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[転載]開かれた、海の恵み ―日本外交の新たな5原則―

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¤Ҥé¤᤭Åŵå首相官邸より抜粋しました。
 
(注)このスピーチは、
18日にジャカルタで行う予定であったが、
安倍総理がアルジェリアでの邦人拘束事案について
直接指揮をとる為、予定を早めて帰国する事になり行われなかったもの。


I 国益における万古不易

 ご列席の皆様、特に、インドネシアを代表するシンクタンク、
CSISの皆様、本日は素晴らしい機会をいただき、
ありがとうございます。

 本年で、我が国とASEANの関係は、40周年を迎えます。
節目に当たり、私は、日本外交の来し方をふりかえると共に、
行く末について、ある決意を述べたいと思って
この地へまいりました。

 日本の国益とは、万古不易・未来永劫、
アジアの海を徹底してオープンなものとし、
自由で、平和なものとする所にあります。
法の支配が貫徹する、世界・人類の公共財として、
保ち続ける所にあります。

 我日本は、正しくこの目的を達する為、
20世紀の後半から今日まで、
一貫して2つの事に力を注いでまいりました。
それは、海に囲まれ、海によって生き、
海の安全を自らの安全と考える、
日本という国の地理的必然でありました。
時代が移ろうとも、変わりようはないのであります。

 2つのうち1つは、米国との同盟です。
世界最大の海洋勢力であり、経済大国である米国と、
アジア最大の海洋民主主義であって、
自由資本主義国として米国に次ぐ経済を擁する日本とは、
パートナーをなすのが理の当然であります。

 今米国自身が、インド洋から太平洋へかけ
2つの海が交わる所、正しく、
我々が今立つこの場所へ重心を移しつつある時、
日米同盟は、かつてにも増して、重要な意義を帯びてまいります。

 私は、2つの大洋を、穏やかなる結合として、
世の人全てに、幸いをもたらす場と成す為に、
今こそ日米同盟に一層のの力と、役割を与えなくてはならない、
その為我国として、これまで以上の努力と、
新たな工夫、創意を注がねばならないと考えています。

 これからは日米同盟に、安全と、繁栄を共に担保する、
2つの海にまたがるネットワークとしての
広がりを与えなくてはなりません。
米国がもつ同盟・パートナー諸国と日本との結び合いは、
我国にとって、かつてない大切さを帯びる事になります。

 海に安全と繁栄を頼る我国の外交を貫いた
今一つのモチーフとは、海洋アジアとの繋がりを強くする事でした。

 この為私自身かつて、インドと、
或いは豪州と日本の結びつきを、
広く、深いものとするよう努めました。
又、発足以来8年を迎える東アジアサミット(EAS)が、
志を同じくし、利益を共有する諸国の協議体として、
2つの大洋をつないで成長しつつある事くらい、
私にとっての喜びはありません。

 しかしながら何といっても、ASEANとの関係こそは、
かかる意味合いにおける我国外交にとって、
最も重要な基軸であったのです。

 そう考えればこそ、政治や通商・投資の関係において、
平和の構築から、域内連結性の向上まで、
この地域において、我先人達は、
一度たりとも努力を惜しみませんでした。

 無数の日本人がその為働き、資本や、技術、経験が、
日本からこの地に向かったのであります。

 私共が世界に打ち出し、大切に思ってきた
「人間の安全保障」という考え方にとって、
大事な実践の場となったのもやはりこの地でありました。

 2015年、皆さんがたASEANは、
名実とも共同体として、一つの脱皮を遂げます。
心からのお祝いを申し上げます。

 インドネシアがその最も顕著な実例でありますが、
法の支配と人権を重んじ、民主主義を根づかせる動きは、
ASEAN諸国を貫く基調となりました。
今や、ミャンマーも、皆さんを追いかけ始めています。
この事を、私は、嬉しい驚きをもって眺めてまいりました。

