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小野寺大臣 新春に語る(全文) 安保環境一層厳しく①

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小野寺大臣 新春に語る(全文)
安保環境一層厳しく①

2018年1月5日更新

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 新年の課題と抱負について中島毅一郎朝雲新聞社社長(右)のインタビューに答える小野寺防衛相(大臣室で)


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 「国民の命と平和な暮らしを守り抜くという、政府に課せられた最も重要な責務を全うしていく」と決意を語る小野寺防衛相
 核実験とミサイル発射を繰り返す北朝鮮、さらには海洋進出を強め、活動範囲の拡大化を図る中国など、日本を取り巻く安全保障環境は今まで以上に厳しさを増している。昨年8月に2度目の防衛相に就任して以来、25万人の自衛隊員の先頭に立って職務に当たる小野寺五典大臣に、我が国の防衛政策の方向性をうかがうとともに、新年の意気込みと抱負を聞いた。(聞き手・中島毅一郎朝雲新聞社社長)

 ――昨年(2017年)は、核・ミサイル開発を強行する北朝鮮、海洋進出を活発化させる中国など、日本を取り巻く安全保障環境がますます厳しくなったように思います。前回、小野寺大臣が防衛相を務められた2012年12月から2014年9月と今とでは、大臣のお立場からどのような変化をお感じになられているでしょうか。
 小野寺大臣 2012年末の状況を振り返りますと、防衛大臣就任直前、北朝鮮は「テポドン2」派生型を発射し、さらに、中国の航空機による尖閣諸島付近の領空侵犯といった事案が立て続けに発生しました。大臣就任後も、中国海軍艦艇による海自護衛艦搭載ヘリへのレーダー照射事案、中国海軍の太平洋進出の常態化、北朝鮮による核実験・弾道ミサイル発射、在アルジェリア邦人に対するテロ事件など、休む間なく、事案対応をしていたように記憶しています。
 ただ、当時と比べても、現在の我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増していると考えます。北朝鮮は昨年来、過去最大出力と推定される規模の核実験を含む3回の核実験のほか、我が国を飛び越えたものや、ICBM(大陸間弾道弾)級の長射程のものを含む40発もの弾道ミサイルの発射を強行しました。これらは国際社会に対する正面からの挑発であるとともに、我が国を含む地域の安全に対するこれまでにない重大かつ差し迫った脅威となっています。
 中国軍の海空戦力は継続的に発展しており、その活動範囲は東シナ海から南シナ海・太平洋・日本海へとますます拡大しています。また、南シナ海で大規模かつ急速な埋め立てを強行するなど、自らの一方的な主張を妥協なく実現しようとする姿勢を継続しています。
 さらに、国際テロの脅威がグローバルに拡散、サイバー攻撃が日に日に高度化・巧妙化するなど、一国・一地域で生じた混乱が直ちに国際社会全体の課題や不安定要因に拡大するリスクが高まっています。
 防衛省としては、こうした我が国を取り巻く厳しい現実に正面から向き合い、安全保障環境の変化に的確に対応するための万全の備えを行い、国民の命と平和な暮らしを守り抜くという政府に課せられた最も重要な責務を全うしていく考えです。

