人気ブログランキングに参加しています。
まずはここをポチッとご協力お願い申し上げます。
---------------------
国防に必要な「天下り」もある 曽野綾子
川崎重工業は平成18~22年度に防衛省から約5439億円分の潜水艦、ヘリコプター、戦闘機、誘導ミサイルなどを受注しており、防衛省と取引のある業者の中でも毎年2~4位を維持している。
その川重が、18~23年の間に自衛隊から34人の再就職を受け入れた。そのうちの約3分の1が、自衛隊の最高幹部である将官クラスだったので、東京地検特捜部は官製談合防止法違反容疑で川重に対して捜索の手を入れた。
こうした事件について、日本が兵器を持つこと自体が悪だという意見が必ず出てくるのだろうが、北朝鮮がミサイルの発射実験をしたとき、各地に配備された日本の迎撃ミサイルに対して反対はなかった。
アメリカが日本を守ってくれるなどと思う人が時々いるらしいが甘い話である。だれも自分が損になることはしないのだから、共同防衛は効果的だが、自衛は原則自分でしなければならない。
兵器を知悉した人が、兵器の生産に携わる企業に再就職して知識と経験を生かすのが、どこが悪いのか私にはわからない。
使い勝手のいいものをつくってもらわなければ、実戦に使えない。もしこうした会社が、つい先月まで自衛隊の現役にいた人たちの知識、体験、判断をすべて締め出したら、それこそ防衛予算の無駄使いになる。
テレビニュースでは、過去にこうした会社が防衛省がらみの仕事の受注生産に当たったとき、さまざまな理由であまり利益が出なかった年があった。その時にかけた「迷惑」を埋め合わせるために、防衛省が次の注文に際していささか便宜を図ったという話も流されているというが、それはどこの社会でもやっていることだ。
今度の仕事では損をさせてしまったから次回には少し配慮しようと思う。外国のやり方は知らないが、日本の企業の幹部は、大手の関係会社だけではなく、下請け孫請けの会社のまじめな社員も路頭に迷わせないように、無言のうちにこういう心配りをする。それでこそ企業の持つ技術も育てられるのだ。それを一概に癒着だ、汚職だ、と決めつけるのは全く常識的ではない。
会社や他の組織が、関係官庁から少数のOBを常に採用し続けることを、私は悪いこととは思わない。そういう連絡役がいることによって仕事は素早く無駄なく進むからだ。官庁側が必要とする資料が適切な時期に適切な部に届けられるのである。
しかも防衛産業は、技術的に常に秘密の部分が多い。他国にも他社にも漏れてはいけないことがある。長年付き合った自衛隊で、その兵器に関する技術を知り尽くした人とつながりを生涯大切にするのは、赤穂浪士並に必要なことだろう。
反面、自衛隊OBの倫理性も常に見られているわけだ。老後も節制と清貧に甘んじ、お国のために尽くす生涯を生きて、晩節を汚すことなく武士の名誉を全うして頂きたい。
(2012.9.12 産経新聞 オピニオン)
--------------------------
談合や天下りが「悪」であるように騒がれてから久しい。
談合は広く薄くみんなに行き渡るように考え出された日本的な知恵です。欧米のような何でも競争で潰し合って、とにかく安くするようなやり方は日本には合わないのです。
天下りも一方ではこれが無くなると下の人間が上に上がれないし、上の人間ばかりがごっそりいても頭でっかちの組織になるだけです。また企業と密接につながっていくことは防衛産業のようなマル秘の部分が多い場合は必要であります。その行いが犯罪的であれば「悪」となるでしょうが、既に予定価格や物の単価が公表されている中で、談合をしてもぼろ儲けのようなことにはならないのです。
きれい事を言って、正義づらして、日本的なものをどんどん叩いて、競争ばかりさせて、その結果、日本はよくなってきたのでしょうか?
多くの企業は潰れ、技術力は低下し、結局高いものを買わされているのが現状ではないでしょうか。
もちろん競争は必要です。しかし談合をしていても日本の技術の進歩は目覚ましいものがありました。それにより経済が成長し、雇用が安定し、給与も年々増え、どんどん消費も盛んになったのです。
私はいろんな集まりで「談合は悪くない」「みんなで分け合うという日本的であり、良き知恵である」と言うと、ほぼ全員が「その通りだ!」と言います。談合を悪いと思っている人はマスコミ報道以上に少ないのです。
しかし、マスコミや左派オンブズマン、市民団体、そしてそれに踊らされた国民が正義ぶって、談合摘発に拍手し、我々の税金でぼろ儲けするなどとんでもない、と言うのです。
一見もっとものようですが、決して業者はぼろ儲けなどしていないし、業者叩きをして結局、自分たちが税金の無駄遣いをさせている面もあるのです。
また、「損をさせたから、次回でその分をカバーするから」と言うのは、日本的なことであり、それこそ互いの信頼関係がなせる日本の精神(嘘をつかない、正直、約束を守る、など)であるのです。
これも「競争原理に反する」と言うならば、誰もが赤字にならないように手を抜くようになるのです。これは当然です。企業というのはボランティアではないのですから、社員に給与を払い、業者に支払いをする義務があるからです。給与を払わなければ誰も働かなくなります。
正義だと思ってマスコミや市民団体に乗せられて日本的なものを排除すればするほど、日本は弱体化していくのです。叩けば日本がよくなるわけでもないし、かえって日本にはマイナスな面も多いのです。
日本の防衛産業の多くは中小企業で、防衛費削減により職人の技術が途絶えようとしています。技術を失うと、その技術を取り戻すことは相当な年数と投資がかかります。
防衛という国の守りに関わることを画一的に叩いても日本の防衛力が強くなることはないのです。
・・・・・・・・
人気ブログランキングに参加しています。
日本的なものは失ってはいけない、と思った方はここをポチッとお願いします。