 万人のみるところ、インドネシアには今、
世界有数の、幅と、奥行きをもった
中間層が生まれはじめています。
ASEANは、域内の連結を強めながら、
互いの開きを埋めると共に、それぞれの国に、
豊かな中産階級を育てていくに違いありません。

 その時世界は、ある見事な達成を、
即ち繁栄と、体制の進化を二つながら成し遂げた、
美しい達成を、見る事になります。

 そして私は、ASEANがかかる意味において
人類史の範となる事を信じるが故に、
日本外交の地平をいかに拡大していくか、
新しい決意を、この地で述べたいと思いました。


II 未来をつくる5原則とは

 それは、次の5つを原則とするものです。

 第一に、2つの海が結び合うこの地において、
思想、表現、言論の自由――人類が獲得した普遍的価値は、
十全に幸(さき)わわねばなりません。

 第二に、私達にとって最も大切なコモンズである海は、
力によってでなく、
法と、ルールの支配する所でなくてはなりません。

 私は、今、これらを進める上で、
アジアと太平洋に重心を移しつつある米国を、
大いに歓迎したいと思います。

 第三に、日本外交は、自由でオープンな、
互いに結び合った経済を求めなければなりません。
交易と投資、人や、物の流れにおいて、
私達の経済はよりよくつながり合う事によって、
ネットワークの力を獲得していく必要があります。

 メコンにおける南部経済回廊の建設など、
アジアにおける連結性を高めんとして
日本が続けてきた努力と貢献は、
今や、その実りを得る時期を迎えています。

 誠に海のアジアとは、古来文物の交わる場所でありました。
皆さん方インドネシアがそのよい例であります様に、
宗教や文化の間に、対立ではなく共存をもたらしたのが、
海洋アジアの、すずやかにも開かれた性質であります。
それは、多くの日本人を魅了しつづけるのです。
だからこ我国には、例えば人類の至宝、
アンコール・ワットの修復に、
孜々(しし)としておもむく専門家たちがいるのです。

 それゆえ第四に、私は、日本と皆さんの間に、
文化の繋がりが一層の充実をみるよう努めてまいります。

 そして第五が、未来をになう世代の交流を促す事です。
これについては、後ほど申し上げます。

 今から36年前、当時の福田赳夫総理は、
ASEANに3つの約束をしました。日本は軍事大国にならない。
ASEANと、「心と心の触れ合う」関係をつくる。
そして日本とASEANは、
対等なパートナーになるという、3つの原則です。

 ご列席の皆さんは、私の国が、
この「福田ドクトリン」を忠実に信奉し、
今日まできた事を誰よりもよくご存知です。

 今や、日本とASEANは、文字通り対等なパートナーとして、
手を携えあって世界へ向かい、共に善をなす時に至りました。

 大きな海で世界中と繋がる日本とASEANは、
私達の世界が、自由で、オープンで、力でなく、
法の統(す)べるところとなるよう、
共に働かなくてはならないと信じます。

 人と人が自由に交わりあう事によって、
互いを敬う文化が根ざすよう、努めねばならないと信じます。


III 日本を強くする

 皆さん日本には、世界に対して
引き受けるべき崇高な責任があり、
なすべき幾多の課題があります。
しかし己の経済が弱まる中では、
どんな意欲も実現させる事ができません。

 私にとって最も大切な課題とは、
日本経済をもう一度、力強い成長の道に乗せる事であります。

 伸びゆくASEANと結びつき、海という海に向け、
自らをもっと開放する事は、
日本にとって選択の対象となりません。
必要にして、欠かす事のできない事業だからであります。

 日本には、資本があります。
術がありますし、社会の高齢化という点で
歴史の先端を行く国ならではの、経験も増えてきました。
不況が続き、一昨年は、千年に一度の災害に見舞われ、
多くの犠牲を生んだにも拘わらず、
社会の安定は、まだびくともしていません。

 今まで、育てる事を怠ってきた人的資源もあります。
日本女性の事ですが、私はこれらのポテンシャルを一気に開放し、
日本を活力に満ちた、
未来を信じる人々の住む国にしたいと考えています。

