電気が電線を通るときに、エネルギーの大きな無駄を生じます。
一方「超伝導」というのは、ある種の金属を超低温(マイナス273℃近く)にすると、電気抵抗がほぼゼロになる現象です。
近年、どんどん新しい超伝導物質が見つかって、超伝導に必要な温度はじわじわと上がって来ています。つまり、あまり冷却することなく、超伝導を発現させ、送電ロスを低減する研究が世界各国で進められています。
東電でいよいよ超伝導の送電を試行する実験が始まりました。
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「超伝導の光」横浜にともる 家庭向け送電実験、全国初
電気抵抗がゼロになる超伝導物質を使った送電線で、実際に家庭に電気を送る実証実験が29日、横浜市の東京電力旭変電所敷地で始まった。超伝導送電線で中継された電気が家庭向けに送られるのは日本で初めてという。
実証実験は新エネルギー・産業技術総合開発機構や東京電力などが約1年かけて、共同で進める。「超伝導」になる区間は変電所内の約240メートルで、冷却に使う電力分を含めても、従来の送電線に比べて単位長さあたりの電力の損失を半分にできる可能性があるという。
今回送り始めた電気は、約5万世帯分。2020年までに技術を確立させて実用化につなげたいという。
送電線は素材にビスマス合金などを利用。電線を零下約200度まで冷やすために、液体窒素を電線を取り囲むように循環させる。