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風力発電のプロペラが危ない!
風の力は気まぐれで不安定
事故が増え、補修のコストを考えると、事業を見直さざるを得ない」
補助金廃止、落下事故が「追い打ち」…“失速”する風力発電
産経新聞 5月9日(木)8時8分配信
東日本大震災以降、改めて注目が集まり始めた「再生可能エネルギー」の一つ、風力発電の新規導入が伸び悩んでいる。もともと予定通りの出力が出ないといった性能面の課題に加え、固定価格買い取り制度導入に伴う助成金の廃止や環境影響評価(アセスメント)の導入などが影響したとみられる。今年に入ってからは風車の落下事故も相次ぎ、勢いがさらに“失速”する可能性も出てきている。
◆助成金は廃止
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によると、風力発電は平成2年度のわずか9基から年々増加。23年度には全国1870基、総発電量約255・5万キロワットまで増えた。
しかし23年度以降、新規導入数が伸び悩み、23年度39基、24年度49基にとどまった。国(経済産業省)は13年に「22年度に総発電量300万キロワット」との目標を打ち立てたが、日本風力発電協会によると達成は27年度以降になる見通しという。
伸びを鈍らせた原因とみられているのが、再生エネルギー買い取りを法律で保証する「固定価格買い取り制度」への切り替えで行われた助成金廃止。また騒音問題などを背景に、環境影響評価の導入など明確な設置基準も設けられ、新規設置のハードルは上がってしまった。
◆不安定な出力
風力発電は太陽光発電に比べて設備容量あたりのコストも安いなどセールスポイントがある一方、想定していた出力に達しないケースもみられる。今年3月に風車の落下事故が起こった太鼓山風力発電所(京都府伊根町)。6基の風力発電機で、年間計850万キロワット時の電力量を見込んでいたが、23年度の実績は半分の約427万キロワット時。
雷によって風車が壊れるなどの被害が相次いだことが原因といい、京都府の担当者は「故障すれば出力も下がるし、コストもかかる。当初はまったく想定していなかった問題だ」と表情を曇らせる。
昭和61年にJR山陰線の余部鉄橋から列車が突風にあおられ転落、6人が死亡する事故が起きた兵庫県香住町(現・香美町)の元町長、藤原久嗣さん(73)は、平成14年に町として導入を試みたが、断念したときのことを振り返る。
「簡単に導入できると思っていたが、季節によって風量も違い、条件にあう場所がなかった」
◆事業見直しも
こうした中、京都府と三重県で今春、落下事故が相次いだ。太鼓山風力発電所では3月12日、発電機1基の支柱が折れ、先端に設置されていた風車と発電機が落下。金属疲労の可能性があるとみられる。
また4月7日には、津市と三重県伊賀市にまたがる風力発電施設「ウインドパーク笠取」でも風力発電機1基の風車と発電機が落下した。津市では同日、最大瞬間風速20・2メートルを観測しており、部品の強度不足が原因だった。
経産省は「風車や発電機が落下する事故は国内で例がなかった」として、各地の事故数を調査するなど実態把握に乗り出しているが、ある自治体の担当者は「事故が増え、補修のコストを考えると、事業を見直さざるを得ない」と話す。
◆助成金は廃止
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によると、風力発電は平成2年度のわずか9基から年々増加。23年度には全国1870基、総発電量約255・5万キロワットまで増えた。
しかし23年度以降、新規導入数が伸び悩み、23年度39基、24年度49基にとどまった。国(経済産業省)は13年に「22年度に総発電量300万キロワット」との目標を打ち立てたが、日本風力発電協会によると達成は27年度以降になる見通しという。
伸びを鈍らせた原因とみられているのが、再生エネルギー買い取りを法律で保証する「固定価格買い取り制度」への切り替えで行われた助成金廃止。また騒音問題などを背景に、環境影響評価の導入など明確な設置基準も設けられ、新規設置のハードルは上がってしまった。
◆不安定な出力
風力発電は太陽光発電に比べて設備容量あたりのコストも安いなどセールスポイントがある一方、想定していた出力に達しないケースもみられる。今年3月に風車の落下事故が起こった太鼓山風力発電所(京都府伊根町)。6基の風力発電機で、年間計850万キロワット時の電力量を見込んでいたが、23年度の実績は半分の約427万キロワット時。
雷によって風車が壊れるなどの被害が相次いだことが原因といい、京都府の担当者は「故障すれば出力も下がるし、コストもかかる。当初はまったく想定していなかった問題だ」と表情を曇らせる。
