女系天皇反対-藤原正彦
本ブログの拙稿、武士道とは(下) 國家の品格でご紹介させていただいた、『国家の品格』の著者、藤原正彦氏が伝統について述べられています。
筆者は、畏くも今上陛下の一臣民として、皇統について述べる立場にありませんが、昨今、民主党政権において不敬な議論がされているようなので記事にさせていただいた次第です。
以下に動画の文字起しを記載しますので併せてご覧いただければ、幸甚に存じます。
文字起しはブログ友の「うまやど」様からお借りしました。
何も申しあげることはありません。
ご来訪の皆様、ご考慮いただければ幸いです。
筆者は、畏くも今上陛下の一臣民として、皇統について述べる立場にありませんが、昨今、民主党政権において不敬な議論がされているようなので記事にさせていただいた次第です。
以下に動画の文字起しを記載しますので併せてご覧いただければ、幸甚に存じます。
文字起しはブログ友の「うまやど」様からお借りしました。
男アナ: 藤原さんは女系天皇には反対なんですね。どうしてですか?
藤原:
どうしてって、あまりにも明らか過ぎてですね。
1+1がどうして2かと言われるようなもんで、答えようがないですね。
たとえば男、女、男、女と2000年間続いてきたら今後、
永遠に男、女、男、女ともう決まってるわけで、
男、男、女、男、男、女と桂馬のように飛んできたら、
これからも永遠に桂馬のようにするということです。
あるいは、天皇家で毎朝、一時間いわしの頭にお祈りしてきたと、
そしたら、今後永遠にイワシのあたまにですね
1時間お祈りしないといけないと。
伝統というのはそのようなものですね。ただただ、ひざまずくものですね。
論理も意義も何も考える必要がない。
その伝統を守ること自身が最も素晴らしい、価値のある事だと、
それをみんな国民が忘れてますね。
たとえば私が十数年前にケンブリッジ大学で教えていた事があるんですけど、
向こうではディナーなんか出るとね、
あの、ある公式ディナーで白鳥が出たんですね。
学生はチキンでしたけどね・・・。
向こうは階級社会ですから。
ただ前に座ってるノーベル賞かなんか取った男がですね、
「この白鳥はですね、誰のものか知っているか」
と言うんです。
何の質問かと思ったら、
そしたら、
「これは女王陛下のものだ」
と言うんです。
「イギリスの野山にいる白鳥は全部女王陛下のものだ、
だからケンブリッジ大学で食べるときは、
宮内庁みたいなとこの許可を取らないと食べれない」 と言うのね。
そんなあほらしいことを、「いつ決まったんだ」 と言ったら、
いきなり胸張ってね、「12世紀からだ」 と言うんだね。
要するにね900年間ただただそれにひざまずいてきたと、
これが成熟した国家の人々の考え方なんですね。
男アナ: 今回議論が出てるのはですね、このままだと天皇家が絶えてしまうかも知れない、続ける為に変えなきゃいけないなかで女系天皇論が出て来とる、と思うんです。
藤原:
もちろんですね。
皇室典範を変えなきゃいけないということは当たり前ですね。
これは戦後変えられたもの、今のものはですね。
あのままでは皇室が危ないと、従って変えなけらばいけない。
しかしですね。この皇室典範について討議すべきは
女系か男系かという問題、
それは討議することすら許さないそのような問題ですね。
いかにして男系をつなぐか、その方法についてですね知恵を集めると、
これは至急しなけりゃいけない事ですね。
男系かどうかと、これはですね2000年続いたものをですね、
捨てるなんて、
国柄中の国柄、万世一系というのはですね。
中核中の中核ですね。
これを捨てるとかそんなの議論すること自身が頭がくらくらとしますね。
女アナ: 女系天皇を容認する根拠として有識者会議は憲法と国民の声を最も重視したというふうにコメントをだしているんですけれど、これについてはどうでしょうか。
藤原:
これもほとんど言語に絶する意見ですね。
憲法というのは時の、流行の主張に過ぎないということですね。
明治時代に明治のですね欽定憲法があり、戦後、GHQ憲法がある。
それだけの事でそのときの流行りです。
もしも憲法を基準に皇室を考えるんだったらですね、
憲法改正のたびに皇室を変えなきゃいけない事になります。
これじゃーですね、伝統もなにもあったもんじゃないわけですね。
あるいはですね、世論をうかがうこんなのはあまりにもあほくさくてですね、
世論なんてなんも関係ない話ですね。
国民の声なんて聞いてたら国は潰れますからね。
女アナ: 国民の象徴ですけどね。
藤原:
それはですね、そのようにしたGHQが悪かっただけですね。
憲法の下に置いたという事が皇室典範をね、
それ自身が誤ってるわけで
たとえばですね世論なんて一日にして変わるもんですね。
憲法は数十年かもしれませんけど、
一日にして変わるそのような意見に基準を置いたらですね
伝統は全く保てないですね。
そもそもですね現代人、平成の民が
何故に、そのような2000年の伝統を変える、
この力があるか?権利があるかという事ですね。
要するに飛鳥の時代からですね、
奈良、平安、鎌倉、室町、安土桃山、江戸、明治、大正、昭和ときて
その人たちがみんなですね必死の思いで、
万世一系をつないできたわけですね。
これをですね、なぜ平成の民がですね自分たちの世論でですね
一気に変えることができるかと、
これは私はですね、
内閣は、それを有識者会議すらとんでもない事で、
内閣が変えることすら、
国会が変えることすら許されない事、
天皇陛下ご自身が変える事すらですね、
125代の天皇陛下が変えることでさえ許されないと。
何も申しあげることはありません。
ご来訪の皆様、ご考慮いただければ幸いです。