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南スーダン 渡辺副大臣出張報告 

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1月の朝雲ニュース
 
南スーダン 渡辺副大臣出張報告 
ジュバの治安は安定 南北関係は注視を
 首都ジュバの中心街だが、道路は未舗装のでこぼこ状態だ。施設部隊による整備が期待されている
 ジュバ空港に近い国連用地の外側に広がる民家群。草葺きの牧歌的な家並みが、ひとまずの平和を感じさせる
 外務省のODAによる事業も進行中で、完成した橋には日の丸とともに、日本の支援で造られたことが記されている
 1 ジュバ周辺の治安状況の概要
 最も活気のある市場を訪問するなど現地を直接視察。南スーダン政府要人やUNMISS関係者の情報からも、ジュバ周辺地域の治安状況は安定。南スーダンの北部を中心とする部族間対立は、富をめぐる争いであり、反政府・反国連につながる動きにあらず。
 2 ルワンダ軍との協力
 当方より、現在、ジュバ等における全般的警備を担当しているバングラデシュ軍の後任の可能性があるルワンダ軍について情報を持ち合わせていない旨伝えたところ、ウガンダ政府から「ウガンダ軍から訓練を受けており、ルワンダ軍の規律や練度は良好との評価。ジュバ周辺で自衛隊と協力することになったとしても、問題はない」との回答。
 3 兵站支援・休養地としてのウガンダ・ケニアの適格性
 不安定要素を多く抱える東アフリカ地域の中で比較的安定しているウガンダの役割は大きい。米国もアフリカで有数の規模の大使館を設置。訪問中は、ビクトリア湖畔の諸国によるサミットが開催されており、厳重な警戒態勢。気候もよく治安も良い。南スーダンで活動する自衛隊の後方支援地域としては申し分なし。
 ケニアについては、同行予定の記者が強盗に遭うなど治安情勢は必ずしも良好とは言えず、活動支援拠点として利用する場合は相応の注意が必要。
 4 自衛隊の活動後の中長期支援の重要性
 自衛隊による緊急かつ応急的なインフラ整備は、南スーダンの国づくりの重要な一部と位置づけるべき。DDRや雇用対策、専門家の育成といった分野における自衛隊以外の支援と合わせて日本国全体として貢献することが必要。
 5 南北スーダン関係の推移は要注目
 南北スーダン間における包括的和平合意の実施には国境問題、資源問題などの課題が山積。現在当事者の間で行われている交渉を見守る必要があるが、事態の推移によっては、南北スーダン間の国家間の緊張が高まる可能性があり。国際社会とともに今後の動向に注視すべき。
 6 医療体制の充実
 バングラディシュの医療部隊は今後撤収予定。医療部隊の交代はシームレスに実施される予定であるが、状況に応じて自衛隊の自己の医療体制は可能な限り充実させるべき。
 7 派遣海賊対処行動航空隊の活動状況
 ジブチに設置した活動拠点は、安定的に運営。ジブチ政府は日本に友好的であり、自衛隊の活動を歓迎。隊員の士気は高く、この地での日本のプレゼンスに大きく寄与。
 このほどのジブチ軍のソマリア派兵決定に伴いアル・シャバーブが報復テロの可能性を示唆するなど、今後の治安情勢には注視すべき。現地の隊員は夜間外出を自粛するなどの安全対策。 

1 ウガンダにおける主要日程の概要


○13日(火)
 ・エンテベ国際空港の視察
 民間航空局長より、エンテベ国際空港について説明を受けた後、民間業者が同空港内に保有している倉庫やメンテナンス施設を視察。常温・冷蔵倉庫共に一定の容量が使用可能であることを確認。
 ・エンテベ国連兵站基地(ESB)の視察
 ESB副所長より、同基地が主としてコンゴ(民)のPKO活動に対する支援を任務としており、同活動が基地の任務の約9割を占めること、また同活動以外への支援に対応できる施設の能力は限られていることなどについて説明を受けた後、倉庫施設、教育施設、一時宿泊所、医務室などを視察。
○14日(水)
 ・キヨンガ国防大臣との会談
 兵站支援・隊員の休養先としてウガンダを活用する旨説明し、先方に協力を依頼。先方はこれを受け入れるとともに、人材育成に係る防衛協力への関心を表明。また、ルワンダ軍の上級幹部の多くは、ウガンダで訓練を受けており、南スーダンで自衛隊とルワンダ軍が共に活動することになった場合、協力していけると確信しているとの発言があった。
 ・オケロ外務大臣代行との会談
 兵站支援・隊員の休養先としてウガンダを活用することにつき先方に協力を依頼。先方は、兄弟国ともいえる南スーダンのために日本が活動することはありがたく、このための支援は惜しまない旨回答。この際、先方から隊員の法的地位について、事務的に整理したい旨言及。また、ルワンダ軍の幹部の多くは、ウガンダ軍で教育・訓練を受けており、規律・練度に前向きな評価。
 ・休養施設・市内施設の視察
 兵站支援で滞在する要員のための市内施設(カンパラ市内のマーケットやショッピングモール等)及び休養のために滞在する要員のための施設(ビクトリア湖畔のリゾートホテル等)を視察。