昭和61年にJR山陰線の余部鉄橋から列車が突風にあおられ転落、6人が死亡する事故が起きた兵庫県香住町(現・香美町)の元町長、藤原久嗣さん(73)は、平成14年に町として導入を試みたが、断念したときのことを振り返る。
「簡単に導入できると思っていたが、季節によって風量も違い、条件にあう場所がなかった」
◆事業見直しも
こうした中、京都府と三重県で今春、落下事故が相次いだ。太鼓山風力発電所では3月12日、発電機1基の支柱が折れ、先端に設置されていた風車と発電機が落下。金属疲労の可能性があるとみられる。
また4月7日には、津市と三重県伊賀市にまたがる風力発電施設「ウインドパーク笠取」でも風力発電機1基の風車と発電機が落下した。津市では同日、最大瞬間風速20・2メートルを観測しており、部品の強度不足が原因だった。
経産省は「風車や発電機が落下する事故は国内で例がなかった」として、各地の事故数を調査するなど実態把握に乗り出しているが、ある自治体の担当者は「事故が増え、補修のコストを考えると、事業を見直さざるを得ない」と話す。
風力発電所:風車のプロペラ部が落下京都
京都府は13日、同府伊根町で府が運営する太鼓山風力発電所(全6基)で、3号機の風車のプロペラ部(計45.2トン)が高さ約50メートルの支柱から落下したと発表した。付近に人家などはなく、けが人はなかった。プロペラ部と支柱の溶接部近くの鉄柱が破断しており、府は老朽化が原因とみて調査している。
府建設整備課によると、13日午前、点検業者が見つけ、府公営企業管理事務所(同府福知山市)に連絡した。12日午後7時半ごろ、同事務所の制御システムに3号機の故障信号が届いており、12日夜に落下したとみられる。当時、現場の風速は発電に適した15〜17メートルだったという。
同発電所は01年11月に運用開始。6基のうち2基は落雷などで停止していた。関西電力に売電しているが、赤字が続き、11年度も全体で4500万円の赤字だった。【古屋敷尚子、塩田敏夫】
三重の風力発電風車落下「部品の強度不足」
中部電力子会社が事故原因を発表
三重県津、伊賀両市にまたがる青山高原の風力発電施設「ウインドパーク笠取」の風車落下事故で、施設を運営する中部電力の子会社シーテック(本社・名古屋市)が2日、津市内で記者会見を開き、事故原因についての調査結果を発表した。同社は「羽根の一部の部品に強度の低い材質が使われていた」などと説明した。
同社によると、風車に取り付けられた観測機は先月7日午後4時頃に風速40メートル以上を記録。約40分後、羽根の角度を制御する装置に異常が発生、通常の3倍以上の速さで回転を続け、支柱(高さ65メートル)から脱落した。
異常が起きた原因は、装置内にある金属の円盤が摩耗したためで、材質はアルミ合金だった。円盤は日本製鋼所(本社・東京都品川区)製で、点検は両社で3年に1回と定めていたため、2010年12月の稼働時から点検したことはなかったという。
事故機以外の18基もすべて同型だが、円盤がアルミ合金かどうか不明のものもあり、今後、点検するという。シーテックの野坂敏幸社長は「当面、運転を停止する。メーカーと話し合い、安全性の確保ができてから再開したい」と話した。
記者会見で野坂社長と同社の小西暁(ぎょう)・再生可能エネルギー事業部長は「付近住民の方々に多大なる迷惑をかけ、誠に申し訳ありませんでした」と謝罪した。
経済産業省によると、日本製鋼所製の同型機は国内で約110基が運転中で、同省は今回の事故を受け、風力発電事業者に対し、安全確保措置を講じるよう求めていた。
(2013年5月3日読売新聞)
爆弾低気圧で故障相次いだ風力発電所 風吹けど儲からぬ事情
2013/04/10 08:32更新
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記事本文
風が吹いても桶屋どころか事業主体すら儲からない--とは何ともお粗末な状況だ。
日本列島を次々と襲う爆弾低気圧は、各地に風速20メートル級の“春の嵐”を巻き起こしている。ところが、風が強ければ強いほど儲かるはずの風力発電所で、風車の羽根が落下する事故が相次いだ。3月には京都府営の「太鼓山風力発電所」、4月には中部電力系の「ウインドパーク笠取(三重県)」で羽根の脱落や支柱の損傷が見つかった。
ウインドパークの風力発電機に至っては、風速70メートルまで耐えられる設計に対し、事故当時の風速計は最大約28メートルしか観測していなかったという。なぜ、このようなことが起きるのか。
エネルギー産業に詳しい一橋大学大学院商学研究科教授の橘川武郎氏は、「そもそも日本の地理的条件が風力発電を難しくしている」と指摘する。