日米同盟強化し抑止力向上 平和安全法制で命と暮らし守る
 ――大臣はご着任時に、安倍首相からの指示として「平和安全法制に基づく自衛隊の着実な任務遂行に万全を期す」と述べられました。また、1期目の2014年には、集団的自衛権の限定行使容認に向けた「憲法解釈見直し」の閣議決定にも携わられました。「平和安全法制」は「日米ガイドライン」ともリンクしています。今後、自衛隊が果たすべき役割、そのためにどういった施策が必要だとお考えですか。
 小野寺大臣 我が国を取り巻く安全保障環境は、さまざまな課題や不安定要因がより顕在化・先鋭化してきており、一層厳しさを増しています。今や、脅威が世界のどの地域において発生しても我が国の安全保障に直接的な影響を及ぼし得る状況となっており、また、どの国も一国のみで平和を守ることはできません。
 平和安全法制は、このような厳しい安全保障環境の中で、憲法の範囲内であらゆる事態に切れ目のない対応をしようとするものであり、国民の命と平和な暮らしを守るために必要不可欠なものです。
 特に、平和安全法制の成立により、日米間の協力は非常にスムーズに行われています。日米同盟は一層強固になり、抑止力の強化につながり、さらに、米国をはじめ、関係国からの信頼を一層向上させたと考えており、これにより、我が国の安全も一層確実なものとなったことは間違いありません。
 また、日米ガイドラインは、平和安全法制と相まって、日米協力の拡大を可能とし、同盟の抑止力・対処力を一層強化するものです。平時から緊急事態までのいかなる状況においても日本の平和と安全を確保するため、また、アジア太平洋地域とこれを越えた地域が安定し、平和で繁栄したものとなるよう、日米で共にしっかりと取り組んでいくことが重要です。
 我が国が果たすべき役割と責任については、現状にとどまることなく検討していくことが重要です。
 このような考え方の下、昨年8月に実施した日米「2プラス2」においては、我が国は次期中期防の計画期間を見据え、同盟における日本の役割を拡大し、防衛能力を強化させる意図を有する旨を表明しました。
 我が国としては、南西地域の防衛体制の強化や弾道ミサイル防衛能力の強化、日米共同訓練の実施などに加え、宇宙、サイバーなどといった新たな分野において、これまで以上の役割を果たすことにより、日米同盟全体の抑止力・対処力をより一層強化していくことが必要だと考えます。

「大綱」「中期防」不断の検討必要
 ――今年末には次期中期防が策定されます。「防衛大綱の不断の見直し」の検討も含め、考え方のポイントや方向性について教えてください。
 小野寺大臣 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米同盟の強化を図ると同時に、我が国自身の防衛力を強化し、自らが果たし得る役割の拡大を図る必要があると考えています。
 現行の「中期防衛力整備計画」については、30年度で期限を迎えることから、今のうちから次の計画について検討を進めることが必要です。その際、計画の前提となる「防衛計画の大綱」についても、安全保障環境の変化に対応し、あるべき防衛力の姿はいかなるものかといった観点から、その見直しについて不断の検討を行っていくことが必要と考えています。
 これまで進めてきた南西地域の防衛強化や、弾道ミサイル防衛の強化に加え、宇宙、サイバーといった新たな分野も検討課題になるものと考えています。





 防衛関連ニュース

小野寺大臣 新春に語る(全文)
安保環境一層厳しく②

2018年1月5日更新

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 大臣にインタビューする中島毅一郎朝雲新聞社社長
「イージス・アショア」最速で整備
 ――北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対応するため、昨年末(2017年)の閣議で、地上配備型の「イージス・アショア」の導入が決まり、30年度予算案に必要経費が盛り込まれました。
 小野寺大臣 北朝鮮の弾道ミサイル能力がさらに向上されていく中、一刻も早く、北朝鮮の弾道ミサイル攻撃から全国を常時・持続的に防護する能力を抜本的に向上させ、国民の生命、我が国の領土・領海・領空を守り抜く万全の備えを構築する必要があると考えています。
 このため、昨年末に、「イージス・アショア」を導入することを決定いたしました。今後、最速のスケジュールで整備を進めていけるよう必要な取り組みを着実に行い、我が国の弾道ミサイル防衛能力の抜本的向上を図ってまいります。

オスプレイは水陸両用作戦の中核 災害救援や離島の急患輸送にも有益
 ――今年(2018年)3月には、陸上総隊と水陸機動団が新編されます。新たな体制構築に向けた部隊新編の意義について、導入を進めるオスプレイ運用のメリットなども含めてお話し下さい。
 小野寺大臣 本年3月の陸上総隊の新編により、陸上総隊司令官が、①陸自の各方面隊を一元的に指揮するとともに、②統幕、自衛艦隊(海自)、航空総隊(空自)との調整を一元的に担う――ことになり、従来の五つの方面隊が並立している体制に比べ、弾道ミサイル攻撃や島嶼部に対する攻撃、大規模災害等の全国レベルで機動的に対応すべき事態において、迅速かつ的確に防衛体制を構築することが可能となります。
 また、水陸機動団は、島嶼への侵攻があった場合に、速やかに上陸・奪回・確保するための本格的な水陸両用作戦を担う部隊であり、水陸機動団の新編により、島嶼部の防衛体制が強化されます。
 陸自V22オスプレイは、水陸機動団の空中機動など水陸両用作戦の中核として活用することを考えておりますが、現有のCH47J輸送ヘリに比べ、最大速度が約2倍、航続距離が約3倍と極めて高い性能を有しており、陸自の島嶼防衛能力の強化を図るために不可欠な装備品です。
 このため、防衛省としては、水陸機動団との一体性などの観点から、佐賀空港に配備する予定ですが、その高い能力を活用することにより、全国での災害救援や九州地方にも多く所在する離島での急患輸送にも有益であると考えています。

