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米太平洋軍司令官 安倍首相、稲田大臣と会談
統幕長と与那国駐屯地を視察
(2017年5月16日、17日)
2017年5月25日更新
自衛隊と米軍との連携強化を通じた強固な日米同盟を確認する稲田防衛相(左)とハリス司令官(5月16日、防衛省で)
沖縄県の与那国島を訪れ、「日本最西端之地碑」の前に立つ河野統幕長(中央右)とハリス司令官(同左)=5月17日
稲田防衛相は5月16日、来日した米太平洋軍司令官のハリー・ハリス海軍大将と防衛省で会談し、自衛隊と米軍との連携強化を通じて、日米同盟の抑止力・対処力をさらに向上させていくことで一致した。この後、官邸を訪れたハリス司令官は安倍首相と会談。両氏は強固な日米同盟を確認するとともに、核・ミサイル開発を強行する北朝鮮に対し、日米が連携して圧力を掛けていく方針で合意した。翌17日、ハリス司令官は河野統幕長と共に尖閣諸島に近い日本最西端の与那国島(沖縄県与那国町)を訪れ、昨年3月に開設された陸自与那国駐屯地(司令・塩満大吾2佐以下約160人)をそろって視察、主力部隊「与那国沿岸監視隊」などの隊員を激励した。
「日米連携し北朝鮮に圧力」
稲田大臣は16日のハリス司令官との会談の冒頭、日本を取り巻く安全保障環境の厳しさを指摘し、「強固な日米同盟のため、司令官がリーダーシップを発揮していただいていることに深く感謝する」と歓迎の言葉を述べた。
会談で大臣は、北朝鮮の核・ミサイル開発について「新たな段階の脅威に入っており、先日(5月14日)も弾道ミサイルが発射された。外交努力は重要だが、強固な日米同盟のもと、北朝鮮の挑発行為は『断じて許さない』という姿勢で取り組んでいくことが必要だ」と述べ、「全ての選択肢がテーブルの上にある」とする米国の姿勢に「強い支持」を表明した。
さらに、大臣は「日米同盟の抑止力・対処力を強化する必要がある」として、4月末から西太平洋上で行われた米海軍の原子力空母「カール・ビンソン」を含む米軍部隊と自衛隊との共同訓練について「日米同盟の絆を示す良い機会だった」と強調。引き続き・・・
防衛関連ニュース
尖閣領空に中国のドローン 空自機が初のスクランブル
(2017年5月18日)
2017年5月25日更新
5月18日、日本の尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領海に侵入した中国海警局の公船の船首付近で、小型無人機(ドローン)らしき物体が飛行し、領空侵犯したため、空自のF15戦闘機などが緊急発進(スクランブル)を行ったと翌19日、防衛省が公表した。
防衛省によると、18日午前10時52分から同56分ごろにかけて、尖閣諸島・魚釣島の西北西約14キロの領海内で、中国海警局の「海警2308」の船首付近の上空をドローンらしき物体1機が飛行。海上保安庁からの連絡を受けた自衛隊は直ちにF15戦闘機2機をはじめ、E2C早期警戒機1機、・・・
防衛関連ニュース
北朝鮮が弾道ミサイル 500㌔飛行
EEZ外の日本海に落下
(2017年5月21日)
2017年5月25日更新
防衛省は5月21日、北朝鮮が同日午後4時59分ごろ(日本時間)、内陸部の北倉(プクチャン)付近から、弾道ミサイル1発を東方向に向けて発射したと発表した。
弾道ミサイルは約500キロ飛翔し、北朝鮮東岸から東に約350キロの日本の排他的経済水域(EEZ)外の日本海上に落下したと推定される。北朝鮮の弾道ミサイル発射は今月14日に続くもので、今年8回目。航空機や船舶への被害は確認されていない。
安倍首相の指示を受け、・・・
防衛関連ニュース
平和安保研・青山学院大共催 公開シンポ
「激動する東アジア」と「トランプ外交のゆくえ」語る
(2017年5月13日)
2017年5月25日更新
「トランプ政権下の国際秩序」について話す細谷慶応大教授(左から2人目)=5月13日、東京・渋谷区の青山学院大学で
平和・安全保障研究所(理事長・西原正元防大校長)と青山学院大学が共催する公開シンポジウム「激動する東アジアとトランプ外交」が5月13日、都内の同大学で開催された。
シンポは「激動する東アジア」「トランプ外交のゆくえ」の2セッションに分かれ、米・中や朝鮮半島問題の専門家である平岩俊司南山大教授、中西寛京大教授、細谷雄一慶大教授、村田晃嗣同志社大教授らが登壇、東アジアの安全保障と日本が今後果たすべき役割について語った。
