$ 0 0 台湾人医師の直言 林 建良 著 日本よ、こんな中国とつきあえるか?(十九)台湾の大和魂・高砂義勇隊 より続きます。 6.靖国問題で台湾を反日国家に仕立てる中国の陰謀 ●親中国勢力に支えられる高金素梅 無所属の高金素梅を支えている主な政治団体は、前述した「原住民部落工作隊」である。この組織は原住民の権益を守ることが目的だと称しているが、その主要メンバーはきわめて中国に近い。「部落工作隊」の中心人物である陳明忠と張俊傑は、今回の靖国訴訟の原告にもなっている。陳明忠は過激派親中国左翼組織「夏潮」(China Tide)の前会長であり、現在も積極的に「夏潮」に関わっている。 張俊傑は、今回の靖国訴訟で高砂義勇隊遺族代表と称している張雲琴華の夫で、台湾を中国に併合させることを目的とする組織「中国統一聯盟」の前幹事長でもある。彼は以前から、原住民の自治運動に関わってきたが、実際は、原住民を中国に送り込んで中国の政治イベントに参加させたり、台湾原住民に「統一思想」と「中国人意識」を植え付けるなど、中国の協力者である。 高金素梅をバックアップしている「部落工作隊」「中国統一聯盟」「夏潮」などすべての親中左翼団体は、中国とのつながりが深いことから、彼女の行動に中国の意図が隠されていることも推測できる。実際、彼女が扇動している原住民自治運動は、民族間の矛盾を利用して台湾を攪乱する中国の対台湾工作のやり方と一致している。 原住民組織である「タイヤル族民族会議」のウデュフ・ラバカ幹事長は、「彼女は原住民出身であることを隠していたくせに、今は個人的な利益のために純朴なタイヤル族同胞を利用している」「タイヤル族として、彼女のやっていることは認められない」と厳しく批判した。 タイヤル族原住民の身分を利用して、彼女が起こした靖国訴訟は、タイヤル族のためではなく、ましてや台湾のためでもない。台湾人で初めてとされる今回の靖国訴訟は、彼女を利用した親中反日左翼の新たな手口と考える方が妥当であろう。 靖国問題を巧妙に操る中国・胡錦濤政権 中国の胡錦濤は国家主席に就任直後、歴史問題への言及を控えるなど対日接近政策をとり、小泉首相との初対面のときにも靖国問題に言及しなかった。これを中国の「新思考外交」として、多くの日本のマスコミは好意的に取り上げていた。 当時、胡錦濤に強い影響力を持つとされた時殷弘・中国人民大学国際関係学院教授は、日中国民間の嫌悪感の増長は危険との理由で、「対日接近は最も必要であり、中国の安保、外交環境の改善に価値ある『迂回戦略だ』」(「戦略と管理」二〇〇三年二月号)と述べた。 しかし、のちに胡錦濤が執拗なほど小泉首相の靖国神社参拝を止めるように迫った態度からでもわかるように、日本国内世論が二分化しているかぎり、中国は靖国カードを簡単に放棄することはない。そもそも時殷弘氏が対日接近を「迂回戦略」と考えているのは、反日の基本路線に変更なしということだ。 これがいかにも中国人的発想であることは、台湾の「中国化」社会で育った私にはよくわかる。二〇〇五年の反日デモでも見られたように、日本糾弾と表裏一体の中華愛国主義でかろうじて国家の体をなしている中国が「反日」を止めることは絶対にあり得ない。 一連の歴史問題をめぐる中国の対日抗議、内政干渉には、絶えず日本国内の左翼グループが援護射撃をおこなってきた。中国政府は日本を攻撃しながら、彼らへの支援、教唆、懐柔にも余念がない。だから、台湾原住民を新たに加えた反日ネットワークで靖国に代理戦争を仕掛けることは、台湾と日本を離間させる一石二鳥の戦術にもなるのだ。 中国は、周辺諸民族を支配下に置かなければ、満足する国ではない。東アジアの民族心理の歴史からひもとくと、中華世界秩序は古来、国家意識を持たず勢力の大きなものになびく事大主義、屈服主義に毒された周辺諸民族の存在を前提として成り立っている。近代に入ってからも、中国に媚びる人間は常に反日だった。これらはすべて、現在の東アジアの反日勢力にも当てはまるのではないか? 靖国問題も、戦争賠償請求も巨視的に見れば、歴史問題というより、日本打倒を通じてアジアの秩序を改編する動きとして捉えることもできそうだ。 もともと戦後日本の左翼運動は、本質的には中国に対する事大主義の革命運動であった。「親中反日」然り、「親中反台」然りだ。彼らは東アジアにおける「新中華世界秩序」の建設にいそしんでいるわけである。元来、左翼は国家権力に対抗する反体制派のはずであるが、国家権力に対抗することと、国家を売り飛ばすことは次元が異なる。事大主義に走ること自体、すでに彼らが権力志向になっていることを意味しよう。