 今日本人に必要なものが一つあるとしたら、それは「自信」です。
夏に咲いて、太陽を追いかけるひまわりのような、「向日性」です。
かつて日本に、溢れるほどあったものが、今、欠乏しています。

 だからといって、私は何一つ悲観しようと思いません。
私達日本人が「自信欠乏症」にかかっているとすれば、
それをなおしてくれる人があり、歌があるからです。
ここから私の話は、皆さんへの感謝に焦点を移します。




V JENESYS 2.0を始める

 私は、ファドリ君達、20年、
30年先のインドネシアを担う世代の人々、
の将来を引っ張る若者達に、日本を訪れてほしいと思います。

 エン塾の素晴らしい学生達にも、
日本の色々な所へ見に来てもらいたい。
そう思って、この度、ASEANや、
アジアの若者をお招きするプログラムを拡充し、
強化する事にしました。

 ちょうど、6年前の事になります。
私は、日本の総理として、EAS参加国を中心に、
広くアジア・太平洋各国から高校生や大学生、
若者を日本へ呼ぶ事業を始めました。

 ジェネシスという名のもと、
当時のレートで約3億ドルの予算を当て始まったプログラムは、
今までに、ASEAN各国から1万4000人を超す若者を
日本へ受け入れてきました。

 これをもう一度、「ジェネシス2.0」と名づけ、
熱意と感謝の気持ちを込めて、始める事に致しました。

 ジェネシス2.0は、3万人の若者を、
ASEANを含むアジア諸国から日本に招待します。
どうです、ファドリ君、それから、かいきり先生、
どしどし宣伝して下さいませんでしょうか。

VI アジアの海よ平安なれ

 40年前、日本がASEANとパートナーになった頃、
インドネシアの経済がこれほど伸びると
想像した人が果たしていたでしょうか。

 名目GDPの変化を比べてみますと、
この40年の間に、インドネシア経済は、
10階建位の、どこにでもあるビル程度の高さだったものが、
スメル山の高さにまで伸びた事がわかります。

 古来、インドで生まれた仏教を大切にしてきた日本人にとって、
スメル山とは、須弥山(しゅみせん)と称し、
世界の中心にそびえる山を意味しました。

 インドネシア40年の達成を、このように例えてみる事は、
従いまして、我々に二重の意味で、
深い感慨を催さずにいないのであります。

 私は又、アチェに津波が襲って以来の、
皆様の達成を、人類史が特筆すべきチャプターだと考えます。
それは、復興と、和解、ひいては国全体の穏やかな民主化を、
共に達成した偉大な足跡でした。

 私は、そんな皆様インドネシアの隣人である事を、
誇りに思います。

 初めに私は、海に囲まれ、海に生き、
海の安全を、己の安全とする国が日本であり、
インドネシアであって、ASEANの、
多くの国々であると申し上げました。

 それは又、アジア・太平洋からインド洋に広がる一帯に住まう、
我々全てにとって共通の条件であります。

 そんな私達が一層の安寧(あんねい)と、
繁栄を謳歌できるよう、私はは今日、
日本外交がよって立つべき5つの原則を申し上げました。

 私達にとって大切な、価値の信奉。
コモンズ、なかんずく海を、力の支配する場としない事。
経済におけるネットワークの追求。
そして文化の交わりと、未来世代の育成、

交流を追い求める事です。

 アジアの海よ、平安なれと祈ります。
その為、経済において強く、意思において強固で、
国柄においてどこまでも開かれた日本をつくるべく、
私は身命を賭したいと思っています。

 インドネシアの人々に、私は、自分の決意を語る事ができ、
本当に良かったと思います。
ご清聴下さり、ありがとうございました。


全文は是非首相官邸でご覧下さい。
素晴らしいスピーチだと思います。
感動しました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                     
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転載元: 中川昭一氏のような保守を支持します&♡ ときめく人達♡


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