空自F35A、航空優勢の確保に期待
 ――空自への導入が進む最新鋭のF35Aステルス戦闘機の運用構想についてはいかがでしょうか。
 小野寺大臣 F35A戦闘機については、現有のF4戦聞機の減勢に適切に対応し、防空能力を向上させるため、計42機を取得することとしています。
 F35Aは空対空戦闘において、先に敵を発見して撃破するために必要不可欠なステルス性や、ネットワーク戦闘能力などに優れていることに加え、マルチロール(多機能)機として空対地攻撃能力も有している最も先進的な機体です。
 こうした最新鋭の機能・性能を有するF35Aは、平成30年から三沢基地への配備を開始し、以降、順次配備を行っていきます。
 42機のF35Aは、全て三沢基地の2個飛行隊(平成30、32年度にそれぞれ新編予定)で運用されることになります。
 有事に際しては、他のF15飛行隊やF2飛行隊、地対空誘導弾部隊、航空警戒管制部隊、空中給油部隊などと共に防空戦闘に従事し、高いステルス性と優れたセンサー、編隊間データリンク(MADL)や戦術データリンク(LINK―16)による高い状況認識能力を発揮して、組織戦闘力を飛躍的に高めつつ、巡航ミサイルや敵の第5世代機、爆撃機に対処することにより、島嶼部防衛の前提となる航空優勢の確保に大きく貢献することが期待されています。

機会均等と適材適所で女性自衛官の活躍を後押し
 ――防衛省は昨年4月、「女性自衛官活躍推進イニシアティブ」を発表するとともに、陸自の普通科中隊、戦車中隊などへの配置が女性自衛官に開放され、全自衛隊で女性自衛官の配置制限が実質的に撤廃されました。大臣の女性自衛官に対する期待と構想についてのお考えはいかがですか。
 小野寺大臣 昨年4月に策定した「女性自衛官活躍推進イニシアティブ」においては、時代と環境に適応した魅力ある自衛隊を目指し、自衛隊において女性の活躍推進に取り組む意義とそのための人事管理方針を明確にしました。
 そして、現在約6%である女性自衛官の比率を倍増させるという高い目標を掲げ、これまでの配置制限をさらに見直し、実質的に全て解除することにしました。
 従来の女性自衛官に対する配置制限は、近接戦闘における戦闘効率の維持などの観点から、個人の能力等の有無によらず、女性の配置を制限するものでした。
 その見直しは、意欲と能力・適性のある女性自衛官が、あらゆる分野で活躍する機会を開くためのものです。既に数多くの女性自衛官が北海道から沖縄まで、また遠く海外で、重要な責務を担いながら今日も勤務しています。女性自衛官のさらなる活躍は極めて重要な課題であり、機会均等と適材適所の配置という原則の下、女性自衛官の活躍推進に一層努めていきたいと考えています。





