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[転載]奴隷と人種排除-2

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続きです。

南北戦争以前の北部諸州ではどうだったかというと、
北部には綿花のような中心となる産業がありません。
人は沢山いますから、繊維製品の製造業や、
日用品製造業、或いは建設業等々の労働市場は
数限りなくあったけれど、それら労働者市場は、
白人移民たちの労働市場でもあったわけです。

ではそこに黒人奴隷という私的所有権に基づく
労働力が介入してきたら、何が起こるか。
答えは簡単です。
白人労働者の職場が奪われるのです。

白人労働力は、雇用主からみれば、「契約関係」です。
月給は20万よこせ。休みはよこせ。
給料あげろ、気に入らなければ会社を辞めると言い出す。
文句ばかり言って働かない。
だからといって殺せば、こんどはコチラが殺人罪です。

ところが黒人奴隷を労働力として採用するとどうなるか。
月給は半分でOK。所有物ですから、
生殺与奪の権は、オーナーの側にあり、
使い物にならなければ、売り飛ばす事もできるし、
殺しても、あくまで「動産」であって
「人」ではありませんから、罪になりません。
これは圧倒的な「力関係」となりますから、
その分、黒人達にちゃんとした仕事を仕込めば、
会社は儲かるようになります。
経営者からみて、こんなに
「都合の良い」労働力は、他にありません。

そうした奴隷制度が、北部の町に進出してきたらどうなるか。
これまた答えは簡単です。
北部の白人労働市場は壊滅し、
黒人労働力が北部を席巻する事になるのです。
そしてこのことは、
北部に住む多くの白人の生活を圧迫する事になります。

だからこそ、北部の人々は、「奴隷制度」に反対し、
黒人を「差別」する事によって、
北部の労働市場から排除しようとしたのです。

これはどういうことかというと、
「黒人を差別する」というよりも、
黒人の「存在そのものを否定」するという動きです。
黒人がいるから、白人の労働市場が奪われるのです。
ならば、この世から黒人を消すしかない。

ところが、南部諸州では、次々とアフリカから黒人を連れて来る。
そして南部で何らかの事情であぶれた黒人が、
北部に流れて来る。
住み着く。
彼らだって食べなきゃいけないから、労働させてくれる所を探す。
雇う雇用主が現れる。
するとそこで、子が生まれ、ますます黒人が増える。
そして増えた分だけ、白人は職を失う。

だから、排除するしかない。
黒人に対する、米国内の人種差別というものは、
だから「差別」というより「排除」の動きだったのです。

これを「人種差別」と書くからわかりにくいのであって、
実際には「人種排除」だったと考えると、
イメージをつかみやすくなるかもしれません。

しかし、米国自体が、黒人排除論に動くと、
困るのは南部11州の農場主たちです。
農奴を使っているから、商売になっているのです。
それが白人の使用人達にとってかわったら、
コストは倍以上につきます。
綿花農園そのものが存続できなくなる。

そこで起こったのが南部11州の、米国からの脱退と、
アメリカ共和国の建国、そして南北戦争でした。

南北戦争では、南北合わせて320万の兵力が激突し、
たった3年で、両軍あわせて123万人が
死傷者を出した凄惨な戦いだったのです。

かわいそうな事に、この戦いに北軍側では、
100万人以上の黒人義勇兵が、最前線で戦っています。
彼らは、この南北戦争が、「奴隷解放の為の戦い」であり、
「人種差別撤廃のための戦い」と信じていたのです。

結果として南部諸州が負け、元の米国に戻り、
そして米国では「奴隷制度」が廃止されました。
しかし、人種差別は、以前より一層、酷いものにかわったのです。

要するにリンカーンの行った南北戦争は、
北部諸州の白人の労働雇用を守る為に、
低賃金、終身雇用の労働力である
「黒人を排除」する事を目的として、
黒人が米国内に増加する温床となっている南部の「奴隷制度」を、
根こそぎ排除しようとした戦い、である、という事なのです。


ですから、南北戦争で、いっけん、
人道主義的にみえる「奴隷制度反対」を主張した北軍は、
実の所は、制度に反対していただけで、
人種への偏見は、むしろ南部以上に酷かった。
そしてこの事が、義勇兵として参加した黒人を、
前線で数多く死においやり、結果として
両軍合わせて123万人という途方もない
死傷者数となった、というわけです。

そして南部の綿花栽培における
「格安労働力」としての「黒人奴隷」が法的に禁止となると、
黒人は法的には白人と同じ高コストな労働力となり、
南部の綿花栽培を衰退させ、更に、
黒人の大量の失業者を産み出す結果となります。

