先帝陛下 御尊影
『 降り積もる 深雪に耐えて 色変えぬ 松ぞ雄々しき 人もかくあれ 』
終戦の翌年詠まれた先帝陛下の大御歌(おおみうた)です。
深い雪に覆われても時が来れば青々と茂る松の木を 雄々しき日本人に例え、今の苦しみを耐えて再び隆盛とならんと鼓舞されたもので、同時に日本人が日本人らしさを失わぬようにと願われたのです。
畏くも今上陛下におかれましても、先帝陛下と大御心は同じであられます。
深い雪に覆われても時が来れば青々と茂る松の木を 雄々しき日本人に例え、今の苦しみを耐えて再び隆盛とならんと鼓舞されたもので、同時に日本人が日本人らしさを失わぬようにと願われたのです。
畏くも今上陛下におかれましても、先帝陛下と大御心は同じであられます。
先帝陛下は決死の覚悟で国民を救われた。
日本国民とは、今現在生きている者を言うのではありません。わが国を連綿と紡いできた、先祖・先達を併せた総称を指すのです。
日本国民とは、今現在生きている者を言うのではありません。わが国を連綿と紡いできた、先祖・先達を併せた総称を指すのです。
祖霊(それい)御霊となられた、多くの先人・先達は今のわが国の状況、国のかたちを望まれているのでしょうか・・・
(七)家族の復権
大東亜戦争後GHQは、日本人の団結力の基盤が家庭にあると見て、わが国の家族制度を変えてしまいました。民法までもを改正したのです。家制度は、封建的であり、個人を拘束するものとして廃止させたのです。個人を解放という美名の名の下に、自由と権利を拡張したのです。人類学的には、直系家族型の制度を核家族型の制度に変えるものでした。それによって、集団主義から個人主義への変化が起こり、また家長(父親)の権威が低下したのです。戦後日本では、農村の村落共同体が解体されて都市化が進み、三世代同居の大家族は核家族に分解してしまいました。今日では、晩婚化・未婚化が顕著になり、皆さんご存知のとおり、少子高齢化が急速に進行しているのです。少子化は、識字率の向上による出生率の低下という近代化の一般的傾向ですが、わが国は、それが極端に進行しているのです。
人は、親子・夫婦・祖孫の生命のつながりの中で生まれ、育つのです。
人は、親子・夫婦・祖孫の生命のつながりの中で生まれ、育つのです。
アトムとは、ギリシャ語で、これ以上分割できない物の意を言います。
個人はアトム的個人ではなく、家族はアトム的個人の寄り集まりではなく、家族は、社会の最小単位であり、また生命と文化の継承の場所である。父性と母性が協力し、それぞれの特徴を発揮するところに、健全な子育て、人格形成を為すのです。親の愛受けて成長した子供は、自己を確立し、自立した大人となり、自らも家庭をつくり、子供を生み育て、そこに個人の自己実現が達成されるとともに、集団における生命と文化の継承が実現する。
家族の復権なくして、日本の再建はありえない、成し得ないのです。明るい家庭が、明るい社会の基礎・基盤である。調和のある家庭が、調和のある世界の基礎を成すのです。
家族の復権なくして、日本の再建はありえない、成し得ないのです。明るい家庭が、明るい社会の基礎・基盤である。調和のある家庭が、調和のある世界の基礎を成すのです。
今日、多くの諸問題は戦後崩壊した、家族のあり方、家族のかたちに端を発しているのです。
(八)自然との調和
文明は自然と共生し、環境に変化をもたらします。文明は古代からそういう側面をもっているのです。しかし、多くの場合、自然の回復力は人間による変化をはるかに上回っていたのです。ですから、人類は人口を増やし、文化を発達させることができた。しかし、西洋近代文明はユダヤ=キリスト教、資本主義、近代国家、産業革命が合体したことにより、自然を征服・支配する文明を生み出しました。これを自然と調和する文明に転換することが必要に迫られています。
石油・石炭のような化石燃料をエネルギー源とすれば、温暖化や大気汚染等を引き起こし、自然との共生が危ぶまれています。
石油・石炭のような化石燃料をエネルギー源とすれば、温暖化や大気汚染等を引き起こし、自然との共生が危ぶまれています。
西洋近代文明の根本は、神なき自然、魂なき自然、物質としての自然という自然観に基づいています。これに対し、自然を単に物質・エネルギー循環のシステムと観るのではなく、人間の生命や心霊と通底したものと感じる心を取り戻すことが必要です。環境保全のためのエコロジーも、生命的心霊的な自然観に裏付けられる時、自然と調和した文明を生み出すものとなるのです。拙ブログの拙稿、永遠に美しい日本の聖地「神宮」(中) 「常若」(とこわか) でも述べていますが、先進国の中で唯一、わが国は今日でも、神道の自然観を保っている。自然を破壊し、再生させることのない諸外国の文明とわが国の自然観は大きく異なります。
森を守り育て、海を守る日本人の心を今日の地球に生かすことにより、人類文明の転換に貢献し得るのです。
(九)精神向上
以上の八項目の課題を実行する上で、最も大切なのは、日本の伝統・文化・国柄を知り、日本の精神を取り戻すことです。日本人が世代を超えて伝えてきた、人と人、人と自然が調和して生きる生き方を回復することが求められ、日本の精神に基づいて、家庭・社会・国家を建て直すこと。さらに、日本の精神の奥底に存在する自然の理法を自覚・体得し、貢献していくことこそ、21世紀の日本人の課題・使命と言えましょう。
西洋近代文明は、西洋近代思想に基づき、西洋近代思想の行き着くところは、個人主義と唯物主義でしかない。心の現象は、脳の物質現象と見、また人間の存在をパーソナルでローカルなもの、個別的で局所的なものとでしかない。個人中心で、現実世界限定の人間観は、道徳の低下や精神の荒廃を生み出し、生の目的は、金銭の獲得と欲望の追求になるのです。既成宗教は陳腐化し、こうした今日、かっての日本文化の興隆が待望されているのです。
筆者は、21世紀の人類を導く精神文化は、日本から出現すると確信しています。日本人には、自らの伝統的な精神を取り戻し、世界人類を精神的な向上に導く使命があると思うのです。日本の精神の真髄を学び、実践する人が一人でも多く増えることを期待してやまないのです。
西洋近代文明は、西洋近代思想に基づき、西洋近代思想の行き着くところは、個人主義と唯物主義でしかない。心の現象は、脳の物質現象と見、また人間の存在をパーソナルでローカルなもの、個別的で局所的なものとでしかない。個人中心で、現実世界限定の人間観は、道徳の低下や精神の荒廃を生み出し、生の目的は、金銭の獲得と欲望の追求になるのです。既成宗教は陳腐化し、こうした今日、かっての日本文化の興隆が待望されているのです。
筆者は、21世紀の人類を導く精神文化は、日本から出現すると確信しています。日本人には、自らの伝統的な精神を取り戻し、世界人類を精神的な向上に導く使命があると思うのです。日本の精神の真髄を学び、実践する人が一人でも多く増えることを期待してやまないのです。
今、わが国は世界の大海原で揺れ動いています。
しかし、日本人が日本人のこころ、「国のかたち」を護り、伝え、失ったものを取戻すことができれば、天壌無窮です。
『 降り積もる 深雪に耐えて 色変えぬ 松ぞ雄々しき 人もかくあれ 』
先帝陛下、今上陛下の大御心を努努(ゆめゆめ)忘れぬように・・・
終わり。