Quantcast
Channel: 電脳工廠・兵器(武器,弾薬)庫
Viewing all articles
Browse latest Browse all 8971

[転載]風力発電のイメージに騙されるな

$
0
0
・・
原油も天然ガスもない日本に充分なエネルギーを確保するという主たる観点よりも、むしろ近年は二酸化炭素を排出しないことで自然エネルギーが注目されてきました。
そしていま日本人は原子力エネルギーの持つマイナス面を見せつけられたあまり、一斉に「自然エネルギー」に向かって駆け出そうとしています
この動きには重要なことをなるべく隠して煽る政治的意図も感じます
ビジネスチャンスとばかり、いろんな他業種から参入してくる企業もあります。
 
自然エネルギー利用のメリット(の筈)は
 1.エネルギーの元が無尽蔵にあってタダ
 2.永続的に使える(筈)
 3.人と環境に優しい(筈)
自然エネルギーには他にも太陽光、太陽熱、地熱、波力、潮汐力などありますが、今回は風力発電の幻影と現実の問題を直視することに限ってお話させて頂きます。
 
風力発電についても関心が高まったのはとてもいいことです。
私もずっと前から関心を持っていました。
でも、ちょっと待って!!
最近の風潮は明らかに異常だ。
自然回帰の気持だけで突っ走ってはいけない。
本当にメリットがデメリットを大きく越えるのだろうか?
デメリットをしっかり認識せずしてクリーンなエネルギーというイメージだけで大きく期待していないだろうか?
この重要なポイントが明確になっていないことがとても気になります。
風は「風のように」と表現されるように身近で自由で、また「風まかせ」と表現されるようにあてにならないものです。
 
残念ながらマスコミ関係者も政治家も官僚もこのポイントをしっかり考えることなく、「自然だから良い(筈だ)」の考えが多いようです。
現に日本のあちこちで、建てたはいいが、役に立たず、壊すにも経費がいるからと、そのままモニュメント化している事例が相次いでいます。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
風力発電コスト高、モニュメントに
 
 興部町の風力発電の風車
オホーツク地方で唯一の風力発電施設の北海道興部町風力発電所が、修繕費用難のために昨年11月、完成から約10年で廃止され、風車を固定したモニュメントとして残されることになった。
 東日本大震災を受けた福島第一原子力発電所の事故後、風力発電は再生可能エネルギーとして注目されているが、小規模風力発電施設が直面するコスト高の課題を露呈した格好だ。
 同町の風力発電所は2001年3月に完成。風車は1基で、建設費約1億9000万円は、経済産業省が所管する独立行政法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)がほぼ半額を負担し、道の補助を除く約5000万円を町が負担した。隣接する町の農業研究施設に電力を供給したうえで、余剰分は北海道電力に売電してきた。約9年半で計6170万円の売電収入があり、6430万円の維持管理費と収支はほぼ均衡していた。
 しかし、10年10月に発電機のベアリングが破損して稼働を停止。欧州製で部品発注のほか高所作業が必要となるため、修理には約4000万円かかることが判明した。全額を町が負担しなければならないことから、町は「長期的に見た場合、コスト面で運転再開は困難」(町企画財政課)と判断、発電所を廃止した。
(2012年1月14日18時32分  読売新聞)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これはとても恥かしいモニュメントです。思慮が浅かったこと、税を無駄遣いしたことを後世に伝えるのでしょうか。
もっと酷い事例もあります。つくば市の小中学校に設置された新型風車は全く回らず、責任をめぐって委託先の早稲田大学などと裁判で大もめにもめました。
あなたの町にも設置の動きがあるかもしれません。しっかりと見極めて将来に禍根を残すことのないように進めて欲しいです。

「ヨーロッパなど外国では熱心なのに日本は遅れている」のような言い方をマスコミなどで最近しばしが見聞きします。
国内に何かを広めたい意図で、「外国では」という不思議な語が巧みに駆使されて物事の本質を見極める目を曇らせてしまうことに気付かなければなりません。

風力というと、まずオランダの風車のイメージでしょうか。
風車が回る機械エネルギーを揚水や製粉にそのまま使っているから長年のどかな風景で存続できていられるのですね。
でも風力を電気エネルギーに変換しようとすると、
 問題点1.代替エネルギーとして期待するには余にもにエネルギー効率が悪い。
効率アップのために大型化すると
 問題点2景観を損なう
 問題点3.騒音と低周波が発生して周辺に動悸、めまい、耳鳴りなど健康被害を起す
さらに無視できない問題も
 問題点4.野鳥特に風に乗って飛ぶ鳥(貴重な保護種を含む)、が衝突する。
つまり不安定で僅かな電力を得て、その代償に
環境を破壊しまくっているのです。
 
 
  
「ヨーロッパの海洋の風車を知らないの?」と声が聞こえてきそうです。

じゃあ、ヨーロッパと日本、何が違うのでしょうか。
 問題点5.北部ヨーロッパでは偏西風が十分な時間吹いている。日本(海洋風力発電が
始まったばかり)では風速も風向きも常に変化している。
 問題点6.台風のような暴風が度々あり、(ただでさえ風を受け易くしているのだから)簡単に壊れる。特に西日本では厳しいです。