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小野寺大臣 新春に語る(全文)
安保環境一層厳しく③

2018年1月5日更新
各国との防衛協力をさらに強化「自由で開かれたインド太平洋」の確保は重要
 ――大臣は2期目も引き続き、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域を中心にさまざまな国際会議等にご出席され、各国との「2プラス2」や防衛相会談などにも積極的に臨んでおられます。日米豪印の関係もますます重要となる中、国際情勢に関するご認識をおうかがいさせてください。
 小野寺大臣 北朝鮮による核・ミサイル開発や中国の軍事力の増強をはじめ、我が国周辺の安全保障環境はより一層厳しさを増しています。
 また、グローバルな安全保障環境についても、国際テロの脅威が拡散するほか、サイバー攻撃が日に日に高度化・巧妙化するなど、一国・一地域で生じた混乱が、直ちに国際社会全体の不安定要因となるリスクが高まっています。
 脅威は世界のどの地域においても発生し、我が国に直接影響を及ぼし得るものであり、もはやどの国も一国のみでは自国の安全を確保できず、国際社会が一致して国際的な課題解決に取り組むことが不可欠となっています。
 こうした状況の下、各国と安全保障・防衛分野での連携をさらに強化する必要があると考えています。
 特に、法の支配に基づく国際秩序が挑戦を受けている中、日米同盟を基軸としつつ、豪州やインド、ASEAN諸国など、法の支配や民主主義といった普遍的価値と戦略的利益を共有する国との2国間・多国間の協力関係をさらに発展させ、海洋における法の支配の徹底を通じ、「自由で開かれたインド太平洋」を確保することが重要であると認識しています。
 各国との協力について具体的に申し上げれば、日米同盟は、我が国の安全保障政策の基軸であり、私が防衛大臣に着任した昨年8月に日米「2プラス2」と日米防衛相会談を開催するなど、揺るぎない同盟の絆を確認するとともに、同盟の抑止力のさらなる強化に取り組んでいます。
 豪州とは、共同訓練や能力構築支援において具体的な協力が進んでおり、日米豪3カ国間でも共同訓練などの協力が進んでいます。インドとの間では、海上共同演習「マラバール」が昨年から日米印3カ国主催になるなど、具体的な協力が進展しており、昨年9月には日インド防衛相会談を開催して防衛協力のさらなる深化で一致しました。
 ASEANとの間では昨年10月に第3回「日・ASEAN防衛担当大臣会合」を開催し、「ビエンチャン・ビジョン」の下で防衛協力を一層推進していくことを確認しました。
 さらに、普遍的価値と戦略的価値を共有する英仏をはじめとした欧州諸国との協力強化にも取り組んでいます。
 今後も、アジア太平洋地域や国際社会との安全保障協力を積極的に推進し、地域とグローバルな安全保障環境の改善を図るとともに、このような取り組みを通じ、国民の安全と安心の確保に万全を期してまいります。

PKOや能力構築支援など、日本の強みを生かした国際貢献
 ――昨年は南スーダンから陸自PKO部隊が撤収し、現在は司令部派遣が継続しています。一方で、ジブチでの海賊対処や「災害対処能力強化支援(重機教育)」をはじめ、東南アジア諸国への能力構築支援、アフリカではケニアで国連初の「早期展開プロジェクト」など、自衛隊によるさまざまな支援が行われ、現地や国連関係者から感謝されています。今後、PKOの部隊派遣を含め、自衛隊の国際活動について大臣はどのように発展させていくお考えですか。
 小野寺大臣 これまで防衛省・自衛隊は、25年にわたり、カンボジア、ゴラン高原、東ティモール、南スーダンをはじめ、世界のさまざまな地域で国連平和維持活動(PKO)などに参加してきました。
 昨年5月、南スーダンPKO(国連南スーダン共和国ミッション=UNMISS)から施設部隊が撤収しましたが、現在も自衛官4名が司令部要員として、UNMISSの活動に貢献しています。
 また、実際の要員派遣による貢献のみならず、能力や装備品不足を課題とする部隊派遣国に対して、我が国の得意分野の知見などを生かした支援を行う、要員派遣国との「パートナーシップ型」の貢献も重視しています。
 「国連アフリカ施設部隊早期展開プロジェクト(ARDEC)」は、国連、支援提供国、要員派遣国の三者が連携する「三角パートナーシップ・プロジェクト」であり、我が国が拠出した資金を基に国連が重機調達や訓練提供を実施する事業に対し、防衛省・自衛隊が、ケニアにある「国際平和支援訓練センター」に陸上自衛官等を講師として派遣し、アフリカ各国の施設部隊要員に対して重機の操作訓練を行うなど、国連PKOなどで培った経験を活用し、PKO要員派遣国の能力構築支援にも取り組んでいます。
 国連PKOへの参加や能力構築支援に加え、我が国はPKOに関する政策検討の取り組みにおいても貢献しています。例えば、私が防衛大臣を務めていた約4年前には、専門家会合を主催して「国連工兵部隊マニュアル」の作成をリードしました。また、昨年11月にカナダで開催された「国連PKOに関する国防大臣会合」の共催国として、防衛省はこれに先立つ8月に、訓練や能力構築支援をテーマとした準備会合を東京で開催し、32カ国で活発に議論を交わす機会を提供しました。
 さらに、国連PKOのみならず、人道支援・災害救援、海洋安全保障といった分野における他国軍の能力構築支援にも取り組んでいます。
 ジブチ軍の災害対処に係る能力構築のため、同国に陸上自衛官を派遣し、ジブチ軍工兵部隊の要員に対して災害対処に必要な重機の操作教育などを実施しているほか、東南アジアにおいても、インドネシアに対して海図作成などの海洋学、フィリピンに対しては艦船ディーゼルエンジン整備に関する支援などを実施しています。
 我が国は「積極的平和主義」の旗の下、今後とも、我が国の強みを生かし、能力構築支援の強化、部隊・個人派遣など、国際平和協力分野においてより一層積極的に貢献してまいります。