2 南スーダンにおける主要日程の概要


 ○15日(木)
 ・トンピン地区(旧ジュバ1)視察
 現在国連側と最終調整中である日本隊の宿営予定地を視察し、排水、警備及び整地の状況などを確認。このほか、バングラデシュ軍のレベル2医療施設、軍事部門司令部を視察。軍事部門司令部ではUNMISSの概要に係る説明を受けたほか、司令部要員(兵站幕僚)の激励を行った。
 ・デン・アロル内閣担当大臣との会談
 自衛隊の施設部隊等がUNMISSに参加し、来月から南スーダンでの活動を開始する旨説明し、先方に協力を依頼。先方はUNMISSへの自衛隊参加を歓迎するとともに、支援を惜しまない旨回答。ジュバ周辺の治安情勢については、非常に安定していると評価。国境の画定、石油の配分及びアビエイの帰属の問題は、事態の推移によっては、南北スーダン間の緊張を高める可能性がある旨指摘があった。南スーダンには、民間部門が存在せず、政府しか雇用を生み出すことができないため、海外からの資本を呼び込み、雇用を創出する必要がある旨説明を受けた。また、DDR(武装解除、動員解除、社会復帰)が必要であり、日本の支援への期待を表明。
 ・アグート国防・退役軍人副大臣との会談
 自衛隊の施設部隊等がUNMISSに参加し、来月から南スーダンでの活動を開始する旨説明し、先方の協力を依頼。先方は、苦しい状況の中、日本がUNMISSに参加したことを歓迎すると共に、自衛隊とは緊密に連携していきたい旨回答。この国は未だに多くの元戦闘員を抱えており、国家予算に大きな負担となっているとして、日本を含む国際社会からの支援への期待を表明。また、南スーダンにおける部族間の対立は政治的なものではなく、経済的な性格のものである旨指摘があった。
 ・ジュバ市内視察
 スーパーマーケット、現地のマーケット、内閣府連絡調整事務所、JICA現地事務所を視察。
 ・在留邦人との夕食会
 南スーダンで活動する国際機関、JICA、NGO等の関係者との意見交換会を兼ねた夕食会を開催。
 ○16日(金)
 ・ジュバ3視察
 UNMISS本部庁舎や建設中の宿舎地区などを視察。また、本部庁舎においては、司令部要員(情報幕僚)の激励を行った。
 ・ギルモアUNMISS副特別代表との意見交換
 自衛隊の施設部隊等がUNMISSに参加し、来月から南スーダンでの活動を開始する予定である旨説明。先方からは、国連軍事部門の要員に対する危険が低いことや南スーダンにおける支援のニーズ等について説明があった。また、雨期までに展開する重要性について指摘があった。
 ・オビUNMISS軍事部門司令官との意見交換
 先方からは、自衛隊がジュバにおいて活動すること、ジュバ周辺に脅威が存在しないこと、施設部隊に期待する活動、施設部隊には戦闘任務が付与されないこと等について説明があった。施設部隊の警備については、司令官としての権限であらゆる部隊を活用して守ることになる旨言及。また、バングラデシュ医療部隊が今後撤収する予定であるが、医療部隊の交代はシームレスに実施される予定である旨説明があった。
 ・JICAプロジェクト視察
 河川港、道路橋梁及びナイル架橋の各整備計画現場を視察。
3 ジブチにおける主要日程の概要(略)
 
 

武器輸出三原則を緩和 国際共同開発が可能に

 政府は昨年末の12月27日、首相官邸で安全保障会議(議長・野田佳彦首相)を開き、日本の武器輸出三原則等を緩和する新基準「防衛装備品等の海外移転に関する基準」を決定した。藤村官房長官が閣議に報告後、談話として公表した。新基準は、従来、三原則の例外に当たるかどうか個別に行ってきた判断を見直し、「厳格な管理」のもとで、①平和貢献・国際協力に伴う装備品の海外移転②我が国と安全保障面での協力がある国などとの国際共同開発・生産――の二つを可能にする。これにより平和国家としての理念の半面、装備品のコスト削減や生産基盤維持などの障害となってきた武器輸出三原則は、昭和42年に佐藤栄作首相が国会答弁で表明して以来の転換点を迎えた。

重機など現地で供与も PKO

 すべての武器と関連技術を原則的に禁輸する三原則について、政府は昭和58年の中曽根内閣での米国への武器技術供与、平成16年の小泉内閣でのミサイル防衛(MD)関連の共同開発・生産を認めるなど、個別に「例外」を設けてきたが、今回の見直しで「包括的に例外化措置を講じる」とし、個別判断に依らないことを明記した。
 緩和に際し、装備品供与では相手国による目的外使用や第三国への移転について、日本政府の事前同意を義務付けるなど「厳格な管理が行われることを前提に行う」と条件を付けた。国際共同開発・生産については、対象を米国のほか、「我が国と安全保障面で協力関係にある諸国」に限定、これら各国との連携を通じて我が国防衛産業の生産・技術基盤を維持、コストの削減を図る、としている。
 今回の緩和により、自衛隊がPKO活動などの海外派遣で使用したヘルメット、防弾チョッキなど、防護的な装備品をはじめ、現地でニーズの高い建設用重機などを、多額の輸送料を払って持ち帰らず、派遣国に供与できるほか、巨額の費用が必要な戦闘機などの国際共同開発・生産にも参加する道が開かれた。
 一川防衛相は同日の閣議後の記者会見で、「先端装備品の共同開発・生産は国際的な流れ。装備品のコスト高という課題の中、新たな基準に則した対応は安全保障に資する。平和貢献、国際協力活動の観点からも積極的な貢献が可能になってくる」との考えを示した。
                                 ◇
 経団連の米倉弘昌会長は27日、武器輸出三原則の見直しに関し、「防衛装備品等の国際共同開発・生産の包括的な例外化措置を講じることとしたことは画期的であり、高く評価する。今後は新たな基準のもとでの武器輸出管理に関する制度設計が必要である。経団連としても、米国や欧州など海外調査の結果を踏まえ、具体的に検討していく所存である」とのコメントを発表した。
 
 

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