 問題点7.日本は人口密度が高く、過疎で尚かつ風量が充分な平地は少ない。山間部は設置がとても大変でこの為に高コスになる。
 問題点8.海洋風力発電では、ヨーロッパには海が遠浅で風車が設置し易い場所が多いのにた対して日本の海は急に深くなる。
 
ここまで書けば、小規模、山間部、人家の近くは特に駄目だということが明瞭になりますね
平坦な無人島(あまり無いでしょう)にでも風車 を設置して海底ケーブルでつなぐような例が今後出てくるかもしれません。
海洋の風力発電をメインに、その設置場所も厳選しなければなりません。
ところが注目すべき事実がまた新たに出てきました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
オランダの洋上風力発電、コスト高で陰り
 《エグモントアーンゼー(オランダ)ロイター時事》
オランダが2006年に当地に同国初の洋上風力発電設備を設置したとき、この設備はグリーンな将来のシンボルと見られていた。
北海の洋上にそびえる設備は巨人の武器のようで、タービンは二酸化炭素(CO2)排出を減らす一方で、増加する電力需要を満たす最大の希望でもあった。
30階建てのビルの高さがある36機のタービンは、年に10万世帯以上の需要を満たすに十分な発電をしている。
 しかし、それから5年たった現在、グリーンな将来は先のことのように見える。
財政赤字削減を迫られたオランダ政府は、洋上風力発電は費用がかかりすぎるとし、キロワット時当たり0.18ユーロ(19円)の補助金を続けられないとしている。
昨年1年間の補助金は約45億ユーロ(4650億円)に上った。 同政府は、この財政負担を一般家庭と産業界の需要家に転嫁し、一方で魅力的な民間部門の投資を呼び込もうとしている。消費者と企業への負担転嫁は13年1月に実施され、同時に、民間投資家は再生可能エネルギー・プロジェクトへの参加申請ができるようになる。
 ただ、民間への負担転嫁で得られるのは推定15億ユーロで、これまでの補助金支出の3分の1にすぎない。
また、投資に関心のある団体なども風力発電よりも費用のかからない技術を選ぶと見られている。 オランダの風力発電プロジェクトの将来は暗い。
 同国では何世紀にもわたり、低地から耕作地への水のくみ上げなどで風力が利用されてきた。しかし、風力への国民の熱い思いは冷めつつある。洋上設備の設置、維持費用が高く、また、その格好の無様さが住民の不評を買っていることなどで、洋上風力発電は行き詰まり状態となった。
 洋上設備は陸上のものよりも発電効率がいいものの、資材や海底掘削の費用は高く、しかも保守は陸上設備より面倒だ。
 陸上風力発電にも障害がある。陸上でのプロジェクトのほぼ半分が住民とのトラブルを抱えている。
背の高い設備が景観を壊すという主張の他、安全性や騒音への懸念も指摘されている。 オランダのエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率は4%にすぎない。
同国は20年までにこれを14%に拡大することを目標としているが、極めて難しい情勢だ。[時事通信社](2011/11/17-11:13)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
有難いというべきかどうか、ヨーロッパははからずも失政を身をもって示してくれました。日本はこの同じ轍を踏んではいけません。
 
新しい技術については技術者・研究者はさらに研究を続け、運用の問題点を洗い出してから、小規模なプラントを試作して試行錯誤し、そして議論を深め国内のコンセンサスを得てから初めて本格的な展開をすべきです。
 
 
無知ゆえの社民党エネルギー政策の大風呂敷提言
「風レンズ」という原理を使った海上発電施設の案です。
近年の最大級の原子力発電所1基分の出力は136万kWです。
皆様はこのプラントが原発1基分をカバーできて100年長持ちすると思いますか?
私には桁の間違いではないかとしか思えません。
 
風車だけでも重いのに、その外側に「風レンズ」という枠を持っています。
更に重くなって支える構造を頑丈にしなけてばならない。当然コスト高です。
提案者の学者(九大)は風車の専門家ですが、浮体のことは簡単に考えていたのではないでしょうか。
綿密な強度計算などもなしに構想を打ち上げてしまったのかもしれません。
そして社民党がこれに飛びついた訳ですね。
やっと小型浮体を海に浮かべる試験が始まっていますが、まだまだ時間がかかりますし、その割には・・という程度の成果になると私は思います。
 
海洋の設備は陸上のものより劣化がかなり激しい筈です。
社民党が提言する案も確かに一案には違いありませんが、
浮体構造にするにも、津波で沿岸に打ち上げられては大被害。
ほかにもいろいろ問題が。
ましてこれで日本から原発をなくすと本気で考えている様子ですから、かなりの無知で且つ無責任でもあります。
将来こんな筈じゃなかったと後悔するような政策を行政に執らせてはなりません。



《さらに勉強される方は》
・環境に優しいと思われている風力発電、その問題点とは?
・技術面から見た問題点「風力発電設備の設計と問題点」
・風力発電施設が猛禽やその生息環境に与える影響
http://www.d1.dion.ne.jp/~akaki_ch/windfarm.html
                           

転載元: くにしおもほゆ


Viewing all articles
Browse latest Browse all 8971

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>