産経新聞 4月27日(土)7時55分配信
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の日本領海に中国の海洋監視船「海監」8隻が侵入した23日、中国軍の戦闘機など軍用機が40機以上、尖閣周辺に飛来していたことが分かった。複数の政府高官が26日、明らかにした。軍用機は戦闘機が大半で、新型のSu27とSu30を投入。航空自衛隊の戦闘機パイロットの疲弊を狙って絶え間なく押し寄せた。政府高官は「前代未聞の威嚇だ」と指摘している。
政府は、中国軍機の威嚇飛行について、海監の領海侵入と連動していたと分析している。海上保安庁の警備態勢や海上自衛隊の護衛艦、P3C哨戒機の配置を軍用機が上空から情報収集し、海監に伝える狙いもあったとみられる。
海監8隻は23日午前7時23分ごろから8時25分ごろにかけ、尖閣周辺の海域で相次ぎ領海に入った。うち1隻は尖閣諸島の魚釣島の北西約1キロまで近づいた。8隻は同日午後7時半ごろまでに領海を出た。
領海侵入を始めた頃、戦闘機など軍用機も尖閣周辺に飛来し始めた。入れ代わり立ち代わり尖閣周辺上空に接近し、その都度、航空自衛隊那覇基地のF15戦闘機などが緊急発進(スクランブル)で対処。飛来してきた中国軍機は延べ40機以上に上った。
新型の戦闘機を投入してきたのも特徴。これまで尖閣周辺での威嚇飛行はJ10が大半だったが、今回はSu27とSu30を多数投入してきた。3機種とも各国の主流である「第4世代戦闘機」だが、Su27とSu30は戦闘能力などでJ10を大きく上回る。
空自のF15、F2の4世代機は計約300機なのに対し、中国軍は560機以上を保有。別の高官は「今回のような威嚇飛行が続けば、空自側が対処しきれなくなる恐れもある」との懸念を示した。
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