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西日本豪雨 自衛隊、3万人態勢で救助
(2018年7月5日~)
2018年7月12日更新
死者134人
台風7号と本州付近に停滞した前線の影響で7月5日から8日にかけて九州、中国・四国、関西地方などで記録的な大雨となり、各地で河川の氾濫や土砂崩れが相次いだ。10日正午現在、死者134人、安否不明者約80人となっている。8府県から災害派遣要請を受けた自衛隊は各被災地に救援部隊を派遣し、即応待機要員を含め2万9500人態勢で懸命の人命救助や捜索活動を続けている。小野寺防衛相は10日の記者会見で「今後、長期化すれば、他の部隊から支援を受ける形で継続的な捜索救助や生活支援等を行う態勢を組んでいきたい」と述べた。
土砂崩れや河川氾濫 8府県から災派要請
大雨は5日から降り始め、気象庁は6~8日、長崎から岐阜にかけての計11府県に数十年に1度の重大な災害を対象とする「大雨特別警報」を発表。23府県で最大約360万世帯、約863万人に避難指示・勧告が出される異常事態となった。
8日までに大雨特別警報は解除されたが、ライフラインが寸断され、10日現在も11府県で約27万戸が断水、約5000戸が停電し、1万人超が避難所に身を寄せている。気象庁は今回の豪雨を「平成30年7月豪雨」と命名した。
政府は8日、災害対策基本法に基づき、非常災害対策本部を設置。安倍首相は「機動的に態勢を強化し、救命救助や避難の誘導に全力で当たってもらいたい」と指示した。
防衛省では6日に災害対策連絡室、7日に災害対策室、8日に災害対策本部を設置。小野寺大臣は8日午前、防衛省で記者団に「・・・
防衛関連ニュース
グラフ特集 西日本豪雨 濁流から 瓦礫から 命を救う
2018年7月12日更新
濁流により倒壊した家屋に近づき、行方不明者の捜索活動を行う46普連の隊員(7月7日、広島県広島市で)
水没した市街地で被災者をボートに乗せて安全な場所まで運ぶ10特連の隊員(7月8日、岡山県倉敷市真備で)
土砂崩れ現場の行方不明者を捜索するため、消防隊員と協力して敷地内の土砂を取り除く海自舞鶴教育隊の隊員たち(7月7日、京都府舞鶴市城屋で)
・・・他
防衛関連ニュース
西日本豪雨 陸自7普連、305施設隊など
土砂崩れ懸命の捜索 ボートで救助
(2018年7月5日~)
2018年7月12日更新
土砂崩れで半壊した民家で行方不明者の捜索活動に当たる7普連の隊員たち(7月8日、京都府綾部市上杉町で)
冠水した市街地で夜間、孤立住民を渡河ボートで救助する305施設隊の隊員(7月8日、岡山県倉敷市真備町で)
孤立600人救助
西日本を襲った豪雨災害で、被災者救助のため陸海空自の各部隊は7月6日以降、約3万人態勢で人命救助などに全力で当たっている。京都府では水防活動を行っていた7普連(福知山)が同府綾部市で起きた土砂崩れに伴い、引き続き行方不明者の捜索に従事。小田川の堤防が決壊し、市街地が冠水した岡山県倉敷市真備町では305施設隊(三軒屋)などが渡河ボートなどを使い、孤立者約600人を救助した。
堤防補強に尽力 7普連
京都では7月5日以降、河川が増水し氾濫危険水位に達した。6日午前1時10分、府知事から7普連長に水防活動(堤防補強のための土嚢(どのう)積み)の災害派遣が要請された。
連隊は中方後方支援隊(桂)と共に、約185人で土嚢作りに当たり、計約4660袋で堤防の補強を行った。
その後、7日には京都府綾部市上杉町で土砂崩れが発生、民家に土砂が流れ込んで住民が行方不明になった。同日・・・
ボートで高台へ 305施設隊、倉敷の冠水地区
小田川の堤防が決壊し、1000人以上が市街地に孤立した岡山県倉敷市真備町では6日午後11時11分、県知事から13旅団長に災派が要請され、13特科隊(日本原)、305施設隊(三軒屋)などの約80人が出動、住民の救助に当たった。
各部隊のうち、305施設隊は渡河ボート8艇を使い、被災者の救助を行った。現場では渡河交通小隊長の南昭彦1曹以下12人が活動。
冠水は・・・
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武器使用判断訓練に一役
創意工夫で器材作製 陸自北方警
2018年7月12日更新
北方警務隊企画訓練科が自ら作製した「武器使用判断訓練器材」(紙製スクリーン)を使い、射撃訓練を行う同隊隊員
【北方警=札幌】陸自北部方面警務隊本部の企画訓練科はこのほど、創意工夫し「武器使用判断訓練器材」を作製し、活用している。
警務科部隊隊員(警務官)は、警察官と同じように凶悪犯逮捕などの際、武器を使用できるが、警察が使用しているシミュレーション装置は高額で導入することが難しく、武器使用の訓練で制約を受けていた。
そのため、訓練班長の北誠三3佐と運用班長の澤田誠1尉が発案し、訓練器材を作製した。
訓練器材は、・・・
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父島に「ちちじま」寄港
小笠原諸島返還50周年祝う 海自41掃海隊
(2018年6月28日~7月1日)
2018年7月12日更新
掃海艇「ちちじま」を訪れた小池都知事(左)から激励され握手を交わす岡田艇長(7月1日、いずれも父島で)
祝賀パレードで演奏を披露する横須賀音楽隊の隊員たち(6月30日)
【海幕】海自41掃海隊(横須賀)の掃海艇「ちちじま」は6月28日から7月1日まで、「小笠原諸島返還50周年記念行事」に参加するため、小笠原諸島(東京都小笠原村)の父島の二見港に寄港した。
「ちちじま」乗員は入港後、式典に参加する来賓を輸送する海自US2救難飛行艇が揚陸する際にカキ殻などでタイヤがパンクするのを防ぐ「すべり地区」の整備・清掃を、父島基地分遣隊員と合同で行った。
また、艇長の岡田茜1尉以下8人は艦内神社の祭祀の大神山神社へ約1年ぶりに参拝し、航海の安全を祈願した。
29日は「ちちじま」の一般公開を実施。島民のほか・・・
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空自3空搭乗員 中村1海曹 四半世紀かけ1万飛行時間
(2018年6月22日)
2018年7月12日更新
「1万飛行時間」を達成した中村1曹(前列右から5人目)と3空の隊員たち(6月22日、厚木基地で)
「家族の支えに深く感謝」
【3空=厚木】海自3航空隊31飛行隊でP1哨戒機の非音響対潜員として勤務する中村光治1曹は6月22日、「総飛行時間1万時間」を達成した。
中村1曹は平成3年4月、佐世保第1期曹候補士として入隊。5、9空(那覇)、1空(鹿屋)、81空(岩国)などを経て、今年3月からP1哨戒機の搭乗員として3航空隊で勤務。通算飛行配置25年をかけて大台となる記録を達成した。
1万飛行時間はP1哨戒機5508号機(機長・新屋雄治3佐以下17人)に搭乗し達成。この日、飛行を終えて厚木基地に帰投した中村1曹は、藤澤豊3空司令をはじめとする多くの隊員に拍手と歓声で出迎えられた。
中村1曹は四半世紀の飛行を振り返り「よき先輩、後輩、整備員の方々など関係する全ての方々に感謝いたします。何よりこれまでの家族の温かい支えに深く感謝したい」と語った。