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「第一線救護衛生員」1期生の集合教育
命をつなぐ〝戦い〟
(2017年5月11日~6月15日)
2017年7月24日更新
有事の際に最前線で負傷した自衛隊員に的確な救急救命処置を施す「第一線救護衛生員」1期生の集合教育が陸自衛生学校(三宿、学校長・松木泰憲将補)で5月11日から6月15日まで実施された。全国の衛生部隊から選考された准看護師と救急救命士の両資格を保有する曹長から3曹までの隊員25人(うち女性3人)が約5週間にわたり、一般的な救急救命処置に加えて気道確保や鎮痛剤投与など、通常は医師が行う医療行為の要領を座学と実技を通じて修得した。(文・写真 星 里美)
28年10月に「防衛省MC協議会」を発足
防衛省は平成27年4月に部外有識者による「第一線救護における適確な救命に関する検討会」を設置し、28年6月までに計6回の会合を開催した。
同年9月に検討結果などを盛り込んだ報告書をまとめ、(1)有事の際、負傷した自衛隊員の救命のための的確な処置と後遺症の軽減などを図るため「第一線救護衛生員」の養成(2)平時のメディカルコントロールとは異なる防衛省独自の「防衛省コンバット・メディカルコントロール(CMC)体制(仮称)」の整備が必要――との結論に至った。
これを受け防衛省は・・・
負傷者が発生 搬送前 処置
「第一線救護衛生員」集合教育の修了を約1週間後に控えた6月7日、衛生学校の敷地の一画ではシナリオに基づくシミュレーション訓練が行われていた。
学生たちに課せられたのは「施設を防護するために屋外で戦闘が開始され、負傷者が発生した」との想定の下、自衛隊救急車両(アンビ)到着までに第一線救護衛生員として2人1組で「搬送前の救命処置」を適切に行うこと。
戦闘下での基本的な処置手順は、(1)止血(2)気道確保(3)呼吸の管理(4)血液循環の管理(5)低体温予防――からなり、この手順を迅速に実施することにより脳への酸素供給が維持でき、救命率の向上につながるという。
「状況開始!」担任教官の小岩井和樹3佐の合図で訓練がスタート。間もなく、「パーン!」という爆発音が施設付近に鳴り響いた。
戦闘員役の学生たちがそれぞれの持ち場の状況を確認する中、負傷者が引きずられ、第一線救護衛生員が待つ倉庫に運び込まれた。
ここで負傷者役が学生から人体を精巧に模した「シミュレーション人形」にチェンジ。人形の左足の膝から下は爆風で吹き飛び、顔面も損傷、腹部の傷口からは腸が飛び出ている。命をつなぐ〝戦い〟が始まった。
学生は負傷者に「わかるかー」などと声掛けをしながら・・・
防衛関連ニュース
仏領ポリネシア統合軍司令官が陸幕長を表敬
両用部隊交流で一致
(2017年6月14日)
2017年7月24日更新
陸自と仏軍の水陸両用部隊の連携強化で一致した岡部陸幕長(右)とベルトラン仏領ポリネシア統合軍司令官(6月14日、陸幕で)
フランスのポリネシア統合軍司令官ドゥニ・ベルトラン海軍少将が6月14日、防衛省を訪れ、岡部陸幕長と会談した。同軍司令官の陸幕長表敬は初めて。
両氏は、今年5月にフランスの「ジャンヌ・ダルク」練習艦隊が来日し、米グアムなどで実施した日仏英米4カ国による共同訓練で大きな成果が得られたことを歓迎した。その上でベルトラン司令官は、仏軍の海兵連隊が・・・
防衛関連ニュース
4~6月の空自緊急発進229回 中国半減、ロシア6割増
2017年7月24日更新
統幕は7月14日、平成29年度「第1四半期(4~6月)」の空自戦闘機による緊急発進(スクランブル)の概要を発表した。
緊急発進回数は前年同期比約18%減の「229回」で、このうち対ロシア機が125回(全体の約55%)、次いで対中国機が101回(同約44%)だった。
対中国機の回数が前年同期(199回)に比べ半減する一方、対ロシア機は前年同期(78回)の約6割増となり、26年度いらい、ロシア機が中国機を上回った。ロシア機は・・・
防衛関連ニュース
中国軍爆撃機が宮古海峡を通過 空自が緊急発進
(2017年7月13日)
2017年7月24日更新
7月13日、中国軍のH6爆撃機=写真=計6機が沖縄本島と宮古島間の宮古海峡上空を通過したため、南空のF15戦闘機などが緊急発進して対応した。領空侵犯はなかった。
中国軍機6機のうち、2機は上海方面から尖閣諸島沖の東シナ海に飛来。南東進して宮古海峡から太平洋に抜けた後、・・・
防衛関連ニュース
露艦艇16隻が宗谷海峡西航
(2017年7月5日)
2017年7月24日更新
海自2空群(八戸)のP3C哨戒機と7護隊(大湊)の護衛艦「せとぎり」、1ミサイル艇隊(余市)のミサイル艇「くまたか」は7月5日の午前5時ごろから午後5時ごろにかけて、北海道・宗谷岬の沖合を西進するロシア海軍の艦艇計16隻を相次いで確認した。いずれも宗谷海峡を西航し、16隻はオホーツク海から日本海に入った。
同日午前5~7時ごろにかけては、「ウダロイⅠ」級駆逐艦2隻、「グリシャV」級小型フリゲート1隻、「タランタルⅢ」級ミサイル護衛哨戒艇4隻が通峡。
午後3~5時ごろにかけては、「・・・