最初に東京国際大学国際戦略研究所教授の村井友秀防大名誉教授が中国の海洋進出について「ソフトパワーのない中国は金とハードパワー頼みの外交となる。南・東シナ海はアメリカの海であることが続く」と発言。これに対し中西教授は「中国は短期・中期的にはうまくやっている」と述べ、東南アジアにおけるプレゼンスは5年前に比べて格段に強くなったとの見方を示した。
トランプ政権誕生と英国のEU離脱について細谷教授は「米英の影響力後退に伴い、これまでの民主主義、法の支配、勢力均衡の衰退といった構造的変化が起きており、中ロの影響力拡大に伴って世界は海洋国家連合と大陸国家連合に分化しつつある」と分析した。トランプ政権に秩序維持と長期戦略が欠けていることから、現在の状況は第1次世界大戦前の欧州に似て、「想定外の戦争」の危険性があると指摘した。
村田教授は「米政権は空洞化していて総合的ビジョンが描き切れていない。日本は韓国とともに米国の対外政策を支えていくことが大事だ」と述べ、「日本は自ら失点を犯さない注意深い外交が必要」と強調した。
政策研究大学院大学の岩間陽子教授はトランプ政権への不安を表明、「(安倍首相との)友情は信じられるのか。もし米中間で通商連合ができれば日米同盟に真空が生じる。米国に頼れない事態も考慮しておくべき」とあらゆる事態に備える必要性を訴えた。
防衛関連ニュース
ホノルルなど陸幕長が出張
日米豪シニア・リーダーズ・セミナーに出席
2017年5月25日更新
岡部陸幕長は5月22日、米ハワイ州ホノルルで開かれる米陸軍協会主催のシンポジウム「ランパック(LANPAC)2017」に出席するため、米国に出張した。25日に帰国する。
また、6月1日から3日には沖縄県那覇市で開催される第5回「日米豪シニア・リーダーズ・セミナー」に出席。米太平洋陸軍司令官、第3海兵機動展開部隊司令官、豪州陸軍本部長と意見交換し、3カ国陸軍種間の関係強化を図る。
防衛関連ニュース
北海道北斗市のLR2墜落 陸海空約1700人が捜索
(2017年5月15日、16日)
2017年5月25日更新
陸自北部方面航空隊(丘珠)のLR2連絡偵察機(23057号機)が5月15日に函館空港の西約33キロで空自レーダーから消失し、翌16日に北斗市袴(はかま)腰(ごし)山(やま)(616メートル)の東側約3キロの山中で墜落が確認された事故で、陸海空自衛隊の各部隊は約1700人規模で搭乗員4人の捜索に当たった。
LR2事故ドキュメント |
5月15日午前11時47分ごろ |
陸自LR2連絡偵察機が函館空港の西約33キロで空自レーダーから消失し、通信も途絶する。当日は雨・もやの天候 |
同午後1時すぎ |
千歳救難隊のU125A救難捜索機1機とUH60救難ヘリ1機、73空分(大湊)のUH60救難ヘリ1機などが離陸。在空中の25空(同)のSH60哨戒ヘリ1機が消失地点に到着し、捜索活動を開始 |
同午後2時半ごろ |
20高射隊(八雲)の地上捜索隊20人、28普連(函館)の同20人などが出発。捜索に当たる |
5月16日午前1時半ごろ |
28普連の主力に加え、11普連(東千歳)、71戦連(北千歳)、72戦連(北恵庭)、73戦連(南恵庭)、7特連(東千歳)、7高特連(静内)などの各捜索隊が現地に到着。合わせて約1700人態勢で捜索を開始する |
同午前11時6分ごろ |
秋田救難隊のUH60ヘリが北斗市袴腰山の東側約3キロの山中でLR2の機体らしきものを発見 |
同午後12時41分、1時17分、1時51分 |
秋田救難隊の救難員が要救助者4人を発見 |
同午後5時26分 |
発見された機体は行方不明のLR2と特定され、函館警察署で要救助者4人の死亡が確認されたことから、捜索救難活動を終結 |
消息を絶ったLR2の搭乗員、高宮城効1尉(機長)、田智徳3佐(副操縦士)、岡谷隆正2曹(航空機整備陸曹)、玉木宏伸3曹(アビオニクス整備陸曹)の捜索のため、袴腰山へ続々と集結した。
陸自28普連(函館)は15日午後2時半すぎ、先発隊約20人を茂辺地小学校へ派遣。さらに緒方義大連隊長以下本隊約110人が駐屯地を出発し午後10時すぎ、梅漬峠付近から袴腰山に入り捜索を開始した。
海自は午後1時すぎ、73空(館山)大湊分遣隊のUH60救難ヘリが離陸。さらに在空中のSH60哨戒ヘリが現場付近に急行し、捜索を始めた。
空自でも・・・