「一隅を照らす」モットーに
 ――話は変わって、個人的な話題になりますが、大臣はご公務としてもテレビのニュース番組などに頻繁に出ておられ、大変ご多忙だと思います。そのような中で、貴重な休日はどのようにお過ごしですか。体力維持の秘訣やご趣味についても教えてください。
 小野寺大臣 基本的に休むことはないです。いついかなる時に何か発生してもすぐに対応するため、平日はもちろん、土日も防衛省に極力出てきています。防衛大臣がテレビに映るというのは安全保障上、好ましいことではありません。平和であれば、目立たず静かに任務をこなすのが我々の仕事ですから、それだけ今の状況が厳しいということの表れだと思います。
 とはいえ、体を鍛えるために、土日に防衛省にいない時には時間を作って皇居周辺を走っています。もともとはテニスとスキーを長年やっていて大会にも出ていたのですが、今はその時間がないので皇居周辺をジョギングしています。

 ――大臣の「人となり」が分かるような信条やお好きな言葉を教えていただけますか。
 小野寺大臣 座右の銘は、西郷隆盛が好きだった「一隅を照らす」です。日の当たる場所でなくても大事な仕事はたくさんあります。それがあって初めて世の中が平和に動いている。さまざまな分野で活躍されている隊員の方々について、大臣として認識していくことが大事だと思っています。
 前回、大臣を務めた時は、北海道から沖縄まで全国150カ所以上の部隊を視察し、離島のレーダーサイトなど地方で活躍する最前線の隊員、しっかりと国を守っている隊員の姿を目の当たりにしました。
 大きな駐屯地や基地などの目立つ部隊を支え、基盤となる、例えば補給や離島防衛などの任務に就く部隊の重要性を認識しておりますので、これからもなるべくそうした部隊を激励し、隊員の士気を上げていきたいと思っています。

 ――最後に、全国の隊員の方々に向けて新年のメッセージをお願いいたします。
 小野寺大臣 年末年始も国内外のそれぞれの現場において任務を全うする隊員諸君に感謝を申し上げるとともに、その労をねぎらいたいと思います。
 新年を迎えた今、隊員諸君におかれては厳しい安全保障環境の下、国民の期待と信頼に応えるべく、改めて一人一人が国民の命と平和な暮らしを守り抜くという強い使命感を持って厳正な規律を維持しつつ、一層職務に精励されることを切に望みます。
 私も25万人の隊員諸君と共に、国民の生命・財産、我が国の領土・領海・領空を断固として守り抜くという決意を新たにし、全身全霊をもって職務に当たる所存です。
 隊員諸君とご家族の皆さまの益々のご健勝とご多幸を心からお祈りするとともに、本年が防衛省・自衛隊にとってさらなる成長の年となることを祈念します。





 防衛関連ニュース

30年度予算案 防衛費5兆1911億円
6年連続増で過去最大 
(2017年12月22日)

2018年1月5日更新

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 平成30年度の防衛予算案を決める省議で関係者の労をねぎらい、「国会への説明を十分に行い、早期の成立を期し、予算案をしっかりと実行に移していくことが重要だ」と述べる小野寺防衛相(テーブル左から2人目)=12月22日、防衛省で
 政府は12月22日の閣議で平成30年度予算案を決定した。一般会計総額は29年度当初予算比0.3%増の97兆7128億円となり、6年連続で過去最大を更新。このうち、米軍再編関係費やSACO(沖縄に関する特別行動委員会)関係費などを含めた防衛費は同1.3%増の5兆1911億円と6年連続で増加し、過去最大規模となった。政府は1月に召集する通常国会に予算案を提出し、早期成立を目指す。
 一方、SACO関係費などを除いた防衛費は同0.8%増の4兆9388億円となり、6年連続の増額を受けてようやく平成14年度の水準まで回復した。
 30年度は、北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威を踏まえ、弾道ミサイル防衛(BMD)の強化に重点を置く。
 陸上配備型「イージス・アショア」2基の・・・





