両輸送機から主力部隊約50人がドーム状の696MI空挺傘で続々と降下した。
 支援の物料も投下され、部隊はCH47のスリングなどで輸送された迫撃砲などで戦闘を開始した。
 AH1S対戦車ヘリ、AH64D戦闘ヘリが降下地点を制圧する中、空挺主力はUH1H多用途ヘリの地雷散布やドアガン射撃などの支援を受けながら敵機甲部隊の進攻を阻止。じ後の作戦に向けて航空部隊や車両部隊が進出する一連の状況が寒風の中、ダイナミックに展示された。
 訓練後、空挺団員約15人による起床、食事、課業、夕食などの開始を告げるさまざまなラッパ演奏が披露された。このあと、一川大臣は整列した参加隊員を前に訓示、「隊員諸官の技量を目の当たりにし、大臣として誇りに感じる。東日本大震災でも過酷な条件の下で任務を完遂し、誇り高き第1空挺団の高い能力と即応態勢が証明されたものと確信する。引き続き、国民の信頼と期待に応えるため、今年1年訓練に励んでほしい」と激励した。
 1万2000人の観衆が見守る中、降着戦闘訓練の展示で高度約340メートルの空自C130H輸送機から次々と降下する空挺主力部隊
 ヘリボーンの訓練展示で、AH1S対戦車ヘリとともに降下地点制圧に向けて快晴の空を飛ぶ陸自のAH64D戦闘ヘリ
 擬装した狙撃隊員を乗せ、寒風の中、主力部隊支援のため敵地に降着するUH1H多用途ヘリ
 ヘリで敵地に降着後、機敏な動作で草むらに潜み、完全擬装で照準眼鏡のついた対人狙撃銃を構える空挺隊員

ヘリ団 東京湾上、編隊飛行 「所命必遂」とCRF司令官

 年頭恒例の編隊飛行訓練で木更津飛行場を離陸する陸自1ヘリ団のCH47ヘリ群(1月6日)
 昨年、東日本大震災で被災地への救援物資空輸や福島原子力災害対処に大活躍した陸自1ヘリ団(木更津)は1月6日、木更津飛行場周辺空域で年頭編隊飛行訓練を行った。
 訓練にはCH47輸送ヘリ、UH60多用途ヘリ、EC225輸送ヘリ、OH6観測ヘリ、LR1、2各偵察機の計約12機と隊員約140人が参加。
 訓練に先立ち、清田安志ヘリ団長は、「我々は各種任務に即応できる精強な部隊であることが国民から期待されている。部隊が保有する機能を最大限に発揮して、国内外のいつ、いかなる任務にも即応し、任務を完遂するために、今年も全隊員心を一つにして精進していこう」と訓示した。
 午前10時前、各編隊は東京湾上空に向けて一斉に離陸。富津から袖ヶ浦沖合を回って木更津に帰投するコースを約1時間かけて飛行し、途中、EC225に搭乗した西浩徳CRF副司令官から視察を受けた。
 西副司令官は無線でCRF司令官訓示を代読、昨年の東日本大震災でのヘリ団の活動を称えた上で、「本年も即応態勢を維持し、与えられた任務を整斉と完遂できる強靭な部隊となり、国民の期待に応えるために"所命必遂"することを期待する」と述べた。

除雪終えて初飛行 小松基地 F15など延べ30機次々と

 飛行前点検でF15戦闘機の操縦席とエンジン始動確認の合図を交わす整備員(1月5日、小松基地で)
 全国の空自基地で1月4日から6日にかけ、平成24年の初訓練が行われた。
 日本海側で唯一、戦闘機部隊が配置された小松基地(司令・井筒俊司将補)では1月5日、6空団隷下の303(隊長・有松勝行2佐)、306(同・久保田隆裕2佐)両飛行隊と小松救難隊(同・橋本晃男2佐)が初訓練を行った。
 同基地では昨年10月7日に起きた機外タンク落下事故いらいF15戦闘機の飛行訓練が中止されていたが、事故原因の特定と地元自治体などの了解が得られ、12月17日に飛行訓練が再開。百里基地で続いていたパイロットの代替訓練も終了し、5日朝には約3カ月ぶりに機外タンク装着機も交えたF15が前日に除雪作業を行ったエプロン地区に並んだ。
 午前10時すぎ、雲の間から突然青空が顔を出す冬の日本海側特有の空の下、飛行前点検を終えた303飛行隊のF15戦闘機5機、T4中等練習機1機が順次離陸、基地北方の日本海のG空域で基本的な戦技と離着陸訓練を行った。
 この後、306飛行隊のF15戦闘機2機とT4練習機1機が続き、この後も夜間にかけて延べ約30機が初訓練を実施した。一方、救難隊は午前にUH60J救難ヘリ1機が白山方面で救難捜索訓練、午後にU125A救難捜索機1機が離発着訓練を行った。
 また、前日の4日朝には井筒司令以下主要部隊長ら約40人が小松市内の安宅住吉神社を参拝、今年1年の安全を祈願した。

鳴門海峡を眼下に 小松島基地 海自トップで24空初訓練

 初飛行訓練で大鳴門橋上空を飛行する24航空隊(小松島)のSH60J哨戒ヘリの編隊(1月5日)
 海自航空部隊のトップを切って四国・小松島航空基地の第24航空隊が1月5日、初飛行訓練を行った。
 午前9時半、基地格納庫に隊員約100人が整列。清野賢一241飛行隊長が阿部浩24空司令に訓練開始を報告。阿部司令の訓示の後、司令の「かかれ」の合図で搭乗員ら32人がSH60J哨戒ヘリ6機に搭乗、各編隊ごとに基地を離陸した。
 この日は澄み切った晴天で、気温6度と飛行日和。清野飛行隊長の指揮の下、SH60J編隊は徳島県阿南市、大麻比古神社、鳴門海峡、徳島空港上空を経由して約50分間の訓練飛行を行った。
 なお、同5日には25空(大湊)、2空(八戸)、翌6日には1空(鹿屋)、202教空(徳島)、31空群(岩国)、23空(舞鶴)、5空(沖縄)、22空(大村)、7日には21空(館山)、10日には3空(厚木)、11日には201教空(小月)がそれぞれ初飛行訓練を行い、2012年のスタートを切った。
 
 

露軍機が日本海南下

 ロシア空軍機航跡図(12月27日)
 ロシア空軍のイリューシンIL20型電子偵察機1機が昨年12月27日、ハバロフスク州方面から日本の領空に接近、北海道沖の日本海側を南下して奥尻島、秋田、佐渡、能登半島、舞鶴沖に沿って飛行したため、空自の北空、中空、西空のF15戦闘機などが緊急発進して対応した。露軍機は山陰沖から北西に針路を変えて日本から離れ、自国領方面に戻った。
 領空侵犯には至らなかったが、統幕は同日、空自機が撮影した偵察機の写真と航跡図を公開した。
 
 

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