そして人種差別は、人種排除の動きとなり、
しかも黒人には「公民権」は与えられていないままですから、
差別は一層過激なものへとなっていきました。
黒人奴隷は、農園主の貴重な財産としての
「終身雇用財産」ではなく、
単なる「人種排除、人種差別」の対象となっていったのです。

米国が、黒人に公民権を与えたのは、
南北戦争から100年も経った昭和39(1964)年の事です。
では、その100年の間に、米国では何があったのでしょうか。

米国における黒人差別の実情については、
様々な本も出ているし、ネットでも黒人問題等で検索すれば、
沢山の記事がヒットしますので、
そのあたりは、是非、ご自分でお調べ下さい。

問題は、奴隷解放をした筈の南北戦争から、
100年も経ってから、なぜ、黒人は差別の対象から
米国市民としての「公民権」を
与えられるようになったか、という事です。

実は、ここに日本が深く関係しています。

第一次世界大戦が終結した大正8(1919)年、
第一次大戦の惨禍を再び繰り返す事がない為に
「国際連盟」を創設しようという「パリ講和会議」が行われました。

この時、米国の黒人達が最大の注目したのが日本です。
日本は、国際連盟規約に「人種平等の原則」を入れるという、
その時点では正に画期的な提案をかかげて、
戦勝国の一員そてい講和会議に出席しています。

この講和会議に出席する日本の全権使節団は、
パリに向かう途中、ニューヨークに立ち寄りました。
本来ならば、パリに向かうなら、インド洋を回るルートが早道です。
けれど、日本の使節団は、
あえて別ルートで米国をまわったのです。

これには理由があって、
人種差別撤廃を図りたい日本の使節団は、
講和会議の議長役となる米国のウィルソン大統領に、
あらかじめ根回しをして
人種差別撤廃への協力を求めようとしたからです。

ですから、この日本の訪米は、
長年人種差別と戦ってきた米国の黒人社会が大絶賛しています。
「ボストン・ガーディアン」紙の編集長モンロー・トロッターなど、
黒人社会の指導者4人は、日本の使節団に
「世界中のあらゆる人種差別と偏見をなくす」事に
尽力してほしい、という嘆願書まで渡しているのです。

「われわれ(米国の)黒人は講和会議の席上で
“人種問題”について激しい議論を戦わせている日本に、
最大の敬意を払うものである。」
これは、全米黒人新聞協会が発表したコメントです。
人種差別に苦しむアメリカ黒人社会は、
有色人種でありながら世界の大国の仲間入りした日本を、
人種平等への旗手と見なしていたのです。

当時、ロサンゼルスの日系病院の医師のうち、
二人が黒人だった事について、やはり黒人紙の
「カリフォルニア・イーグルス」紙は次のように述べています。

「殆どの病院が黒人に固く戸を閉ざしている昨今、
日系人の病院がどの人種にも、
門戸を開放している事は本当に喜ばしい限りである。
同じ人種の医者に診てもらう事ができる安心を
患者は得ることができるのだから。」

そもそも日本人というのは、
人種差別という概念を持ち合わせていません。
誰であれ、親しく真面目に接してくれるなら、
胸襟を開いて友となる。
それが日本人です。

1923年の関東大震災では、ある黒人が
「シカゴ・ディフェンダー」紙に
「アメリカの有色人種、つまり我々黒人こそが、
同じ有色人種の日本人を救えるのではないか」と投書します。

それを受けて同紙はすぐに日本人救済キャンペーンを始めた。
「たしかに我々は貧しい。しかし、
今、お金を出さなくていつ出すというのか。」

同紙の熱心な呼びかけは、多くの黒人の間に浸透していきます。

万国黒人地位改善協会は、
「同じ有色人種の友人」である天皇に深い同情を表す電報を送り、
また日本に多額の寄付を行った。

「シカゴ・ディフェンダー」紙のコラムニスト、
A・L・ジャクソンは、長い間白人達の専売特許だった
科学や商業、工業、軍事において、
飛躍的な発展を遂げようとしていた日本が、
震災で大きな打撃を受けた事により、
黒人もまた精神的な打撃を受けた、と分析しました。

なぜなら「日本人は、
それまでの白人優位の神話を崩した生き証人」
だったからだといいます。





★続きます。

 
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転載元: 中川昭一氏のような保守を支持します&♡ ときめく人達♡


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