 防衛関連ニュース

海自横須賀弾薬整備補給所の警備犬
年末年始休まず基地をパトロール

2018年1月5日更新

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 「戌年」を迎えた2018年の正月も任務に就く警備犬。新年の抱負を「ワン!」と大きく吠えて答える「ルフト」


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 横須賀地区の警備任務に当たる警備犬とハンドラーたち。(左から)佐藤裕紀3曹とシャイな「ユウ」、小林3曹と人懐っこい「ルフト」、萩田3曹とやんちゃな「ツォロ」(12月15日、横須賀弾薬整備補給所で)


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 小林3曹に伴走する「ルフト」
 今年は戌(いぬ)年。自衛隊でもジャーマン・シェパードが「警備犬」として全国の基地で活躍中だ。海自横須賀弾薬整備補給所では現在、15頭の警備犬が陸警隊の隊員とタッグを組んで基地警備に当たっている。「警備には盆も正月もない」として年末年始の期間中も休まずパトロールの任務に就いている。横須賀・新井地区に同隊を訪ね、今年の〝顔〟となる警備犬たちの働きぶりを見てきた。(横田大法)

今年の〝顔〟警備に奮闘
 「吠えろ!」「ワン、ワン」――。
 記者が横須賀弾補所の訓練場に近づくと、さっそく3頭の警備犬が激しく吠え立てた。犬は近づく〝不審者〟を「人間の何千倍もの嗅覚で直ちに発見する」という。
 ここで陸警隊員が「止め!」と命じると、3頭はピタリと吠えるのをやめた。
 フェンスに囲まれた訓練場の広さは約600平方メートル。その中に平行はしご、シーソー、トンネルなどの障害物が置かれ、これら器具を使って「ハンドラー(訓練士)」たちが警備犬として必要な技能を身に付けさせている。
 「1歳半の若いシェパードが〝警備機材〟として導入され、訓練を開始します」と話すのは小林利文3曹。2年前に警備犬「オーディン」(3歳、オス)と共に広島県呉地区の呉造修補給所貯油所で行われているハンドラーの教育を受け、現在、横須賀では後輩たちの指導に当たっている。

不審者を直ちに発見、一直線に襲撃 犬も人も〝褒めて育てる〟が重要
 警備犬となるジャーマン・シェパードは〝全天候型〟で、ハンドラーに従順かつ勇敢だ。性別は関係ない。
 警備犬の任務は「基地内に侵入した不審者を発見する」こと。見つけたら「・・・





 防衛関連ニュース

陸空ソプラノ歌手が新年の抱負
松永士長(陸中音)、森田2士(空中音)

2018年1月5日更新

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 成長と飛躍を目指す愛知県立芸術大同期の陸自中央音楽隊の松永士長(左)と航空中央音楽隊の森田2士=12月21日、朝霞駐屯地の陸自中音で
共に「成長の年に」
 「成長の年にしたい」――。東京・日本武道館で行われた「自衛隊音楽まつり」に初めてそろって出演するなど、活躍を見せる愛知県立芸術大学(同県長久手市)音楽学部声楽専攻同期生の松永美智子陸士長(陸自中央音楽隊=朝霞)と森田早貴2空士(空自航空中央音楽隊=立川)の二人のソプラノ歌手がこのほど、新たな1年と今後への抱負を語った。

愛知県立芸大同期
 7回にわたって行われた昨年11月の「自衛隊音楽まつり」。フィナーレで松永士長と森田2士は三宅由佳莉3海曹(海自東京音楽隊)と共に「世界に一つだけの花」を手話も交えて歌い、万雷の拍手を送られた。
 二人は共に愛知県出身で愛知県立芸大で声楽を学んだ。平成26年3月に卒業し、松永士長は同月入隊。鶫(つぐみ)真衣陸士長(中部方面音楽隊)と共に、陸自音楽隊の歌手としてスタートを切った。
 森田2士は修文大学短期大学部(愛知県一宮市)でピアノの講師を務めた後、昨年3月に入隊し、空中音にボーカル兼ピアニストとして配属された。
                   ◇
 大学4年時にはオペラの制作も行い、「(歌以外に)演技や表情なども勉強した。音楽まつりにも・・・





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