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国産C2世界デビュー 国外運航訓練に参加
3輸空クルーは語る
2018年1月9日更新
「メイド・イン・ジャパンのC2を世界に売り込め!」――。国産のC2輸送機を初配備した空自第3輸送航空隊(美保)は昨年、2度の国外運航訓練を行った。初回はアラブ首長国連邦のドバイ。中東最大のエアショーへの出展が目的の一つだった。2回目は南半球の豪州とニュージーランド。こちらも大きな注目を集めた。両訓練に参加した3輸空のクルー9人に、現地でのC2に対する反響と今後の抱負を聞いた。(菱川浩嗣)
<ドバイ>
――ドバイに飛んだ感想を。
吉田2佐 昨年8月に飛行隊長を拝命しましたが、国外に自分で操縦して飛ぶのは初めてでしたので、南シナ海を経てインドシナ半島の陸地が見えた時は感慨深いものがありましたね。
日の丸つけたC2見た時とても感激 諸田3佐
諸田3佐 航空ショーの会場で多くの展示機の中で「日の丸」をつけたC2を見た時はとても感激しました。
江島3佐 C2はまだ特別な方式による航行(RVSM)の認証を受けていないため、2万9千フィート(約8840メートル)以上の高度では飛べない。今回、高度の制約を受けた状況においても無事に運航を完遂できたことは、本格的な運用に向けて大きな自信となりました。
橋本1曹 訓練に先立ち、整備部門の隊員が一丸となって数カ月かけて機体や交換部品などの準備を行い、万全を期しました。その甲斐あってドバイに無事到着することができました。出迎えの方が日の丸を振っているのを見た時はすごく感動しましたね。
――ドバイではC2をどうPRしたのか。
最も聞かれたのは不整地着陸の能力 吉田2佐
吉田2佐 民間機の展示が多い中、C2を見に来てくれる方がたくさんいました。最もよく聞かれたのが、「不整地着陸ができるのか?」という質問でした。「・・・
<オーストラリア・ニュージーランド>
――2回目の国外運航は豪、ニュージーランドでしたね。現地での反応は。
NZの首都ウェリントンで体験飛行 早見3佐
早見3佐 NZでは首都ウェリントンで体験飛行を行いました。搭乗した軍人からはかなり専門的な質問を受けました。
諸田3佐 C2は機内にベッドとギャレー(調理場所)があり、クルー用の保管スペースを見て「すごく充実しているね」と高く評価していました。
早見3佐 「すごいな!嫉妬するよ」との声もありましたね(笑い)。
山路3佐 NZ空軍の将官も訪れ、さまざまな質問を受けました。
――整備面で苦労したことは。
橋本1曹 C2は着陸から離陸までの間に・・・
海外運航の経験値積んで精強に ――北村靖二 3輸空司令
今回、海外運航の経験値を積めたことは部隊のさらなる精強化につながる。
私もクウェートに・・・
◇C2輸送機
空自C1輸送機の後継機として川崎重工業が開発。最大搭載量約36トンで、20トン搭載時、約7600キロの長距離飛行が可能。欧州のエアバス・ミリタリー社の中型輸送機「A400M」と同サイズだが、航続距離や飛行速度などで優る。海外に移転できる有望な防衛装備品として官民あげて世界に売り込みを図っている。
防衛関連ニュース
初の女性P1機長誕生 荒川1尉「女性搭乗員の手本に」
2018年1月9日更新
「初機長セレモニー」の後、P1哨戒機5506号機の前で両親や部隊の上官・同僚たちと記念撮影に納まる荒川1尉(前列中央)(12月12日、厚木航空基地で)
P1の機長として帰投後、出迎えた藤澤3空司令(左)と握手を交わす荒川1尉(12月12日、厚木航空基地で)
【3空=厚木】最新鋭のP1ジェット哨戒機を海自で最初に運用している4航空群3航空隊に昨年末、初の「女性機長」が誕生した。初の女性P1機長となったのは3空31飛行隊の荒川美代子1尉(31)。同隊では荒川1尉にジェット機時代を迎えた海自航空部隊の「牽引者となってほしい」と熱い期待を寄せている。
新年 飛躍のフライト!
プロペラ機のP3C哨戒機から国産のジェット哨戒機P1に機種転換中の海自で、初の女性P1機長となったのは31飛行隊の荒川美代子1尉。平成22年3月に日本大学経済学部を卒業後、一般幹部候補生として海自に入隊し、その後、パイロットを目指し約7年の歳月を経て、昨年11月9日、ついに「機長資格」を取得した。
この快挙を祝い、・・・