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陸自9戦車大隊に2人の女性自衛官 初めて配置 岩手
2017年12月4日更新
【9戦大=岩手】9戦車大隊(大隊長・武田亀代雄2佐)にこのほど、藤原麻穂2士(1中隊)と佐々木理恵2士(2中隊)の2人の女性自衛官が戦車手(装てん手)として配置された。戦車中隊への配置は陸自で初めて。
これまで戦車部隊の入隊直後の女性自衛官は、衛生科職種を除き戦車大隊本部管理中隊の通信小隊、補給小隊に配置されていたが、今年4月の配置制限見直しで普通科中隊、偵察隊などとともに戦車中隊へも配置されることとなった。
藤原2士、佐々木2士はともに4月に入隊。前期教育後の新隊員特技課程「機甲」(7月3日~9月23日)では、16人の男性隊員とともに岩手駐屯地内の自動車教習所で・・・
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<平和安全法制> 新任務付与から1年 今後の課題
2017年12月4日更新
多国間共同訓練「コブラ・ゴールド」で行われた「在外邦人等保護措置訓練」で、盾を手にバリケードの除去に向かう陸自隊員たち(今年2月19日、タイのサメサン海兵隊基地で)
初の在外邦人等保護措置訓練で、日本大使館に見立てた建物から邦人を救出する隊員。フェンスの外は暴徒が取り囲んでいる(昨年12月15日、相馬原演習場で)
昨年3月に施行された「平和安全法制」に基づき、自衛隊に初めて新任務が付与されてから1年。陸海空の3自衛隊は昨年8月から随時、新たな任務を含むさまざまな訓練を行って練度向上を図ると同時に、米軍との連携強化にも取り組んでいる。これまで報道公開された訓練を中心に、その歩みを振り返るとともに、今後の課題と展望について志方俊之・帝京大名誉教授に聞く。(日置文恵)
米軍との連携強化進む
自衛隊は昨年8月、新任務に関する訓練を全国で開始した。同11月には、南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に当たる陸自派遣施設隊11次隊に対し、「平和安全法制」に基づく「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の新任務が初めて付与された。
同月の日米共同統合実動演習「キーン・ソード」では、日米初の重要影響事態を想定した捜索救助活動訓練を実施。以後、国内外のさまざまな機会を捉えて「在外邦人等の保護措置」「協力支援活動」「船舶検査活動」などの訓練を行っている。
「在外邦人等の保護措置」は、・・・
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<平和安全法制>
志方俊之帝京大名誉教授(元陸将)に聞く
法の成立 重要な第一歩
2017年12月4日更新
志方俊之帝京大名誉教授(元陸将)
現下の厳しい安全保障環境に隙間なく対応するため、2年前に「平和安全法制」が成立したことは、我が国防衛の観点から非常に重要な第一歩だ。
最終的には憲法改正が必要だと考えるが、これには時間がかかる。まずは同法制で可能となった新任務の「駆け付け警護」や「武器等(米艦)防護」などから着実に進め、あらゆる事態に備えていくことが必要だ。
昨年3月の施行を受けて、現場の部隊は新任務を整斉と安全確実に遂行できるよう、厳しい訓練を行っている。その上で、喫緊の課題として次の3点を挙げたい。
一つ目は、朝鮮半島有事を想定した「非戦闘員退避のための活動(NEO=Non―combatant Evacuation Operation)」だ。
万が一、朝鮮半島有事が起これば、旅行者を含めた在韓邦人約6万人の緊急退避は自衛隊の任務となる。その際、自衛隊の活動地域は局限される可能性もあり、邦人だけを助けるというわけにはいかない。
自国民の退避活動はどの国も一国で成し得る任務ではなく、たとえば日米英仏など・・・
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<平和安全法制> 成立後の歩み
2017年12月4日更新
初の「米艦防護」を実施した海自のヘリ搭載護衛艦「いずも」(手前)。奥は米海軍補給艦「リチャード・E・バード」=今年5月1日、房総半島沖で
2015年 | 9月19日 | 「平和安全法制」成立 |
2016年 | ||
3月29日 | 「平和安全法制」施行 | |
8月24日 | 「平和安全法制」で可能となった新任務に関する訓練開始 | |
8月25日~ 10月26日 | 南スーダンPKOに派遣される陸自施設隊11次隊が準備訓練(青森駐屯地、岩手山演習場など)。PKO法に基づき、平和安全法制で可能となった新任務「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」に関する訓練を行い、10月24日、報道陣に初公開。 | |
10月30日~ 11月11日 | 日米共同統合実動演習「キーン・ソード17」で、日米初の平和安全法制に関する訓練として、重要影響事態における捜索救助活動に関する訓練を実施(沖縄県うるま市浮原島と周辺海空域)。日本周辺海空域などで日米約3万6000人が参加。 | |
11月15日 | 陸自施設隊11次隊への「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の新任務付与を閣議決定。「平和安全法制」に基づく初の新任務付与。 | |
11月18日 | 防衛大臣、陸自施設隊11次隊に「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の新任務の付与を命令。 | |
