【請願の目的】 中国共産党による弾圧を逃れ国外へ亡命したウイグル人が、 その亡命先の政府によって中国に強制送還されています。 国際法では、ノン・ルフールマンの原則:生命や自由が脅かされ かねない人々を追放したり送還されることを禁止する原則が あります。 この国際社会の原則に反する強制送還を行わないよう、アジア 各国との関係が深く、影響力を持つ日本国から求めるよう 請願いたします。
国外に亡命するウイグル人
2009年7月5日に「新疆ウイグル自治区」の首府ウルムチで 起きた騒乱以降、中国政府によるウイグル人に対しての弾圧が 一層強まりました。その為大勢のウイグル人が国外に亡命して います。亡命先は陸続きの中央アジアや東南アジアが多く、 その後政治難民として受け入れてくれる欧米諸国に移るケース が多いようです。
しかし中国政府は、この亡命者らは犯罪者であると偽り、 亡命先の国から中国へと亡命者を引き渡すよう圧力をかけて います。近年活発になっている中国とそれらアジア諸国との 経済的結びつきによって、亡命ウイグル人が強制送還されて います。
2009年12月 カンボジアが、子ども2人を含む20人を強制送還。 彼らの今後の受け入れ先はUNHCR(国連難民弁務官事務所)が 交渉しているところであった。 2011年5月 UNHCRが難民として認めたエルシディン・イスライル 氏をカザフスタンが強制送還。 2011年7月 パキスタンが、子ども2人を含む5人を、タイが1人を、それぞれ強制送還。2011年8月 マレーシアが11人のウイグル人を強制送還。
近年では上記以外にも、ウズベキスタン、キルギス、ベトナム、 ラオスなどから ウイグル人が強制送還されています。 過去のケースで見られるように、強制送還されたウイグル人は、 死刑か長期の懲役刑が課されるおそれがあります。
国際的ルールを守ること 中国政府は、政府に批判的な中国国民に対し、厳しい言論・ 人権弾圧を繰り返しており、人権無視の国家運営を行っています。 これは中国が常任理事国を務める国連憲章や、自国の憲法や 法律に対しての、重大な違反であります。
そのような中国に政治亡命者を強制送還することは、国連拷問 等禁止条約や、慣習国際法であるノン・ルフールマンの原則: 生命や自由が脅かされかねない人々を追放したり送還されることを禁止する原則、などの国際法に違反しています。
ウイグル人亡命者を強制送還したアジア諸国は国際的なルール を無視し、亡命したウイグル人の命を取引の材料として、中国から の経済的見返りを求めた、と非難されて然るべきでしょう。
私たちは、平和と人権を尊ぶ国際社会の一員として、アジア 諸国に対し関係が深く影響力のある日本国政府が、人権を尊重 し、国際的なルールを順守するよう、効果的に外交政策を講じて 頂けるよう求めます。
【 請願事項 】
以下の各号を日本国政府がアジア諸国(カンボジア王国、 カザフスタン共和国、 パキスタン共和国、タイ王国、 マレーシア共和国、ウズベキスタン共和国、キルギス共和国、 ベトナム社会主義共和国、ラオス人民共和国など) に対して要請できるよう、外務委員会等の適切な委員会 において協議し、具体的な外交政策を講じること。
重大な国際法違反である、政治亡命者の中国への強制送還を 直ちにやめること。 中国政府の弾圧を恐れ、自国に避難してきた亡命者らを政治 難民として受け入れること。 自国で政治亡命者を受け入れられないならば、その身柄は国連難民高等弁務官事務所などに任せること。
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