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Channel: 電脳工廠・兵器(武器,弾薬)庫
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[転載]つづき 八金次郎の祈り 「二宮金次郎」

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つづき 八金次郎の祈り 
 
 
せっかく進められていた仕法の仕事は、こわされ暗礁に乗りあげてしまったのです。
『家も田畑も売ってここへきたのは何のためだったのだろう。お殿さまに約束した十年のうち半分以上がすぎたというのに、復興の見通しはまるでたたない』
『わたしは自分にできる、精いっぱいの努力をしてきた。もうわたしという人問の力ではどうにもならない…』
 
夜、月を仰ぎながら、金次郎はしみじみと思うのでした。月は夜空にあかるくまるく輝いています。清らかに澄み渡り、村々を照らしています。月にみとれているうちに、金次郎の心には、豊田正作や仕法に反対の村人に対して怒る気持ちはなくなっていました。
『誰が悪いのでもない。わたしの信念と意志の力が足りなかったのだ』
『わたしの心の中にみんなにとって良いことをしてやっているという恩着せがましい気持ちはなかったか。精をだして働いてくれる村の衆への感謝の気持ちは深かっただろうか…』
『信頼して委せてくださるお殿さま、愚痴ひとつ言わず助けてくれる妻、慕ってくれる村の衆、今までやってこられたのはみんなのおかげだった……』
自分が変わることだ、自分の祈りをもっと深め、感謝の心を深めることだ、金次郎はそう思いながらずっと月をみていました。
 
 
そして次の日、朝早く、金次郎は誰にも言わずに姿を消したのです。
村は大さわぎになりました。仕法反対者たちは、はじめのうちは喜んでいましたが、金次郎がいないと仕事は全く進まなくなってしまいました。
役人たちは金次郎を実は頼っていたということに気がつきました。それに彼をいじめたことがお殿さまに知れたらと心配になりました。
そのとき、今まで金次郎を慕い、信頼していたけれど、豊田正作たちがこわくて何も言えなかった農民たちが、「二宮さまは本当におれたちのために尽して下さった」
「この村のためになくてはならないお方だ」
と正作たちに訴え、更に江戸屋敷の忠真(ただざね)のもとへ、直訴までしたのです。
「金次郎を探しだし、復興を続行させよ」と、忠真から命が発せられました。
 
 
金次郎はそのころ成田山の新勝寺にこもっていました。
「深い真心と強い意志を授け給いて、仕法をやりぬかせてくださいませ」
二十一日間の断食と水行をしながら、ただ仕法のための力を与え給えと祈り続けていたのです。
 
後にこのことを知った村人たちは、心から感動しました。金次郎の真心は仕法反対者たちの心もかえたのです。豊田正作は小田原へ帰され、横山周平という金次郎を理解し尊敬している侍が赴任してきました。ここから桜町仕法は急ピッチで進展するのです。
 
 
つづく
 
財団法人新教育者連盟 「二宮金次郎」より
 
 
 
注:何でもうまくいっていたことが、暗礁に乗りあげたりすることがありますが、この時他人のせいにしたり、環境のせいにしたりしますと、うまくいきません。この時自分に落ち度はなかったか、反省して、周囲の人々のお陰であったと感謝した時、好転しだしますが、その時急に悪い事がおこることがありますが、良くなる前の自壊現象です。病気も良くなる前には急に熱が出たりしますがその時心を落着かせ良くなる前の自壊作用だと安静にしていますと、急激に病気がなおったり、繁栄したりします。これを良くなる前のケミカライゼーションといいます。それから昔の商人は1日と15日にはその土地の氏神様に御参りしていたようです。氏神様は霊界の市長にあたるようで、いつも仕事をさせてもらっている感謝と繁栄して安心して暮らせるお礼を霊界の市長に挨拶していたようです。
 

転載元: サイタニのブログ


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