私の子供の頃、祖母(実家の家系に軍人も多い)がいて、 軍のことは父親ではなく、この祖母から聞きました。
年に一度連隊が一般に解放される軍旗祭や、その軍旗のこと、 襟章の色のことも含めて。
だから私は戦争もののドラマに考証が出来てなくて、歩兵の筈が黄 色の襟章で登場したりすると、やはり違和感を覚えます。
時代区分によっても異なるでしょうが、 兵科色はwikipeadiaによると
歩兵科 - 緋色 騎兵科 - 萌黄色 砲兵科 - 黄色 工兵科 - 鳶色 輜重兵 - 藍色 憲兵科 - 黒色 航空兵科 - 淡紺青色 経理部 - 銀茶色 衛生部 - 深緑色 獣医部 - 紫色 軍楽部 - 紺青色 技術部 - 黄色(技術部の新設は1940年のため昭和15年制式となる)
陸自に受け継がれている隊種標識の色
職種 色 備考普通科 | 赤 | 旧陸軍の歩兵科(緋)にほぼ同じ。 |
機甲科 | 橙 | |
特科 | 濃黄 | 旧陸軍の砲兵科(黄)にほぼ同じ。 |
航空科 | 浅葱色 | 旧陸軍の航空兵科(淡紺青)にほぼ同じ。 |
施設科 | えび茶 | 旧陸軍の工兵科(鳶)にほぼ同じ。 |
通信科 | 青 | |
武器科 | 萌黄 | |
需品科 | 茶 | 旧陸軍の経理部(銀茶)に似ている。 |
輸送科 | 紫 | |
衛生科 | 濃緑 | 旧陸軍の軍医部(深緑)にほぼ同じ。 |
情報科 | 水色 | |
その他 | 藍 | 化学科・警務科・会計科・音楽科 方面総監部及び中央即応集団、師・旅団司令部 諸職種混成部隊(後方支援連隊・隊等) |
動画
歌詞(複数のバージョンがあるようで、一部は併記します。)
- 万朶(ばんだ)の桜か襟の色 花は隅田に嵐吹く 大和男子(やまとおのこ)と生まれなば 散兵戔(さんぺいせん)の花と散れ
万朶の桜か襟の色 花は吉野に嵐吹く 大和男子と生まれなば 散兵戔の花と散れ - 尺余の銃は武器ならず 寸余の剣何かせん 知らずやここに二千年 鍛えきたえし大和魂(やまとだま)
- 軍旗まもる武士(もののふ)は すべてその数二十万 八十余ヶ所にたむろして 武装は解かじ夢にだも
- 千里東西波越えて 我に仇なす国あらば 港を出でん輸送船 暫し守れや海の人
- 敵地に一歩我踏めば 軍の主兵はここにあり 最後の決は我が任務 騎兵砲兵協同(ちから)せよ
- アルプス山を踏破せし 歴史は古く雪白し 奉天戦の活動は 日本歩兵の粋(すい)と知れ
- 携帯口糧あるならば 遠く離れて三日四日 曠野千里にわたるとも 散兵戦に秩序あり
- 退く戦術(ことわ)われ知らず 見よや歩兵の操典を 前進前進また前進 肉弾とどく所まで
- わが一軍の勝敗は突喊 (とっかん)最後の数分時 歩兵の威力はここなるぞ 花散れ勇め時は今
- ああ勇ましの我が兵科 会心(えしん)の友よ来たれいざ ともに語らん百日祭 酒盃(しゅはい)に襟の色うつし
歩兵の本領ここにあり ああ勇ましの我が兵科 会心の友よさらばいざ ともに励まんわが任務
陸自バージョンの「普通科の本領」 の歌詞は所々が替えてあるとのことですが、 歌詞全文がありましたらコメントで貼って頂ければ嬉しいです。
前回とりあげた「空の神兵」はとても抑揚の大きい美しい旋律が踊ります。実際に 行軍に使われたという「雪の進軍」などもそうですが、 歌が苦手な兵にとってはちょっと歌い辛いのではないでしょうか。
私がこの「歩兵の本領」 を優れた軍歌だと思う理由は、
二拍子(たぶん)で力強く、 旋律に抑揚が少ないので誰もが歌い易く、 行進の軍歌として素晴らしいからです。
のちに「聞け万国の労働者ぁ~」 とメーデーの歌にまでなっているくらいですから、 日本人の感性にぴったりなんでしょうね。