日本で起きたことは韓国でも必ず起きる?
たとえば教育問題でいうと、日本では「日教組」の左翼偏向教育が教育界を汚染したが韓国では近年、やはり教員労組の「全教組」が左翼偏向教育で問題になっている。日本では「日教組」の“ゆとり教育”は今や反省の対象になり逆に学力強化論が台頭しているが、韓国では最近、「全教組」がゆとり教育の必要性を主張している。
また韓国でも左翼偏向の歴史教科書に対抗する「新しい歴史教科書を作る運動」が起き、そこから生まれた保守派による「韓国版・扶桑社教科書」が今、世間を騒がせている。
たとえば教育問題でいうと、日本では「日教組」の左翼偏向教育が教育界を汚染したが韓国では近年、やはり教員労組の「全教組」が左翼偏向教育で問題になっている。日本では「日教組」の“ゆとり教育”は今や反省の対象になり逆に学力強化論が台頭しているが、韓国では最近、「全教組」がゆとり教育の必要性を主張している。
また韓国でも左翼偏向の歴史教科書に対抗する「新しい歴史教科書を作る運動」が起き、そこから生まれた保守派による「韓国版・扶桑社教科書」が今、世間を騒がせている。
「韓国版・扶桑社教科書」とは新教科書に反対する左翼系が名付けたものだが、この新教科書は日本で激しい論争を呼んだ扶桑社発行の新歴史教科書と同じだというのだ。
韓国の歴史教科書は過去の国定教科書1種類だけから先年、日本のような検定制度による複数教科書に変わった。問題になっているのは「高校・韓国史」で、従来の7種類に新しく保守派のものを加え8種類がこのほど検定に合格した。
保守派のものは出版社の名前から「教学社版」といわれるが、これが今、左翼系学者や野党陣営から激しい攻撃を受け、世論を2分する左右激突の大論争になっているのだ。
争点は近・現代史の見方で、教学社版の新教科書は日本統治時代についてはこれまでの「抑圧と搾取」だけという暗黒史観を否定。日本支配下でも韓国人は自己啓発に励み韓国社会は発展した、と歴史の多様な面を記述するなど、左派をはじめ公式史観が最も嫌ういわゆる「植民地近代化論」を取り入れている。
韓国の歴史教科書は過去の国定教科書1種類だけから先年、日本のような検定制度による複数教科書に変わった。問題になっているのは「高校・韓国史」で、従来の7種類に新しく保守派のものを加え8種類がこのほど検定に合格した。
保守派のものは出版社の名前から「教学社版」といわれるが、これが今、左翼系学者や野党陣営から激しい攻撃を受け、世論を2分する左右激突の大論争になっているのだ。
争点は近・現代史の見方で、教学社版の新教科書は日本統治時代についてはこれまでの「抑圧と搾取」だけという暗黒史観を否定。日本支配下でも韓国人は自己啓発に励み韓国社会は発展した、と歴史の多様な面を記述するなど、左派をはじめ公式史観が最も嫌ういわゆる「植民地近代化論」を取り入れている。
解放後についても、独裁者とされた初代の李承晩(イ・スンマン)元大統領を共産主義から自由を守った民族的指導者として再評価。朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領についても近代化や経済発展などプラスを強調している。
他の7種の教科書などこれまでの現代史記述は「独裁とそれに対する抵抗」という政治中心の暗い面を強調するものが多かったが、教学社版は経済発展や国力増大など明るい面に注目したものになっている。北朝鮮の見方についても新教科書は当然、厳しい。
保守派は左派主導の既存の教科書を“自虐史観”と批判しているが、これも日本での論争とそっくりだ。
左翼系学者や野党陣営は教学社版の検定合格を猛烈に非難し、記述ミスが多いことなどを理由に検定取り消しを政府に要求。版元の教学社にはテロまがいの脅迫や不買運動など圧力がかけられ、出版放棄論まで出ている。
韓国では保守系の李明博(イ・ミョンバク)前政権以来、各界で保守派の巻き返しが進んでいるが「歴史学界だけは依然、左派が主導権を握っている」(韓国メディア)という。
新教科書に対する左派の圧力や脅迫について保守系の大手メディアは「多様な歴史記述」や「教科書の自律的選択」を主張し、特定の教科書に対する圧力や排除を厳しく批判しているが、実はこうした圧力を韓国はこれまで官民挙げて日本の新教科書に対してかけてきた。
韓国にとって今回の“新教科書騒ぎ”は、これまでの日本の教科書問題に対する韓国からの度の過ぎた介入を振り返り、反省するいい機会でもある。
他の7種の教科書などこれまでの現代史記述は「独裁とそれに対する抵抗」という政治中心の暗い面を強調するものが多かったが、教学社版は経済発展や国力増大など明るい面に注目したものになっている。北朝鮮の見方についても新教科書は当然、厳しい。
保守派は左派主導の既存の教科書を“自虐史観”と批判しているが、これも日本での論争とそっくりだ。
左翼系学者や野党陣営は教学社版の検定合格を猛烈に非難し、記述ミスが多いことなどを理由に検定取り消しを政府に要求。版元の教学社にはテロまがいの脅迫や不買運動など圧力がかけられ、出版放棄論まで出ている。
韓国では保守系の李明博(イ・ミョンバク)前政権以来、各界で保守派の巻き返しが進んでいるが「歴史学界だけは依然、左派が主導権を握っている」(韓国メディア)という。
新教科書に対する左派の圧力や脅迫について保守系の大手メディアは「多様な歴史記述」や「教科書の自律的選択」を主張し、特定の教科書に対する圧力や排除を厳しく批判しているが、実はこうした圧力を韓国はこれまで官民挙げて日本の新教科書に対してかけてきた。
韓国にとって今回の“新教科書騒ぎ”は、これまでの日本の教科書問題に対する韓国からの度の過ぎた介入を振り返り、反省するいい機会でもある。
(ソウル 黒田勝弘)