12月12日 | 陸自施設隊11次隊、南スーダンで新任務の実施が可能に | |
12月12日~16日 | 平成28年度「在外邦人等保護措置訓練」で、自衛隊法第84条の3に基づく在外邦人等の保護措置に関する一連の流れを初めて演練。平和安全法制に基づく初の邦人救出訓練として「任務遂行型の武器使用」のもと、暴徒への対処要領などを確認。陸自相馬原演習場、空自入間基地、相模湾上の艦艇などで3自衛隊約500人が参加。 | |
12月22日 | 「武器等防護」の運用開始。新任務の「米艦防護」が可能に。 | |
2017年 | ||
1月23日~27日 | 平成28年度「自衛隊統合指揮所演習」で、米軍等の部隊の武器等防護に関する一連の流れを初めて図上で演練。在外邦人等の保護措置に関する一連の流れも演練した。防衛省市ヶ谷地区などで3自衛隊約8700人が参加。 | |
1月24日~ 2月24日 | タイでの多国間共同訓練「コブラ・ゴールド17」で、海外初の「在外邦人等保護措置」の実動訓練を実施。指揮所演習では新たな「国際平和支援法」に基づく協力支援活動と船舶検査活動に関する訓練も実施した。3自衛隊から約130人が参加。 | |
5月1日~3日 | 日米共同訓練に合わせ、太平洋上で海自護衛艦「いずも」と「さざなみ」が米海軍補給艦「リチャード・E・バード」に初の「米艦防護」を実施。平和安全法制に基づく初の新任務実施。防衛省・自衛隊からは米艦防護に関する公表なし。 | |
5月27日 | 陸自施設隊11次隊、南スーダンからの帰国を完了。派遣期間中、新任務の実施には至らなかった。南スーダンPKOへの部隊派遣が終了。 | |
7月23日~ 8月5日 | モンゴルでの多国間共同訓練「カーン・クエスト17」で、陸自隊員がPKO法に基づき、新任務「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」に関する訓練を実施。中央即応連隊基幹の約50人が参加。 | |
7月26日 | 海自掃海母艦「ぶんご」と米掃海艦「パイオニア」が、「平和安全法制」で新設された「自衛隊法第95条の2」に基づく「米艦防護」に関する初の実動訓練を実施。青森県陸奥湾で通信訓練などを行い、米艦防護に関する手順を確認した。 |
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陸・空幕長から感謝状 部外功労者46団体・55人に
(2017年11月17日、18日)
2017年12月4日更新
功労のあった部外の個人や団体に感謝状を贈呈する山崎陸幕長(左から2人目)=11月18日、防衛省で
杉山空幕長(左)から感謝状を手渡される受賞者(11月17日、ホテルグランドヒル市ヶ谷で)
自衛隊の広報や防衛基盤の育成、隊員の募集・援護などで特に功績のあった部外の団体・個人に対する陸・空幕僚長からの平成29年度感謝状贈呈式が11月17、18の両日、防衛省などで行われ、陸は36団体と37人、空は10団体と18人にそれぞれ幕僚長から感謝状が贈られた。
陸幕の式典は11月18日、防衛省で行われ、山崎陸幕長、田克樹陸幕副長をはじめ、各部長など関係者約100人が出席。
山崎陸幕長は「長年にわたり、防衛基盤の育成や隊員の教育訓練、就職援護、部隊の広報などに対してご尽力いただいた皆さまに改めて感謝を申し上げます。今後も・・・
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日英ミサイル研究試作品で性能評価 小野寺防衛相
2017年12月4日更新
小野寺防衛相は11月24日の記者会見で、日英が平成26年11月から取り組んできた「新たな空対空ミサイルの実現可能性に係る共同研究」が今年度に終了した後、30年度は「将来中距離空対空誘導弾の研究」として継続し、試作品を作って性能評価する予定であることを明らかにした。大臣は「有効性を・・・
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ソマリア沖で救助活動
水上28次隊「あまぎり」が食料提供
(2017年11月10日)
2017年12月4日更新
高速機動船を横付けさせてダウ船に水と食料を提供する28次水上部隊乗船隊の隊員たち(右)=11月10日、ソマリア沖・アデン湾で
アフリカ東部のソマリア沖・アデン湾で海賊対処任務に当たる28次水上部隊(指揮官・齊藤浩司1佐)の護衛艦「あまぎり」(艦長・森陸晃2佐)は11月10日、パキスタン船籍のダウ船からの要請を受け、救助活動を行った。
「あまぎり」は現地時間の午前11時ごろ、国際VHF無線で救難信号を受信。同艦のSH60J哨戒ヘリと・・・
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育英高校柔道部 姫路3特科隊で体験入隊 県大会を制す
(2017年11月3日、18日)
2017年12月4日更新
3特科隊員の指導を受けロープ訓練を体験する育英高柔道部の生徒(中央)=11月3日、姫路駐屯地で
【3特隊=姫路】3特科隊(隊長・堀川佳紀1佐)に11月3日に体験入隊した育英高校(姫路市)柔道部部員が同18日、兵庫県大会で8年ぶり10度目の優勝を果たした。
体験入隊は「心身を鍛え、団結力、忍耐力を養ってもらいたい」という学校からの要望を受けて実施。レンジャー隊員らが協力した。
姫路駐屯地に到着した柔道部員20人は隊員らの厳しい指導の下、約8時間にわたって統制走、基本教練、行進、ロープ、戦闘各訓練などを行い、終了後の報告では、精悍な顔つきで全国大会への出場を約束した。
県大会を制し、全国高校選手権(来年3月、東京)への出場切符を手にした柔道部員たちは、「(駐屯地の)訓練でかなり追い込まれ、劣勢でも諦めない気持ちが身に付いた」と語るとともに、全国大会での健闘を誓った。