日本人は平和、人権の美名に惑わされ、自国を他国に売り飛ばそうとする勢力に寛大すぎる。 私はクリスチャンだが、現在の国家、社会が先人の努力と犠牲の上に成り立っていることを考えれば、先人への感謝を捧げる施設として、日本人は靖国神社を断固守るべきだと思う。外国人でありながら、しかも自分の政治的な野心から、平然と靖国神社を冒Bする立法委員は台湾の恥である。私は台湾人として、高金素梅の行動を許すことはできない。彼女は台湾人としてではなく、中国人としてこの訴訟を起こしたのである。この訴訟は、中国の代理である左翼勢力と、日本民族の魂の戦いであると言ってよい。 この裁判は、提訴から一年後の二〇〇四年五月一三日に下された大阪地裁の判決では高金素梅ら原告の請求が棄却されたため、これを不服とした原告は大阪高裁に控訴し、その判決は二〇〇五年九月三〇日に出されている。この高裁判決では、小泉首相の靖国神社参拝は憲法の禁じる宗教的活動に当たると認める一方、信教の自由などの権利が侵害されたとは言えないとして控訴を棄却し、一審につづけて損害賠償請求を退けている。つまり、首相の靖国参拝は違憲だが、原告らが主張するような参拝による苦痛などは与えていないという判断を示したのだった。 後段はよしとしても、国のために亡くなった方々を弔いにお参りする首相の参拝が憲法に違反するとは、台湾人の私から見ても納得しかねる判決だ。これは憲法がおかしいか、裁判長の憲法解釈がおかしいかのいずれかである。 ●酷似する台湾と日本の戦後思想状況 実を言えば、国の裏切者や、それを放置する国民と後押しするマスコミの存在については、日台両国の社会状況はきわめてよく似ている。日本の「反日」と台湾の「反台」の両勢力も、思考、行動パターンはほぼ同じだ。どちらも、よく似た戦後思想状況の落とし子なのだ。 戦後、日本では祖国否定の思想によって学界、教育界、マスコミが支配され、日本肯定思想は異端視され、疎外されてきた。台湾では「台湾」を軽視する大中国思想によって人々は統制され、それに異論をはさむ者は、直ちに投獄された。 ところが近年、日本では戦後思想の見直しがはじまり、台湾では台湾人意識が高揚しつつある。そこで肩身が狭くなった「反日」左翼勢力と「反台」の外省人(および戦後教育にどっぷり浸かった台湾人)勢力は、左翼思想や中華思想特有の憎悪心、復仇心、エゴイズムをフルに発揮して、恥も外聞もなく大暴れしている。日本の左翼が戦歿者遺族の感情を平然と踏みにじり、靖国神社を訴えたのも、その一例と言えるだろう。 両国とも、旧思想に染まったマスコミは、権威を維持するために彼らを応援している。長年の洗脳教育に染まった多くの国民も、彼らの行動にはあまり疑問を持たず、それを支持する者も少なくない。 両勢力の共通点をもう一つあげると、それは「親中国・反日本」であることだ。左翼は共産主義だから中国への幻想が抜きがたい。外省人は戦後に中国からきた中国人だから、親中国は当然である。左翼はもともと反日だし、外省人は中華思想や「抗日情結」(対日コンプレックス)で支えられているから、彼らの「反日」も当然と言える。 ●「靖国神社参拝国民運動」のすすめ 高金素梅が起こした靖国訴訟は、台湾人を靖国問題に関与させた。しかし、この反靖国行為の批判に終始するだけでは、今までのパターンと大差ない。議論や裁判で彼らを打ち負かすことができても、状況はマイナスからゼロに戻るだけである。一連の靖国裁判を見ると、左翼があちこちで被害者と称する連中を引っ張り出して、日本国民を惑わせている。保守派は彼らの遊撃戦に振り回され、防衛するだけで精いっぱいなのだ。これでは、日本の魂を取り戻して国を再生することはできない。本気で国を再生しようとするなら、愛国者たちは議論や裁判の域から抜け出し、守りから攻めに戦略を転換すべきだ。 それには、「靖国神社参拝国民運動」を起こしたらどうであろうか? やることは至って簡単。すべての政治家に靖国神社参拝を要求すればよい。それぞれの選挙区で、市区町村議員から国会議員まで、靖国神社参拝を要求し、彼らに確約書を書かせ、毎年参拝を実行してもらう。参拝しない政治家に対しては選挙区で有権者の署名を集めて落選運動を起こし、二度と政治家になれないようにする。こうして良識あるサイレント・マジョリティを掘り起こし、今まで傍観していた国民に当事者意識を持たせることができれば、国の再生も可能になろう。 靖国神社参拝こそ、日本人の魂に詣でることであり、日本人再生の道であるのです。 日本人皆が参拝する日を願ってやまないのです。 続く・・・ 転載元: 美し国(うましくに)